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100分の2の青写真《ブループロット》〜不便な時代もいいとこあるじゃんっ!!〜  作者: 優月菜


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第七十二話 ハワイで研修?


「本当今朝、急に、うちんとこの親父が"お前もハワイでフロント研修して来いって言い出して」


祐希は裏方の仕事の室内清掃とチップで日銭も稼ぐ算段を考えていたが、それを聞いた国内有数のホテルチェーンのオーナーは何でも器用に熟す祐希のことを買っていたがゆえに他に活かせないか?と考えたらしい。


初進出するハワイのホテルで社会経験を息子にもさせようと、フロント研修を二人にさせることを思いついた。


「てか、お前ホテルはもう関係ないだろ?武内さんとこの建設会社に入社するんじゃないのか?それにフロントなんてやったことないし、あそこじゃチップ貰えないじゃん」


「あー祐希くん、最後まで聴きたまえ」

「んー」

面倒くさそうにする祐希に

「ここだけの話、俺、同じ授業受けてたはずなのに英会話まるでダメだったろ?」

「うん、そうだな」


「まあ返す言葉もないが……だからこそ|全体的」グローバル》な視点からの俺のフロント研修な訳で」

「どう言う意味だよ?」

「建設会社が云々じゃない、社会経験を踏ませる為に俺の英会話レッスンとフロント業務一般の指導役(アドバイザー)が祐希な訳よ」


「ちょっと待てよ、そんなの荷が重いだろ!」

「その代わりって言っちゃあ何だが、親父は、まずはバイト代の時給を上げるしフロントで対応した人数掛ける5ドル上乗せするって言ってたぜ」

「何だって!?」


「日本からの団体が結構入ってるから、それ一件受けただけでもウハウハだぞ」

「マジか……」


会話に置いてけぼりの薫子に木元が気づき、

「あ、カコちゃんだから一人で行く訳じゃないし、あと、俺も聖奈のこと……えーと」

「彼女さんですよね」


「あー、そうそう、俺も彼女とも二ヶ月近く会えない事になったから」

木元が薫子を気遣いながら話す。


「えっ!それは……俺のせいでごめん」

祐希が言うと木元は

「いいんだって、あっちが家族でどっかしら海外旅行に行ってて会えないことなんか当たり前だし、毎年のことだからさ」


「そうなんですか?木元さん達は会えなくても寂しくないんですか?」

薫子が聞くと

「寂しくないって言ったら嘘になるけど、今はお互いにそれぞれの楽しみ優先でもいいかな?って時期でもあると思うんだよね……家族とは特に大人になったら離れ離れになる可能性高いし」


「それは、確かに……」

「カコちゃんも結婚とかしたら、ご両親とはなかなか会えなくなっちゃうかもよ」


木元が祐希の顔をニヤニヤしながら見ると、『オレはそこまでヤキモチやきじゃない』と口だけ動かすと木元は吹き出したが……。


薫子だけは神妙な顔つきのままだったのを見て、

「カコちゃん、これ見てニ枚とも明後日の夜九時発の便のチケットだから、本当に俺も一緒に行くから遊びに行くんじゃないから安心して」


木元がいい、祐希に一枚差し出して


「勝手ながら、親父が手を回してお前のチケット無効にして差し替えたから、これ渡しておくな!」

「ってエグゼクティブクラス!?」※


「往復チケット付きでのバイトって約束じゃん?」

「それでもこれは……この分で何日分のバイト代になるかもじゃん」


「それは付き合いの長さって事かな?じゃ、当日な!俺も荷造りして向こうに送らないと!じゃ、カコちゃん、また来学期」


木元は走って行ってしまった。


※1980年当時のJALのビジネスクラスの呼び方


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