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100分の2の青写真《ブループロット》〜不便な時代もいいとこあるじゃんっ!!〜  作者: 優月菜


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第七十九話 行き先はどこ?


「井の頭通りを抜けて行くから、公園で朝ごはん食べさせて貰っていい?」


祐希に聞かれ頷く薫子。


「えーと……カコちゃん」

「クラブバーにつかまらないで、ここ」

祐希が両手を挙げる。


『って言うか、何でクラブバーにつかまるって知ってんの?』と思う祐希。


「さっき、ハグしたかったのにさせて貰えなかったから抱きついて欲しいんだけど」

「え?」


「ここ、ジャケットの中で手回して、手が冷たくなるから……そうしてくれないと出発出来ない」

薫子は顔から火が出そうなくらい緊張しながら、祐希のライダースジャケットの裾から両手を回してしっかり抱きついた。


「よし!じゃ行くよ!」

エンジンを噴かすと出発した。


井の頭公園。

「うまっ」

お昼の予定が朝ごはんに。

祐希はどれだけ日本食?薫子の手料理?に飢えていたのか、どんどん平らげて行く。

「ゆっくり食べて、お茶も飲んでね」


薫子は自分は朝ごはんを少し食べ来ているので、お茶だけ飲んでいる。

「おにぎり美味しい!何これ ジャコ!?」

「あ、それは炒りジャコにシソ」

「あっさりしてる、何個でもいけそう」

おにぎりだけで三つ目完食。


「あまり食べると眠くなりそうだから、この辺にしておく!」

と、言うもおかずはあらかたなくなって、おにぎりがあと二個残るのみ。


薫子が収納型タッパーを一つにまとめながら

「ふふ…何だかもうピクニック終了みたい」

と笑うと、祐希が照れくさそうに

「むこうの料理が口に合わなくて、俺少し体重減ったんだよ」


「え?やっぱり?少し痩せた気がした」

「カコちゃんのご飯が食べたかった!だからご褒美貰ったみたいに幸せだ!」

大袈裟(おおげさ)

薫子は楽しそうに笑った。



その後、薫子の腕が疲れない様に気遣い小刻みに途中休憩を入れながらも祐希は安全運転を続け、二人が乗ったバイクは新宿を抜けて明治通りを南下し、渋谷・恵比寿を抜けて五反田へ。国道1号に入る。


多摩川を渡って川崎から横浜に差し掛かった時、残っていたおにぎりも祐希が休憩の時に一つだけ、一つだけと食べてしまったので、道なりにあったアメリカンダイナーで昼食を取って一休みすると上大岡を抜けて鎌倉街道を走った。


朝比奈峠に差し掛かった時、そこまでは晴れていたのに急に雨が降り始めたのは午後一時を少し過ぎた頃だった。


全くどこをどう走って来たのか分かっていなかった薫子があっと思ったのは、鎌倉霊園を通り過ぎた時だった。

『鎌倉に向かってるんだ』


鎌倉八幡宮が見えたが、そこをバイクは通り過ぎた。

『どこに行くの?』


そして八幡宮に隣接する道を半周したところで車一台入るか?くらいの道に右折して奥へ奥へと入って行く。


半ば森かと思われるような木立の中、舗装されていない坂道を少し走ると小高い白い漆喰の塀に囲まれた黒鉄(くろがね)の門扉が見えた。


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