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勇者を利用する者たちの冒険  作者: とり飼ジン
記者の冒険 篇

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第177章 記者を乱用する者との冒険 ③


 マトリ村ー。

 

 フィリナが以前ここで勇者・リリネッドと出会った話し、魔帝王の幹部を倒した洞窟の近くに立つ、ヒロコチーム。


「フィリナは戦いには参加しなかったんだよね」


「そうだよ、私が居たら足手まといになると思ったから。それに怖かったし」


「君がかい?」


 ライはフィリナを疑う。


「幹部だよ!? 例え、勇者が居るとはいえ、命が無事かなんて保証はないじゃん」


「その癖、一人で旅してるだろう?」


 フィリナはハッキリと言った後にショーヒダがその回答を返す。


「危険だと判断したら逃げてるし、危険領域には近づかないし。でも…、今回は違うから……。今は」


 フィリナが何かを口にする前に野良アンデッドが沸いてきた。


「コイツら、幹部が残したアンデッド!!」


「僕達が近づいたから反応したようだね。 どうりで住人が近づこうとしなかったわけだ」


「動くってわかってればそりゃ~近づかんわな。ライ」


「ああ、解っている」


 ライはアンデッド用の武器に姿を変えた。


「ヒロコ、俺の後ろにいろよ……? ヒロコ?」


 ヒロコはすでに幹部の基地へと足を運んでいた。


「あのアホ!」


「全く、困った子だね」


「私が付いて行くから援護よろ」


「ったく!!」


 ショーヒダがアンデッドを自分に誘導しつつ、フィリナを基地へと行かせる。


「さっさと、終わらせるぞ、ライ」


「ああ」



 ●●●



 ヒロコは奥へと進んでいく。

基地の中は今にも崩れそうな所があっちこっちにあり、火花を起こす箇所や水が漏れていたりと、危険な場所になっていた。それでもヒロコは進んでいく。


「ヒロコ!!」


 フィリナの声掛けにも振り向くことなく歩いていく。灯りが無い場所もたいまつを作って歩いていく。


 階段を見つけ下の階へと進んでいく、そこに魔物が襲い掛かろうとしたがヒロコは気にしないで進んでいこうとしたのでフィリナが魔法で倒す。


「あっ、危ない。 (本当に視界が狭くなる人)」


 フィリナが奥の方を見ると狂暴そうな魔物の目がギラリと光るのが数か所から見えて、肝を冷やす。



 ●●●



 いくつか、部屋、階を跨いである場所にたどり着いた。

研究室の様な場所。そこは火事があったような跡が残っていて天井が崩れた事で火が消えていた同時に水浸しにも少しなっていた。


 ヒロコは迷いなく中に入り、フィリナは周りを警戒しながら入る。


「ここは研究室?」


 ヒロコは持ち上げられる石をどかして落ちている本や資料を暗い部屋の中、たいまつを使って読む。

フィリナは杖を使って回りを魔法で明るくする。


「あっ、ありがとう、フィリナ。 というかいつからいた?」


「も~~~っ!!」


「これ、見てよ」


「なに?」


「これ、人体実験だよ」


「人体実験って?」


「どうやら、死んだ人間。いや、これは少し違うのか…」


 ヒロコは大きな岩をどかそうとするが退かす事が出来ず無理やり瓦礫の下に入り込もうとしたのでフィリナは急いで瓦礫を魔法で浮かせる。


「やっぱり、ここにいた幹部は " 魂を肉体に移す実験をしていた " らしい。 でもこっちは、人間の肉を剥ぎ取ってそれを被る実験? こっちは人間の脳とを取り出して」


「ちょっ、ちょっと待って!! 気持ち悪くなってきた」


「つまり、ここにいた幹部の人は人間を実験材料にしていたらしいね」


「そ、そんな事が」


 ヒロコが他の資料に手を伸ばそうとした時、壁を壊して見知らぬ男が現た。

壁を壊した衝撃で床が崩れ二人と男は下に落ちる。


 ヒロコ、フィリナは体勢は崩れ転び倒れる。

男は両足で着地をする。フィリナは魔法で浮かばせた瓦礫が男に直撃したが何もなかったかのように男が仁王立ちでいた。


「し、侵入者! は、はい…排じ…除す、る」


「誰? 何?」


「ヒロコ、コイツ幹部の部下!」


「で、デラーズ…さ、さま。い、いま、やり…ま、す」


 男の前は()()()。魔帝王の幹部・デラーズの部下で無理やり実験材料へとなった元冒険者である。勇者リリネッドのパーティーのシンノスケが倒したはずの敵。


「ヒロコ、逃げるよ!!」


「でも、情報が!!」


「それより命」


「でも幹部が持つ情報が」


 フンガは二人に突っ込んで行く、ヒロコとフィリナが身構えている所に、涼しそうな口調の声二人の耳に入る。


「問題ない、僕がきた!」


 シュイ―ンという斬れた音と共にフンガは倒れ込む。


「貴方は?」


「僕はユース、剣聖だ!」


 ユースはトドメの一撃をフンガに向かって斬り裂くとフンガの体が粉々となって消えていた。


「これで問題ないね」


 ユースが2人の方を振り向くと、ヒロコはそんな事よりも地面に落ちる資料や本に手を伸ばしていた。


「ちょっ、ヒロコ。 ごめんなさい、この人。 私が代表として御礼を言います」


「いや、別に構わないよ。そんな事よりここは危険だ。それを承知のうえで入ったという事はそれを覚悟で知りたい事があるって事だよね。何を調べているんだい? 脅しているよで心苦しいけど」


「えっと…」


 フィリナは困り、ヒロコに目線を送る。


「私は真実が知りたいの」


「真実? 何のだい?」


「世界の真実! この世界は何かが可笑しいと思わない?」


 ユースは黙ってヒロコの話を聞く。


「勇者の誕生からまだ半年もたっていないのにここまでの事件と時間。 そしてその速度は周りも巻き込んでいる。そんな勇者を知りたいの。今の勇者も昔の勇者も」


「君はその真実を知ってどうする気だ」


「記事にして世界に教える」


「君は?」


「私は記者。記者のヒロコ」


「魔法使いのフィリナです」


「記者……。そうか君が。 話は中央国から聞いている。ある記者が旅をはじめたと」


「中央国が?」


 フィリナが驚く。


「僕も詳し事はわからないけど、どうやら中央国の王は君に期待をしているらしい。君というより……」


 3人の元に上の階からライとショーヒダが到着した。


「ライという男にかも」


「ライさんが?」


 フィリナが首を傾げる中、ヒロコはある燃えカスの紙切れに手を取る。


「ライ!! これ読み取って!!」


「ん?」


 ライはそこから飛び降りてヒロコに近づき燃えカスの紙切れに触れる。


「本当に触れた物の記憶を見れるのか」


 ライはその紙切れに書かれていた文章を知ると眉間にしわを寄せる。


「ライ、何が書かれていたの?」


「いや、特に勇者に繋がるような事はなかったよ。ただの紙切れだよ。さあ、ココは危険だ脱出をしよう」


 ライが話を逸らそうとしたのがわかったヒロコは腕を掴む。


「何か隠したよね?」


 黙るライだったが口を開く。


「これだけ言っておく。僕はこの事に対して口に出せないし、話せない。そいう契約をしている」


「契約? 誰と」


「それも話せない。ヒロコ、君が本当に真実を知りたいのなら僕はなんでも協力したいと思っているが、この事に対しては僕は教えることはできない」


 ライは真っ直ぐヒロコを見つめる。


「わかった。信用するよ」


「すない、力になれず」


 暗くなった二人の関係に剣聖・ユースが口角を上げて口を開いた。


「 " ()()()()()()() " についてに情報が書かれていたのではないかな?」


 ライが日を見開きユースを見る。


「僕は剣聖だ。神のいや、女神の契約も斬れる力を持つ。というよりも僕の場合は特別枠でね。そう言った話は口に出来るんだ。 ただ今は、本当にここから脱出が優先だ。上で話そうかヒロコ」


 ヒロコは頷く。



 ●●●



 ヒロコは鳥と話していた。


「すみません、連絡が遅くなってしまいまして。でも見えているからいいかなっと……。えっ? 連絡は大事? ですよねえ~」


 ヒロコは鳥を通して会社の上司・ジェーインと通信していた。

トゥミーソファ局長の秘書のバチグモの魔法で通信機能を生み出してそれを通して連絡をしているのだ。


『今どこにいるんだ?』


「マトリ村です」


『もうそこまで行ったのか? 早いな』


「ええ、仲間のフィリナの移動魔法。ただ、一回使うと彼女倒れてしまうんですけどね」


『そんな事より、特別許可書があるからって無茶しすぎだ!!』


「そんなこと」


『クレームが来てるんだよ!! 記者を名乗る女が入ってきて滅茶苦茶したあと何も言わずに出て行く。ヤバイ女がいるってなあ!!』


「でも真実の為には」


『真実より信用だ! 信用が無ければ真実にもたどり着けないだろうが!! アホ!!』


「あっああ~鳥が急に」


『はっはああ? おい、連絡をちゃんと』


 ヒロコは通信を切って鳥は飛んで行った。


「よし、で話はついた?」


 ショーヒダとユースが向き合って、どちらもいい顔をしていた。


「おう、話はついたぜ。コイツの一仕事を手伝う代わりに、コイツの持つ情報を貰うって事になった」


「では、行きましょうか」


「どこに?」


「レグブイ国に向かって逃げ出した囚人を一緒に探してほしんだ」


「囚人?」


「ああ、誘導魔術・エッツをね」


 ユースは正確無比な満面な笑みで言った。


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