第二十話 カッコよすぎる彼②
「あれ?でも今はお料理人さんなんですよね?」
「レオさんね、何年か前に日本の家具作りに興味があって飛騨高山に修行に来たんだけど、【木・家具】と同じように【素材・食材】を活かす日本の料理法に感動して自分は形を作るよりも、人の五感を満たすものを作りたいって料理人になっちゃったらしいよ。」
「しかも日本で?」
薫子が聞き返すと
「そう恋に落ちたんだって日本人の奥さんと、調理師免許取る勉強中に」
祐希がいいながら、
「今奥さんは産休中」
「赤ちゃん?」
「去年の七月に生まれて女の子、NIKOちゃん、虹に子供の子って漢字で書くんだよ」
「可愛いお名前」
自分の名前は嫌いではないか、呼びにくい名前と思っていた薫子は本心から羨ましいと思っていた。
それを知ってか知らずか
「薫子ちゃんもすごく素敵な名前じゃない、新緑の綺麗な季節を感じるけど」
祐希の問いかけに
「それが……」と薫子が言い掛けた時…。
レオがお水とおしぼり、大きめなメニューを持って来た。それぞれの前にお水とおしぼり、真ん中にメニューを開いておくと
「はい、トーゾ、今日のお勧めはこれね」とブロッコリーとエビのトマトクリームソースのパスタを指差す。
「美味しそう……」
「あ、そうだユーキ、キミ自分達の飲み物作って来たら?」
「え?いいの?」
「だって勝手シッタル何とかでしょ?ユーキのエプロンもいつものところにしまってあるから出して使って、なんでも材料使ってイイし」
「うわっ、やった!カコちゃん美味しい飲み物用意してくるから待っててね!」
と言いながら、
「これは脱いでいくわ」
白いトレーナーを椅子にかけると、いそいそと調理場に向かって行ってしまった。薫子はどうしようレオさんと二人きりと思っていたが、当のレオは楽しそうに薫子に話しかける。
「ユーキいい子でしょ?」
「はい、優しくて本当にいい人です。」
「あのね、ウチの奥さんと赤ちゃん、ユーキに助けてもらったんだよネ」
「え?何かあったんですか?」
「去年の7月にユーキがご飯食べに来てるとき、食材足りなくなったんだケド、ユーキお客さん一人だから買い出しに行っていいって言ってくれてボク出かけちゃったんだ、その時、奥さん急にお腹痛くなっちゃってボクどこにいるか分からないでしょ、だからユーキが救急車呼んでくれて奥さんのこと励ましてくれてお店の戸締りまでしてくれて付き添ってくれてねー、ボク帰って来たらドアに病院のメモあって急いで駆けつけたら、切迫早産ってことで赤ちゃん早く生まれちゃったのネ」
「そうだったんですか。」
驚く薫子。
さっき産休中と祐希から聞いたものの他に何か心配事があるのかもと思いドキドキするが、
「でもね、赤ちゃん小さかったけどゲンキな子だったから心配はなかったんダ」
とレオに言われ
「良かったです!」
とホッとしながらも
「奥様のご体調も?」
と聞くとレオは
「桜は多分僕よりツヨイよ」
と笑う。
「今、産休中って琥原くんに先程お聞きして、奥様も赤ちゃんもお元気ってことですね。」
「モチロン、たまに来るよ」
頬を赤くしながら心から自分の妻と子供を心配してくれる薫子の様を見てレオはイイコ見つけたねユーキと思っていた。
「でもね、これからが本当の話、ユーキがどれだけいいコかって話なんだけどネ」
と話しかけた時
「またその話もう勘弁してよぉ、レオさん」
と祐希が戻って来た。
腰に黒いギャルソンエプロンを巻いている。気がついてはいたがトレーナーの下には薄いピンク色のダンガリーシャツを着ていたので、今まさに上の服は薫子とお揃い感満載だ。
祐希も狙っての雰囲気で俺を見てって目が言っていた。




