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100分の2の青写真《ブループロット》〜不便な時代もいいとこあるじゃんっ!!〜  作者: 優月菜


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第六十四話 小田切の入れ知恵


祐希が着替えて戻って来た。


「汚れちゃった(ほう)のTシャツを袋に入れますねぇ。お預かりしまーす!あ、彼氏さん、彼女ちゃんと話が盛り上がっちゃって、これから会計なんですよぉ、すみません!」


祐希に話しかけた後、小田切が祐希からは見えない様に薫子に目配せした。


そこで、薫子はこれが合図かと思い祐希に向かって

自分のDバッグを背中から降ろし差し出すと

「今日は何だか疲れちゃいました……荷物お願いしてもいいですか?先に外に出てあそこで座って待ってて下さい」


外のベンチを指差された上に、薫子から先に荷物を渡されたのは初めての祐希は断れず、

「うん、分かった」


店を出て行く時、小田切と目をチラッと合わせたが、言葉も交わさず、店外の歩道脇にあり街路樹の周りに円を描くように作られたベンチに座って待つことになった。


「NICE!彼女ちゃん、よく出来ました。じゃ会計しようっか」

「はい、お幾らですか?」


荷物の中から出していた手に持っていたお財布を開けると小田切が、

「彼女ちゃん笑って!彼が見てるから笑いながら話してくれないと、この作戦は上手く行かないよ」


「え?笑いながら?話すんですか?えーと」

「ではまずは、こちらが彼女ちゃんがコーラで汚したTシャツのお返しになりまーす♪」

小田切に言われ薫子は思わず苦笑いした。


「その調子その調子!」

「お会計は?」

薫子ははにかみ笑いをすると

「いいねぇ、可愛い!!」

小田切が大袈裟に言うので、今度は笑ってしまう。


「そんな可愛くないですけど、有難うございます」

「いやいや、君達かなりお似合いの滅多にお目にかかれない美男美女カップルだと思うよ!マジで」

「褒め過ぎです……」

真っ赤になる薫子を見ながら、


『よしよし祐希怒り出したな』

実は小田切は外にいる祐希の顔色をチラチラと確かめながら薫子と話していた。


実は祐希が常連の店だった。

薫子がここで!と言った時、祐希は嫌だと言えず、ただ押し切られる様に入ったCONYは中学生の頃からの馴染みの店で、だいたいの服や服飾小物はここで購入している。


初めて祐希がこの店を訪ねた中学校一年の時、噂と違わず身長は今の薫子と一緒の百五十二センチくらいの色白のヤセ型の可愛い少年。


髪の毛はサラサラのストレートそんな少年が店内に入って来た時、小田切はいきなり

「ここには君のサイズはないから、一週間後にまたおいで」

有無も言わさず門前払いをした。


門前払いされた方の祐希は何が何だか分からなかったが、一週間後、言われた通りに店を訪ねてみると自分用サイズの服が取り揃えてあった。

小田切は祐希のためにわざわざ小さいサイズの仕入れを増やしてくれたのだ。


長い付き合い小田切はいい(ひと)だと分かっているが、薫子が何だか楽しそうに話をしている事にモヤモヤして来た。


『会計だけなはずが長い!!』

左脚の貧乏揺すりが止まらない祐希。


「ではお代は頂戴したので、そろそろ彼氏のところに戻らないとだけど、いい、ここからが君の腕の見せどころだよ」

小田切に言われ薫子は

「私がですか?」


「右耳貸して、いいかい、こっから出たら、まずは……」


薫子が店の中側に向く様に仕向けた上で、手で薫子の耳元を隠して|最後の仕上げ《last mission》を囁いた。



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