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100分の2の青写真《ブループロット》〜不便な時代もいいとこあるじゃんっ!!〜  作者: 優月菜


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第四十二話 普通のデート?⑪ 【ワタシも告白②】

風になびく薫子の肩に掛かるくらいの髪。


「私、ご覧の通り今は肩までしか髪の毛伸ばしてないんですけど、当時は美容院に行くのも面倒くさくて腰ぐらいまで長くなってしまってて」

「腰!!?」

驚く祐希。


「はい。それと、くせっ毛が長く伸ばすと変な癖が出て、先の方が縦巻きロールになっちゃうんです」

「縦巻きロールって、童話のお姫様みたいな?」


「はい、通ってた都立高校は私服だったし髪の長さとかもうるさくなくて特に先生から何か言われたこともなかったせいもありますけど、体育の時だけは、その都度もう無造作に束ねて授業受けてたら……」

祐希は頷きながら聞き入っている。


「元々が女子校だったこともあって男女比率が圧倒的に女子が多くて、私は女子だけのクラスだったんですけど、中には髪の毛いじるのが好きな子とかがいて"カコロールを守る会"と称して、自転車で激走してぐしゃぐしゃになった私の髪の毛を毎日ブラッシングしてくれたり、お下げとか編み込みとかアレンジしてくれたりしてくれてたんです……」


薫子が一息ついて窓の外をチラッと見ると七里ヶ浜のようだった。


そして話はまだ続く。


「ある日の朝いつもの通り自転車で激走していたら、前から来た自転車に乗っていた男子学生さんがすれ違い様に前カゴに白い封筒らしきものを入れて走り去ってしまったんです」


「まさか、ラブレター?」

「実は私、中身見てないんです」

「読んでない?」

先が気になる祐希。


「はい、だいたい表書きも裏書もなかったし、いつも激走してるから、すれ違い様になので顔も分からず学生服を着てる方だから他校の人ということしか分からないし、そもそも今の自分は建築愛しかないから関心ないし……でもさすがに学校で捨てる訳にも行かず、家に持ち帰るもやはり捨てるのはどうかと思って、買い物した時に貰ったショップ袋に入れておいたんです」


「それでその後、そういうことはなくなったの?」

「それが……増えまして」

「え?それで?」

「ショップ袋に半分くらいになった頃、一人の方だけじゃなく何人か分からないけど違う人から頂いてることだけは分かるようになりました」

「……」

祐希は言葉も出なかった。


「そんなある日、校内行事できちんとした服装で行く日と言うのがあってアイビールックにしたので靴はコインローファーを履いてたんですけど、いつものスポーツジューズと同じ訳には行かなくて片方の靴が脱げちゃいまして……数メートル先で自転車を止めて片足ケンケンで靴を取りに戻った時、近くを歩いていた男子学生さんがその靴を持って私のところまで届けに来てくれて足元に置いたと思ったら、そのまま行ってしまって、後ろ姿にお礼の言葉は掛けたんですが」


『カコちゃんの靴を持った男……』

モヤモヤする祐希をよそめに、続ける薫子。


「その後から前かごに入れられる手紙に表書きが書かれるようになって」

「表書き?なんて?」

「"午前0時でもないのに疾走するシンデレラへ"って書かれる様になりました」


祐希は無邪気に話す薫子に何があったらと思うと正直怖くなった。


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