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100分の2の青写真《ブループロット》〜不便な時代もいいとこあるじゃんっ!!〜  作者: 優月菜


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第百十二話 行った事もないところ


そして、ところは銀座の一角。


女性向け服飾品の輸入ブランドを扱う店舗。

今で言うセレクトショップの先駆けとでも言うのか、その店の前で直希は車を止めた。


「ここでちょっと買い物をしたいんだ」


後ろを振り向いて声を掛け車を降りると、薫子の乗っている後部座席のドアを開けた。


「荷物はそこに置いて、一緒に行こう」

「あの、私はここでお待ちします」


「いやいや、今日これから行く意見交換会は、今の君の服装だと会場に入れない可能性があるんだ」

「え?そんな……お先にお話し頂ければ」

直希はわざと腕時計を見ると

「時間が…」

と言った。


『先生も左利き?右手に腕時計を……琥原くんと一緒なんだ』と薫子は思いながら


「……分かりました、ご一緒します」

車を降りた。


瀟洒な作りの建物の中に入ると待ち受けていたかの様に、洗練された美しいロングドレスを身に(まと)った歳の頃は四十歳ほどの女性が応対に出て来た。


「ご無沙汰ございます。直希先生」

支配人(マダム)、こちらは我が大学の優秀な女子大生」


「さえ…」

薫子が名前を名乗って挨拶しようとした時、その唇に直希が彼女の前にさり気なく手を出して


「君は挨拶はしなくていい」

「あ、はい、すみません」

「いや、必要がないだけだから」

「はあ」


薫子は不思議な思いでいっぱいだったが、『テレビに出る様な有名人だから、誰といたなんてバレない様にしないとってことかな?』


(のち)に意味が分かることになる。


直希と支配人(マダム)と呼ばれた女性が、少し席を外している間に待たされていた薫子は何組か用意されている商談スペースのひとつなのだろうか?

薄いカーテンで仕切られた応接セットに招かれ、紅茶を出された。


『どんなお買い物なんだろう?』

出された紅茶を飲みながら

『意見交換会は何処でやるのかな?』

疑問ばかり浮かんで来る。


数分後、二人は戻って来て支配人(マダム)が薫子に声を掛けた。


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