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第八十六話 二ヶ月ぶりだったのに
取り残された祐希。
「おい、まずは褒めろって言ったのにダメじゃん、木元!!……なんだよ……何のために我慢したのかわかんねぇじゃん!」
しばらく俯いていたが、立ち上がると
「信じて貰えなくても本当のことを全部話そう……」
祐希は廊下に出るとランドリールームで着替えてると思い、ドアにもたれかかって座り込んで中に向かって話し出す。
「カコちゃん、聞いて…六月に初めてキスした時、俺自分のこと怖くなった……付き合ってそんなに日にちも経ってないのに、どんどん欲張りになって気づいたら無理矢理キスして……カコちゃんが思うより俺は独占欲が強いんだと思う……」
ため息ひとつ。
「夏が来て薄着の季節になった時、半袖から出てる腕にすらドキドキして……好きだから…カコちゃんがまだ俺を受け入れてくれるか分からないうちには今日みたいな事しちゃいけないって思って……俺には君と会わない時間が必要だったんだ……じゃないと俺、キスの時みたいに無理強いしてしまうかもしれないと思ったから……」
ため息二回目。
「カコちゃんの寂しさを考えてなくて本当にごめん」
中からは何の反応もない。
「カコちゃん?開けるよ」
薫子はもうそこにはいなかった。




