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100分の2の青写真《ブループロット》〜不便な時代もいいとこあるじゃんっ!!〜  作者: 優月菜


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第五十二話 祐希の反省の元!?①


この旧校舎は工学部建築学科しか使用していない。


後にも先にも建築学科には女子は薫子一人なので、つい個室(トイレ)の中で鼻歌を歌ってしまう。


祐希の好きな曲bee gees(ビージーズ)の"愛のきらめきの中に"だ。

その時、個室(トイレ)の外から声が聞こえた。


「何で、あの子が学祭の時に祐希が弾き語りした曲知ってるわけ?」

「もう付き合ってるって話だから」

「それにしたって思い出が(けが)れるわ」

小声ながらも聞こえて来る。


薫子はその時、このまま時間が過ぎるのを待って、多分?文学部の女子学生達が立ち去るのを待つか、出て行くかを迷っていたが、


『しまった!琥原くんに荷物預けちゃった……授業まで行ったり来たりしてたら時間ないかも』

意を決してドアを開けると、そこには十人くらいの女子学生が待っていた。


『多っ』


冷たい眼差しを向けて来る。


揃いに揃って、髪型は聖子ちゃんカットかサーファーカット、服装はニュートラかハマトラかで身を固めてる。

いかにも全員がお嬢様と言った風貌。


「すみません、お待たせしましたか?」


個室は三個あるので待たせる訳はないのだが一応尋ねるも答えはない。

「あの手を洗いたいんですが」

薫子が言うと前の一人だけがスッとどいた。


水道で手をゆっくり洗う、その間この後の展開を考える薫子。


『逃げる?追われる?琥原くんにはバレたくない』

と、向き合う決心をした。


「ちょっと!」 

うち一人に言われて薫子が振り向くと、

「あんた、どうやって祐希に取り入ったのよ?」

「え?」

「え?じゃないわよ、白々しい」

「取り入るとはどう言う意味でしょうか?」


身長百五十三センチの薫子からすると、皆それぞれではあるがだいたいが十センチは上背のある女子十人に囲まれると圧迫感が半端ない。


それでも薫子が

「ご本人の気持ちは琥原くんにしか分からないと思うので私に聞かれても……」

と言った瞬間、頭の上から水と思われるものが降って来た。


『わぁ、お水だと思うけど、あの子の持ってるの何だろ?山の絵?海外のボトルなのかな?さすがお嬢様』と妙なところで感心する薫子。


薫子が通っていた中学は地元なので普通な雰囲気だったが、高校では学力水準が高く合理的な考え方の持ち主が多かったのでライバルは成績で蹴落とすのが通常だった。


こうした話は聞いた事もない。


その時、他の誰かが言う。

「マリやり過ぎじゃない」

「うるさいマユミ」

「何もエビアン使わなくても勿体無い」

「何よ、ユウコだって同じ気持ちでしょ、何か文句ある?」

内輪揉めが始まった。


そこでびっしょりになった事で薫子はむしろ冷静になった。


「あの、発言しても宜しいでしょうか?」

薫子が言うと、少し内輪揉めをしたことが恥ずかしかいと思ったのか、薫子に水をかけたマリが

「どうぞ」

と不機嫌そうに言った。


どうやらこのグループの中心は彼女の様だ。


「全員、琥原くんに告白された方ですか?」

薫子に聞かれ、十人中三人は首を横に振って「私はただの見物」と言い切った女子()もいた。


「それでは七名の皆様に、まずは……」


一度、息をついた薫子はお辞儀をして、

「ごめんなさい!後から出て来て琥原くんとお付き合いする様になって本当に申し訳ありません」

と一気に言う。


聞いていた女子()達、全員が一瞬、怯《ひる》んだ。


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