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勇者を利用する者たちの冒険  作者: とり飼ジン
記者の冒険 篇

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第176章 記者を乱用する者との冒険 ②


 フィリナは気が付くと家の中が火に囲まれ倒れていた。

目の前に二人いた。一人は血まみれで倒れていて、そこに立ち尽くす女がいた。


「お姉ちゃん!!」


 フィリナが叫ぶと立ち尽くす者は振り返り、悪気もなく悪意のある笑顔で喋った。


「あらあら、ごめんなさいね。貴方の姉は私が殺したの。だけど…恨まないでね。フィリスはこうなった理由があるのよ」


 フィリナが動こうとしたが体が重く身動きが取れなかった。


「な、なんで」


「あらあら。 そんな悲しい顔をしないで私も辛いの」


 血を拭きながらフィリスはゆっくりと、フィリナを見る。

フィリスが指を動かして、魔法でフィリナを窓にの方に投げる。


 外に投げ込まれたフィリナは多少は動けるようになったが体はしびれていた。


「お姉ちゃん!!」


 フィリナがいる所から家の中が見え、女は細く長い針を取り出してフィリスの心臓に突き刺す。



 ●●●



 大きな揺れでフィリナは目を覚ます。

昔の記憶が夢として現れていた。

フィリナはそこから見る外は月光が照らす暗い夜。


 馬車の貨物の中でヒロコチームは移動していた。


「岩でも乗り上げたかな」


 ライが本を読みながら口を開く。

フィリナは少し体を起き上がり姿勢を整える。

ヒロコはフィリナの横で眠り、ショーヒダは腕を枕にして寝る。


「ライ、もしかしてずっと起きてる?」


「いや、眠れないんだ」


「何か悩みでも?」


「あるけど些細な事じゃないさ」


 貨物車の中は暗かったが一瞬だけ月の光が入った時にライの表情が寂しそうに見えた。

フィリナは話を変える事にした。


「そう言えば、ヒロコは何の力も持たない子なんだよね」


「ああ、だから僕達みたいな冒険者が護衛にいるんじゃないか」


「非戦闘員には冒険者が護衛に着く。この世界の常識……。私も昔は、魔力が少なかったから良く護衛に付いていたから」


「君が?」


「そうだよ、こうやって一人で旅ができるまで数年はかかったから……。ライは?」


「僕は生まれてから魔力は高かったよ。それに僕の」


 ライは右手を大砲の様に変えて見せる。


「このように世界では珍しい武器者という職種だからね。注目はされたよ」


「大変な生まれだったんだ」


「そこまでじゃないさ。まあ……。語りたくはないかな」


「ショーヒダとは幼馴染なの?」


「彼とは共通の目的として旅をしているだけの関係だよ」


「そんな言い方」


「それ以外に説明に仕方はない。もういいだろう、まだ夜は長い。寝な」


 機嫌が悪くなってきたライに意地悪でもう少し触れようとしたがフィリナだったが辞めて眠る事にした。


「ライも寝なよ」


「ああ」


 ライはそういいながら本のページを捲る。



 ●●●



 どこかの街の大きな時計台ー。

ショーヒダは階段を上る。息を切らしながら汗をかき、必死に上る。


 上まで登りつめると、そこにはライが壁に背を付けて倒れていた。

ショーヒダが別の方に目線を変えると柵に背を付けた女がそこに立つ。


 ワイルドそうな格好で口にはタバコを加えながら話す。


「その子を頼んでいいかな?」


「なんで!?」


「私はねぇ、その子に世界をちゃんと見せてやれなかった」


「サナエさん!?」


「ショーヒダ君……。真実を見つけてくれ! 世界の真実を」


 サナエはショーヒダに拳銃を向けて引き金を引く。



 ●●●



 ショーヒダは目を覚ます。

周りを見渡すと誰もそこにはいなかった。体を起こし馬車の貨物車から出る。

体を伸ばして運動を始めているとライが近づく。


「おはよ」


「おお……。ヒロコ達は?」


「買い物だよ」


「そうか……。情報は?」


「こんな小さな村で見つかるとでも?」


「毎回言ってるだろうが!」


「小さな情報から手がかりが見つかるって奴だろう。わかっている」


 ライは近くの井戸に手を置いて力を使う。

ライには触った者の記憶を見る事が出来る。そこに触れた者の記憶を。

ただ遡れるのは1年が限度でそれ以上すると脳に障害が出て鼻血が出てしまう。

また、使いすぎても同じ現象が起きる。


「ダメだね。来てなさそうだ」


「残念だ」


「それにしても記者だからって境界線まで超えられるんだね」


「ヒロコが所属している会社の社長がかなり偉い人らしくその辺をどうにかしてくれたらしい」


「こっそり隠れて乗り込まなくてもよくなったというのはいいね」


「というか、冒険者あるあるだが、この世界には穴がありすぎだろう。どこから変でも侵入できすぎだ」


「まあ、見つかりしだ。捉確保だけど」


「さすが、元中央国の隊員だな」


 ショーヒダのその言葉に少しだけ不機嫌になるライだったが顔をそっぽ向きながら話を続ける。


「ヒロコが東の方にある、マトリ村に行こうかって言っていたよ」


「あそこは危険領域じゃなかたか?」


「数週間前に勇者がその村を救って危険ではなくなったんだ」


「で、勇者の事を知れるって話かなるほどな」


「ショーヒダ」


「ん?」


「分かっていると思うが、僕の事は」


「ああ、分かっているよ。言わない。お前が」


 ショーヒダが口に出そうとしたその時、ヒロコたちが帰って来た。


「ん? 何を言わないの?」 


「「!?」」


 驚く二人の表情を見てヒロコは察してそれを詳しく聞かずに違う話を始める。


「ショーヒダさん、他の人話したんですけど」


「マトリ村に向かうんだろう?」


「ライさん、話したんですね」


「ダメなのかい?」


「別に話をしてくれて助かりました。 勇者リリネッドの活躍を知るために向かおうと思っていまして」


「別に構わないぜ。金はたんまり貰っている。お前んとこの会社は物凄い金持ってるな」


「でもブラック会社だよ。休みはない。仕事が出来ない私でもね」


 落胆するヒロコに何も何も言えない3名。

そこに盗賊が現れて4名を囲む。その中の一人がヒロコを人に取る。


「身分がよさそうな服を着ているな」


「金目の物を出せば、命だけは見逃してやる」


 数人の盗賊に少しだけ不安にフィリナだが、ショーヒダとライは恐れずに立ち尽くしていた。


「よく見りゃ、いい女がいるなあ」


「そこの女! お前も連れて行く」


「今日はパーティだぜ」


 盗賊の一人に捕まっているヒロコは震える。


「どうした坊主?」


 その言葉にブチぎれるヒロコは盗賊をグーで殴る。


「私は女性だよ!!」


「ぶっはあああ!!!」


 ヒロコを捕まえていた盗賊が顎に拳が当たったことで気絶して倒れる。


「私が着やせしているだけで膨らみはあります。こう見えても F は行ってますぅ~。 髪は長くないし、赤毛は気にしているけど…。どう見てもフィリナよりは年上だし。そもそも」


 止まらない怒りを押さ前る為にフィリナが落ち着かせて近づく。


「お前ら!!」


「やりやがったなあ!!」


 怒る盗賊にショーヒダとライが動き出す。


「お前らから仕掛けた戦いだろう?」


「文句は理不尽じゃないかな?」


「ライ、行くぞ」


「ああ」


 ライは拳銃に姿を変えてショーヒダが掴む。


「さあ、覚悟はできたか?」


 ショーヒダは何発もの盗賊に撃ち込んで相手のよろけた所に回し蹴りを繰り出し、距離のある相手は拳銃を投げつけてライが姿を戻して空中で殴りつける。

その際もショーヒダは腰に巻いてある、カギ爪を装着して近くの盗賊に斬りつける。

ライは体の一部を武器に変えながら倒していきながらショーヒダに近づき、拳銃に姿を変える。

ショーヒダにはカギ爪を腰に戻して拳銃を受け取り、逃げ出した盗賊を倒す。


「一丁上がりだ」


 4人は準備を整えて馬車ではなく歩きで マトリ村 に向かうのであった。



 ●●●



 ライゴウ村ー。


「本当に人使いが荒いのだから内のボスは」


 女は盗賊たちはすべてが心臓を一突きして殺しながら魔法で通信をしていた。


『それでは()()()()、任せたぞ』


 通信は切れた。ジェシカはため息しながら血を掃う。


「さて、どこにいるのかしらねぇ~。()()は?」


 ジェシカは血が付いた細く長い針を舐める。


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