第63話『ギルドに響く凱旋の鐘、そして――新たな依頼と再会』
――俺たちは魔導遺跡バルス=グラードの封印を再び閉じ、ギルドへと戻ってきた。
街の入り口をくぐると、午後の陽光が広場を優しく照らし、露店からはパンの焼ける匂い。あぁ、日常って、こんなにありがたかったんだな。
「よっしゃー! 無事生還! やっぱり俺ら、最強パーティーじゃね?」
ウケールが大きく伸びをしながらそう言うと、通りすがりの子どもたちが「かっこよかったー!」と手を振ってくる。
「ふふ、人気者ね、ヨシオ」
リリィが俺の横で笑う。……その笑顔、ちょっと反則じゃないか?
ギルドに戻ると、カウンターのリーナさんが目を丸くした。
「えっ、ほんとに生きて帰ってきたの? あの遺跡、三年前にもSランク隊が壊滅してて――」
「ま、俺たちなら当然でしょ。ね、ヨシオ?」
「まあ、なんとかなったって感じ……かな」
ちょっとだけ照れて笑うと、リーナさんが溜め息をついた。
「はぁ……じゃあ、報酬受け取ってね。あと、緊急依頼が来てるわよ」
「……緊急?」
俺たちは顔を見合わせる。
そのとき、ギルドの扉がバンと開いた。
「おい、ヨシオ! 生きてたのか、お前!」
その声に、俺は一瞬固まる。
入ってきたのは――かつての仲間、エリオ。かつて別行動を取っていた熟練の魔導士だ。
「……エリオ!? なんでここに……!」
「お前があの遺跡に行ったって聞いて、こっちに来たんだよ。……けど、お前がほんとに力を覚醒させてたとはな」
彼は俺の手を握った。
「今度のクエスト、一緒に来てくれないか? ある“古文書”を取り戻す必要がある。……お前の力が必要だ」
「古文書……?」
リリィが少し顔を曇らせる。
「それって……ひょっとして、“転写の断章《ファクター=アーカイブ》”?」
「知ってるのか?」
「ええ、それは“次元魔法”に関する最古の記述……ヨシオ、これは危ないかもしれない」
俺は一瞬だけ迷った。
だが、見上げた仲間の顔。それぞれの不安、期待、信頼が混じった表情。
「……行こう」
俺は頷いた。
「でもその前に、メシ行こうぜ。腹減って死ぬ」
ウケールが笑いながら肩を組んできた。
俺たちは、騒がしい日常と静かな決意を抱きながら、次の戦いへ向かっていく――。
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