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100分の2の青写真《ブループロット》〜不便な時代もいいとこあるじゃんっ!!〜  作者: 優月菜


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第二十四話 カッコよすぎる彼⑥


祐希は経緯(いきさつ)を話し始める。


「辞めるか辞めないか、一旦は浪人して違う大学の他の学部に進もうって決心して退学届け貰い行った日に、講義室だけでも見ておくかって寄ったらカコちゃんと出会って……彼女に借りたノートを見たら自分は、やっぱり建築が好きなんだって気づいたのもあったから一ヶ月無駄にしたなって。だからこそカコちゃんとの距離詰めに悩んでて……いちいち、これはどう?って聞きながら様子見てる状態」

「王子は紳士なんだね?」

笑う桜。


「いや俺は王子よりも、どんなことからも彼女を守る騎士(ナイト)にならないと」


「あぁそっか、まだお(うち))のこととか話してないって事なんだね?」

「というか彼女そう言う事、全く興味なくて……うちの大学に入ることだけがまずは目標だったみたいなんだけど。ご両親の方針なのか、"うちにはお金がないから進学塾には行かせられない、自力で頑張る様に"って言われたらしくて中高時代ガリ勉だったらしいんだよね」


「言ったら悪いけど世間知らずってこと?」

驚いた様に桜が聞き返すと

「全く知らないみたい」


「えーとじゃ祐希とお兄さんのことも?」

「苗字違うから結びついて無いと思う」

「いるんだね……そう言う子って。ご両親もすごい人達だね!それって建築に進ませるのが問題あると思っての、敢えての反対だったんでしょうに」


「彼女のやる気を計ったんだろうとは俺も思ってるんだけど、ご両親のこと疑ってないんだよね」

「素直だね」

「うん、かなりのね…純粋培養育ち」


「あのさ気になってることがあるんだけど」

「はい?」

「レオからは祐希の彼女はカオルコちゃんとしか聞かなかったんだけど、苗字まさか三枝さん?」


「え?なんで知ってんの?」

「やっぱり、お母さんは三枝月子さんだと思うんだけど、確か旦那さんは銀行員(ぎんこうマン)

「やっぱり建築が男社会で心配だったからハードル上げたんだね、でもどうしてお母さんのこと知ってるの?」


「月ちゃん先生……あっ三枝月子さんのことね。レオと私が調理師学校の時の講師してた方でざっくばらんな本当にいい人でね。気が合って今も連絡取り合ってる仲なんだけど、今私産休中だから月ちゃん先生も気を遣ってくれて、こっちから連絡しない限りは先生から連絡来ないの。でもニコが生れた時には月ちゃん先生がお祝い送ってくれて、お礼の電話したら私も早産で大変だったんだよぉって言ってて、でもそんな薫子ももう高三だから来年大学生になるんだよねって言ってたから、まさかのもしかしたらと思って」


「すごい偶然!でも今したこの話、そのカコちゃんのお母さんには内緒にしてね、カコちゃんにも」

「そりゃそうよね、自分で気づくまでか、ご両親が彼女の頑張りを認めるまでは黙っておかないとね」

「さすが桜さん、有難う」


「そりゃ私達の救世主(ヒーロー)の頼みだもん聞かない訳がないよ」

「もう、その話はやめてよ、たまたま偶然居合わせただけなんだからさ……そう言えばニコちゃん寝ちゃってない?」


「あ!本当だ」

桜は薫子に向かって近づくと

「ごめんね、寝てるの気づかなくて…重たかったでしょ?」


「いえいえ、ふわふわのマシュマロみたいで……可愛い寝顔で……どうしましょうか?」

「じゃ、申し訳ないけどニコを起こさない様に体から離さないまま、ベビーカーにゆっくり降ろして貰えるかな」

桜に指示されて薫子は頷く。


『ゆっくりゆっくり』と思いながら虹子をベビーカーに降ろしていく

「上手い、上手い……降ろし終わったら、そぉーっと手を抜いてね」


『そおっと手を抜く』虹子は寝たままだ。


「薫子ちゃん有難う、寝かしつけしてもらう様になっちゃってごめんなさいね」

「いえいえ、何だかほんわかした気分になれて私の方が癒されました、有難うございました。」

軽く頭を下げて頬を紅らめる。


「うわー可愛い!祐希大変だね騎士(ナイト)としては守るべき事いっぱいじゃん」


桜が祐希に言うと、え?と言う薫子の顔を横目に

「カコちゃんが無自覚なのがまずは最初の敵なんですよ」

と言って笑った。



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