第12話 「ルーン魔術」
ルーン文字。
ゲームでよく聞く古代の文字。
まさか実際にあるなんて。
「でも魔術は僕たちには使えないんじゃないんですか?」
汐苑も同じことを思っているようだ。
「ルーン魔術は、普通の魔術と毛色が違ってね。僕たち魔術師は、魔術を思考し、想像し、創造する。例えば、風だったり、雨とかの自然現象。そこには、創世の光が残した神秘が内包している。僕らは、その神秘を具現化させてるのさ。」
「神秘?」
「ああ、古いものには魂が宿るみたいな言葉がこの国にはあるだろう?それはあながち間違いじゃないんだ。このルーン文字も同じだ。」
つまり、ルーン文字も古いものだから、神秘を内包しているってことね。
でもそれだけで、俺たちが魔術を使える理由になるのか?
「君たちも言霊という言葉を知っているだろう?ルーン魔術は、言霊を利用した魔術だ。神秘を宿した文字が、周囲に漂うマナを吸収し、文字が成す意味を具現化する。それが、ルーン魔術だ。」
「ふ〜ん。で?どう使うの?」
「これだと確か…… ᚠᛁᚱᛖ」
セルジオの言葉に反応して、石に書かれた文字が光りだす。
その光が赤白く染まり、火に変わった。
すると、突然、セルジオが石を落とした。
「熱ッ!?そうだった。生み出すだけで飛ばしたりはできないんだった。」
「何してるんです!燃えちゃってますよ、家が!」
「危ないから、退いてて。えい!」
一瞬、全員がバタバタしてしまった。
でも、汐苑が、水をかけて火を消してくれたおかげで、火事にならずに済んだ。
「と、まあこんな感じで、詠唱することで発動してくれる魔術さ。簡単だろ。」
格好つけているものの、セルジオは、火傷した手を冷やしている。
とても情けない姿を晒していた。
ダセェ……。
「まあ、これなら俺たちにも使えるわけだな。」
「うん。……やっと僕も役に立てる。」
「ん?なんか言ったか?」
汐苑が、何か呟いたような気がしたが……気のせいだろう。
なんだか嬉しそうな顔をしているみたいだ。
それを見てると、俺もほっこりしてくる。
「これを使う時は、詠唱した後に敵に向かって、投げるようにしてね。僕みたいにならないように。」
なんか雰囲気がコロコロ変わるから、緊張感が湧かないんだよな。
「分かりましたよ。じゃあその石をください。」
「えっ?それくらい自分で作ってよ。ルーン文字は教えるから。」
「そんな普通に作れるもんなんですか?」
さっきまでの話の感じ、魔術って、もっと色々小難しい制約みたいなのがあるもんじゃないのか?
「ルーン文字が要の魔術なんだって。最初から言ってるじゃん。毛色が違う、比較的お手軽な魔術だって。」
さっきまでの神聖な物みたいな、魔術の雰囲気が台無しだよ。
まあ、いいや。
とりあえず、文字を覚えればいいだけなら、そんなに難しくない……あれ?
汐苑、これ覚えれるかな?
「あの〜汐苑さん?これ、覚えられます?大丈夫ですか?」
「あばばばば……だだだ、大丈夫だよ。絶対に自分のものにしてみせるから。」
全身がブルブルと振動している。
汐苑が、完全にバグってしまっている。
ダメかもしれない。
仕方ない。一緒に覚えていくしかないか……。




