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100分の2の青写真《ブループロット》〜不便な時代もいいとこあるじゃんっ!!〜  作者: 優月菜


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第百三十二話 切り返し


自分の事を尋ねられている事に気づいた薫子。


直希が答える前にすぐさま席を立ち、裕子にまずは一礼する。


「お初にお目にかかります。三枝薫子と申します。

(わたくし)は一年生ではありますが先生の意見交換会の会員に加えて頂いておりまして、本来でしたら三年生のご担任の稲垣先生の直接のご指導は頂けない立場ではございますが、分け隔てなく学生に接してくださる先生に、特別に上野で苦手なパースの描き方の練習にお付き合い頂きました。その後、浅草の大提灯の中に何が描かれているかも知らない世間知らずの(わたくし)に観に行こうとお誘いを頂き、こちらで少し息をつこうとあんみつをご馳走に。今、こう言った(わたくし)達の様な学生にも、お時間割いて頂く事で、ご自宅にお帰りになる事を後回しにされていることを伺いまして、心苦しいばかりです。大変誠に申し訳ございません」

と、一気に捲し立てた。


裕子はそれを聞き

「あら、そうなの……直希さんったら、それならそうと仰ればいいのに。本当に言い訳しないんだから……パース?それにしては荷物が少ないのね」


来た!と薫子は思う。

「もしよろしければ、こちらにお掛け下さい。ご覧頂きたいので!」

まずは、食べていた器を片付けると裕子に席を譲った。


手持ちのショルダーバッグからA4のスケッチブックを出すとページをめくる。

「今日はこちらです」


「あらトーハクね」

「さすが先生のお母様。トーハクとお呼びになるんですね!」


「年寄りの方がそう呼んだりするものなのよ」

裕子のまんざらでもない様子にトーハク=東京国立博物館のパースを画用紙をめくって見せた。


「何枚か描いて見て頂いて、先生のご指導で、やっとまともに描けたのがこちらです」

「だいぶ線が綺麗になったわね」

「あ、有難うございます」


そこで薫子は畳み掛けた。

直希の方を向くと

「先生、(わたくし)本日はこちらで失礼させて頂きます」

「え?」

「それにお母様のご友人の方々も先生とお会いしたいのでは?この後少しのお時間でもお母様とお過ごし下さい」


直希は思いがけない薫子の言葉に真意を読み取れず慌てた様に

「薫子さん?」

思わず名前で呼んでしまう。


それに気づいているも裕子は口にせずにいた。


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