第178章 記者を乱用する者との冒険 ④
誘導魔術・エッツという人物について紹介しよう。
ホワブラ国にて魔帝界の幹部・リヴァナラの部下というか手下として登場した人物。
勇者・リリネッドのパーティーの魔法使い・クロウが戦った人物である。
クロウの複数の魔法融合によて倒された上級魔法使いである。
そんな彼を探しにヒロコチームはレグブイ国に剣聖のユースと共に向かった。
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イメージしてください。浜辺で追いかけ合う男女の奴をー。
「待て~」
「捕まえて見ろ!」
エッツを追いかけるヒロコ。
「ほら、こっちだぞ」
「あっ、こら~、待ちなさい」
「「アハハハ、アハハハ、アハハハ」」
二人は楽しそうに街中を走り出している。
それは妄想、想像、理想。
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現実ー。
レグブイ国内の街の中でエッツを追いかけるヒロコ。
「この、クソジジィ! 待ちやがれ!!」
ヒロコは銃の姿に変えたライを持ち、空に向かって拳銃を乱射しながらエッツを追いかける。
「ほれほれ、それでは儂を掴めることは出来ぬぞ」
エッツは体を身軽にする魔法を掛けて風船のように外灯の上などに乗ってヒロコを煽る。
その煽りにキレるヒロコは同じように拳銃を乱射しようとするがライが日との姿に戻る。
「それ以上はヒロコの体が危険だよ」
「じゃあ~どうするの?」
「やれやれ、もう手は打っているよ」
「ん?」
エッツがヒロコに気を抜いていると背後からショーヒダが現れて裏拳をくらわせて壁の方に飛ばし起き上がる前にフィリナが魔法で拘束する。
「儂にこんな初期魔法で拘束するとは、舐められたものだな。儂を誰だと思ってる!!」
エッツが動き出そうとしたが一瞬にして目の前に現れた剣聖のユースを見て動くのを諦めた。
「誘導魔術。俺と一緒に来てもらおうか」
「くっ」
エッツが悔しがりながら歯を食いしばる。
「ユースさん、そいつは捕まえたよ。さぁ、アナタが知っている話を聞かせてもらおうか」
「ああ、いいだろう」
その時、エッツはヒロコの足元に魔法陣が出す。
皆がハッとなりエッツに向かうも、数秒の差で魔法は発動した。
ヒロコは皆の前から姿を消した。
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ヒロコが身構えながら回りを見渡す。
街の中にいたはずが今は草原の中心に立たされていた。
「な、ここどこ?」
ヒロコは考え込んでいると、ドドドドッと音を立てながら猪のモンスターが襲って来た。
懐にしまっていた護身用の拳銃をモンスターに撃ち込むもまったく怯むことはなかった。
どんどん近づくモンスターにヒロコは横に飛び込み攻撃を避ける。
だがすぐにモンスターは方向へ転換してまた向かって行く。
護身用の拳銃に弾を込める時間もなく、モンスターは迫っていた。
「なんでこんなところに人が?」
ヒロコに横に立つ、老人の男。いや、老人というには若々しい立ち姿の中に気だるさを見せる。
「頭を下げてろ」
「な!?」
老人の男は自身の影から剣を取り出してモンスターに攻撃して斬り裂きモンスターは倒れた。
「それで、君は何でここにいる? 変な魔力を感じて来てみれば」
「助けてくださり、ありがとうございます。私は、ヒロコと申します。私は魔法でここに飛ばされました。ここはどこですか? 貴方は誰ですか?」
「ハァ~……。俺はブラッド・ム―。 ここはド田舎の王国、トダイカ国の領域内のド田舎だ」
「トダイカ国って確か東北の側の」
「理由は知らないが困っているなら国兵でも連絡をしとくが、どうする?」
「いや、仲間に連絡はできると思うのですが……。」
ヒロコが悩んでいるとブラッドは頭を掻きながらため息をする。
「こんなところで悩むな! こい! 俺の家で少し落ち着くといい」
ヒロコはそのブラッドの提案に乗る事にした。
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ブラッドの家は山の上にあり、危険な道を歩き通りながら進んでいく。
その間、モンスターや魔物に襲われることはなかった。襲われるではなかった、彼らは影でこちらを除いていた。怯えながらこちらを見ていた。
「(モンスターも魔物も襲ってこない。このブラッドっていう人が殺気をはなっているから? それとも)」
「おい、あそこだ」
ブラッドはそこから見える家に指を差す。
「こんな山奥に何で?」
「俺は人間が嫌いなんだよ」
ヒロコは呆れた表情になるがブラッドは気にしないで歩き出す。
そして家へとたどり着いた。
中は、普通。変った感じが無い普通の民家。
家の外には畑や井戸、牛や鶏などがあり、自給自足の生活をしている。
「好きな場所にでも座ってろ。まあ、椅子がるのは窓の近くのとそこのテーブルの場所だけしかないからな」
ヒロコは入って来たドアのとかくにある小さな椅子に目線が入った。
気になって聞いてみるヒロコ。
「お子さんがいたんですか?」
「ん? ああ、前にいただけだ捨てるのを忘れてただけだ」
「ここで一人で住んでるんですね」
「先も言っただろう、俺は人間が嫌いなんだ。そんな事より、なんか飲むか? 牛乳か茶があるが」
「はい、それでは温かいお茶をお願いします」
「うっえぇ、あつかましい奴だな」
そう言いながらもブラッドはお茶葉を取り出す。
ヒロコは家の中を観察する。
一人で暮らしているのは確定だが、ずっとではない、そう思ったヒロコ。
「そんなに気になるか」
ジロジロしているのに気が付いていたブラッドに言われたヒロコは自粛する事無く、周りを見渡す。
「私は記者をやっています。人の良いことも嫌な所も気になってしまうです。だから言わせてください、ここに5年前。いや10年ぐらい前かな? 子供いましたよね」
「うっえぇ」
小さなな声でそう言った後、ブラッドはテーブルにヒロコのカップを置いてから、椅子に座り込んでから自分の口元にカップを持っていき一口飲んだ後に話し出す。
「お前の考え通りだ。10年ほど前に子供はいた。孫…というべき世間体から見ればそう言った存在がいた。目つきが悪い子供を俺は拭き取って数年とも言えないほどの時間の間だけ預かった」
「孫ではないのですか? その口ぶりからして確定ではないらしいですね。いや、確定はしているけど確信はないということですね」
「何が言いたいんだ」
「いくつか気になった事があって。 今少しまとめている所」
「……?」
ヒロコはまだまとまっていない情報を処理をするように口を開く。
「ブラッド、トダイカ国、剣聖が言っていた事、子供、城、エッツ」
単語をボソボソと言って行くヒロコにブラッドはテーブルに肘を付き、頬に手を付いて話す。
「冷めるぞ」
ヒロコは確信をもってブラッドに言う。
「まず、ブラッド・ムーさん」
「なんだい?」
「貴方は元中央国の隊長ですよね」
「何十年前の話だ」
「そしてここから城が見える。ギョク城が……。あそこは勇者の剣が見つかり勇者が誕生した場所。私がここに飛ばされた理由は剣聖の作戦なら、決められたレールにまんまと乗せられたという事になる……。では、確信を付かせてもらいます。 ここは勇者が、ネリネ・リリネッドが居た場所ですね。そして貴方はその叔父。 中央国を辞めたのもそれに関係している。有っていますか?」
ブラッドはひと呼吸した後に話す。
「いや、8割近く間違っているし、知らない話もある」
「え?」
そこに剣聖ユース、ヒロコの仲間も家の中に入って来た。
「どうやら話は終わったそうですね」
「ユース」
「また人が増えた」
「どうもブラッドさん、お久しぶりです」
「剣聖か。お前、なんかしたらしいな」
「悪い、なりふり構っている場合ではなくなってきていてね。 近々、この世界は危険になる。その前に勇者を世界に知らさせなければならないんだ。その為に君の様な世界の真実に目を向けているの者の背を押したくなってね」
「ユース、私に何をさせたい?」
「ヒロコ、君は急に現れた勇者を信用できたか? 幹部を倒したからなんだ? と思わなかったかい? そう世界は勇者・リリネッドを信用していない。会っていない、見た事もない英雄を希望を、勇者を。 だからこそ皆が想像し感じるためには正しい情報を届けなければならない。君が記者なら真実を世界に広めてほしい。その為に、少し回りくどい方法を取らせてもらった」
「本当にそう。それに貴方に言われなくても…私は真実を求める」
「フッ……。君はあたりらしいね」
ユースがそう言って家から出ると同時にライが一瞬だけ触れる。
「君は」
「それ以上は口には出せないだろう」
ユースは外で鎖の魔法で縛られているエッツの元に近づき、ヒロコに向かって話す。
「記者・ヒロコ、この世界は誰かの筋書き通りに進んでいた。だが、勇者・リリネッドが現れたことで予定通りにはいかなくなってきたがその外れた思っていたレールに勇者が乗り始めている」
そこにいる者達が皆がユースを見つめる。
「ヒロコ、転生者は別の世界で死んだ者がこの世界に呼び出された者達の事だ。 その人物たちは女神 又は 神によって力を貰っている。」
「神? 女神? 力? 何を言っているんだよ!」
「僕も勇者・リリネッドが何者なのかわからない。だが、これだけは言える」
「ん?」
「リリネッドは最後の希望だ。 ヒロコ、この国でリリネッドを知り、記事にしてくれ。 楽しみにしている。さあ、行くぞ、エッツさん。君には鬼の子の移動に手を貸してほしんだ」
「鬼の子?」
「ああ」
ユースはエッツを縛る鎖に触れて剣を取り出して消えた。
「瞬置双剣、魔力のみを移動させてその痕跡の場所に自信を移動させるレア度が高い剣だ」
ライが解説をする。
まとまったところでヒロコはブラッドに話しを聞く為に家の中に戻る。
「ブラッドさん、質問があります」
「リリネッド何て名前の孫はしらない。 俺の孫の名前は リサだ。 リサ・ムー。 10年前の中央国の四番隊隊長だった、モモン・ムー の娘だ」
「リサ? モモン?」
「俺の孫はリサだ。 だがその名で呼んだことはなかった。 あの子も名のならなかった。 そして孫は勇者になってリリネッドという名を名乗って冒険に出た。 ヒロコ、俺も知りたいなえ、孫は名を変えて旅に出たのか。 なぜ孫が勇者になってしまったのか。 君が記者なら、君が真実を本当に手にしたいのなら真相を明かしてくれ。」
ブラッドは頭を下げる。
「俺は知りたい、孫が何者なのか」
ヒロコはブラッドの家を出る。
外にライ、ショーヒダ、フィリナが待つ。
「ヒロコ、次くのなら中央国へ行く事をお勧める。あの国が真実に最も近い場所だ。だが」
ブラッドの心配をヒロコは安心させる。
「大丈夫です、必ず真相を記事にして一番に貴方にお見せします」
「ああ」
4人はトダイカ国のギョク城へと向かう。
ブラッドはヒロコを呼び止める。
「最後、もしあの子に会う事があったら伝えてほしい」
「何を?」
ブラッドは少し俯くもすぐに、ヒロコの方を見て言う。
「すまなかった……と」
「わかりました。必ず、お会いしたら」
ヒロコはお辞儀をして歩き出す。
彼らの旅は物語は一旦、ここで幕を閉じる




