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100分の2の青写真《ブループロット》〜不便な時代もいいとこあるじゃんっ!!〜  作者: 優月菜


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第六十七話 夏だからアルバイト①


気づくともう七月。


半ばには前期テストも始まる。

それが終わると夏休みだ。


建築学科の夏休みは課題も多いため、二ヶ月ほどある。


それでも出された課題を全てこなすには短いと思えるほどだ。


薫子にとっては出される大量の課題も祐希と一緒にこなせると思えば楽しみでしかなかった。

が……


大学のカフェコーナー。

祐希が木元を呼び出して2人だけで話している。

「なあ、本当に夏休み中ずっとバイトすんのか?」

木元が祐希に尋ねる。


「あぁ、もう決めたから宜しく頼むな」

「親父は祐希なら何やらせても英会話も問題ないし、多分チップだけでも稼げるみたいに言ってだけどさ……課題とかどうすんだよ。まさか持って行けないだろ?どうすんだよ?」

「あらかた、もう終わらせた」


「え?何言ってんだ?まだ出てもいないのに?」

「毎年ほぼ同じ課題しか出てないだろ?ル・コルビュジエの「サヴォア邸」のトレースは終わったし模型工作はもう作ったし、設計製図は近所の洋食屋、あと歴史的建造物のスケッチはだ州最高裁判所アリイオラニ・ハレにしようかと思ってる」


「え、どこだ、それ?」

「カメハメハ大王像があるとこだよ」

「あそこってハワイの裁判所なのか?」

「元々は違うけどな。前にイオラニ宮殿もあるし、そっちでもいいかな?とは思ってる」


「お前そこまでして……言ってくれれば安く譲ったのに、なんで先に言わないんだよ」

「それは違うと思ってさ。自分で稼いだ金で買いたいんだ」


「だからって俺が下取りに出したヤツを買わなくたって……店のオヤジもびっくりしてたぜ。友達から直接買わないで売りに出したヤツ買うなんてって」


「だから自分できちんと買いたいんだって。それに木元が色々手を入れて、いじってあるヤツ新車じゃ買えないけど、二人乗りがしやすくなってるところがいいんだよ」


「そこまでして、どうしてバイクが欲しいんだ?」

「木元だって、まだそんなに乗ってないのに何で買い替えたんだ?」


「それはその……聖奈がアメリカンタイプがいいって言うからさぁ」

「何だ、お前も彼女の為じゃん」


「まあ、そうだけど…親の金で買って貰ったヤツだし、買い替えも結局母ちゃんが出してくれたから俺は得しかしてねぇし……で、お前の理由は?」


「俺の場合はカコちゃんの為でもあるけど……結果、俺の我儘だ。理由の一つは公共の乗り物に乗せたくない」


「なんで?」

「カコちゃんが可愛いから、あの子がぼんやり車窓から外見てるだけで対面にいる男が勘違いして顔真っ赤にしたりするんだよ。本当いろんな男が見てくるのが嫌だ」


「え?どんだけ独占欲強いんだよ」

笑う木元。

「デートで待ち合わせ場所で待たせたくないから、彼女んちの最寄り駅で待ち合わせしてるけど、そのうち行き先のどこかで待ち合わせにしようとか言って来ると思う。でもそれじゃ危な過ぎる、だから迎えに行くのにバイクでなら自然だろ?」


「は?最寄り駅って、お迎えしに行ってんのか?」

「あの子無邪気過ぎるんだ……あんだけ男に視線送られても気づかないのに、俺のこと見て来る女の子のことを"琥原くん格好いいから"とか言うし」


「カコちゃんがどんだけ鈍感なのかは、自分が恋してる事に気づかないくらいだから分かるけどさ……

この前の水かけ事件の時、カコちゃんが話さないのに言っていいもんかどうか……本当に頭の出来が違う気はする」


「聖奈から聞いたところによると……」


いつも100分の2の青写真をお読み頂き有難うございます!


うっかり67話と68話の投稿順を間違えてしまいました!後の話を先にお読み頂いた方にお詫び申し上げます。

こんな筆者ですが、これからも頑張りますのでどうか応援宜しくお願いします!


尚、投稿順は元通りとなっております。


優月菜

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