第71話『静寂の森で、ふたりきり』
「……今日は、ありがとう。ヨシオ」
森の奥、クエストの帰り道。空が茜色に染まるなか、俺たちはしばらく無言で歩いていた。
「何が“ありがとう”なんだよ。助け合いは当然だろ?」
俺は肩をすくめて言う。けど、リリィの目はまっすぐで――少し潤んでいた。
「私……今日、すごく怖かったの。でも、ヨシオがいてくれたから……逃げずにいられたの」
そう言って、リリィは小さく笑った。夕焼けの光に照らされた横顔が、妙に綺麗で、見惚れてしまった。
「リリィ……」
思わず口に出すと、彼女は小さく首をかしげた。
「ん? どうしたの?」
「いや……なんでもない。ただ……その、今日のお前、カッコよかったっていうか」
「ふふっ、ヨシオに褒められるなんて、珍しい」
そう言って、リリィは一歩近づいてくる。
……近い。ちょっと近いぞ。
「な、なあ、リリィ……」
「えへへ……。ねぇ、ヨシオ」
ふいに、彼女の手が、俺の手に触れた。指先が絡み、手を握られる。
「これからも、一緒にいてくれる?」
「……バカ言うな。お前を放っておくわけねえだろ」
「そっか。うれしい……」
リリィは俺の胸元に顔を預けてきた。そのまま静かに、ぬくもりを分け合うように、俺たちはしばらく黙っていた。
森のざわめきと、遠くで鳴く鳥の声が、静かに響く。
俺の心臓が、どくん、どくんとうるさい。
「ねぇ、ヨシオ」
「ん?」
「もうちょっとだけ、こうしてていい……?」
「……ああ」
俺は、そっとリリィの背に手を回した。彼女の小さな肩が少し震えて、そして、安心したように寄りかかってくる。
……気づけば、太陽はすっかり山の向こうに沈んでいた。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるの!!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。
あと、感想も書いてくれるととても嬉しいです!




