第72話『ギルドの喧騒、恋の余韻』
「うおおおおおおい!ヨシオォォ!!貴様!昨日リリィと何があったッ!!?」
翌朝、ギルドのドアを開けた瞬間――
俺は殺気とツッコミの嵐に飲まれた。
「ウケール!?なんでお前がここにいる!?てかなんで知ってんだ!?」
「ふっ……俺を誰だと思ってる。嗅覚と観察力に定評のある男・ウケール様だぞ!」
どや顔をしながら、ウケールが俺の肩をガシッと掴む。周囲ではギルドの常連たちが興味津々でこっちを見てるし、リリィなんて顔真っ赤にして固まってるじゃねえか!
「そ、その……昨夜は……」
「なに!?昨夜は何があったというのだ!?くぅっ、この破廉恥魔法使いがっ!!」
「違う!何も破廉恥なことしてねぇよ!ちょっと、こう、心がふれあったというか!」
「それが破廉恥じゃーーっ!」
「理不尽かよッ!!」
すると、ギルドカウンターの奥から、マスターが咳払いしながら口を開いた。
「おい、おまえら。騒ぐのは構わんが、依頼を片付けてからにしろ。今朝届いたばかりの高ランク依頼がある。ちょうどおまえたち向きだ」
「依頼……?」
俺がカウンターへ向かうと、そこには奇妙な内容が書かれた依頼書があった。
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【依頼名】
『金色のニワトリを捕まえろ!』
【依頼内容】
毎朝、村の畑を荒らす金色のニワトリを追跡・捕獲してほしい。
どうやら魔力を帯びた変異種であり、時々透明になるため非常に捕まえづらい。
依頼主:村長ゲルマン
報酬:金貨50枚+卵詰め合わせ
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「……おい、これ絶対ただのニワトリじゃねぇだろ」
「金色って時点でレアだし、透明になるって……俺たちにぴったりすぎる」
ウケールとエリュが背後からひょいと覗き込む。ちなみに、エリュはいつの間にかギルドに来ていた。
「……たぶん、逃げ足が速いし、幻惑系の魔法も使うかもな。気をつけないと」
と、冷静に分析するエリュ。こういうとこ、頼りになるんだよな。
「それにしても、報酬に卵詰め合わせって……やたら卵推しだな」
「むしろ本命はそっちじゃねーかって思えてきた」
「卵推しギルド依頼は草」
「草言うな」
とにかく、俺たちは依頼を受けて、準備に取りかかった。
リリィはまだ照れてたけど、俺と目が合うとふわっと微笑んだ。
それだけで、俺の心臓はまたドキドキする。
でも――
「リリィ。……また、頼りにしてるからな」
「うんっ……!私も、がんばる!」
さあ、今日も一日、元気にニワトリ追いだ。
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