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勇者を利用する者たちの冒険  作者: とり飼ジン
魔帝界 篇

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第171章 それ口にしてもいい奴ですか?


 少し前、リリネッドがタツヤと修行開始前の事。


「ジミニ―から基本戦闘を教わった思うけど、僕が教えるの戦闘を生かす戦い方や。 天空界、魔帝界には魔力のほかに|()()()()()()()()()()()()と言われるエネルギーがあるんやが知ってるやんな?」


「うん、知らない」


「フッ……。そうか。じゃ~そら一旦置いといて。もし、魔力もエネルギーも流れを一部でも止められたらどうなると思う?」


「ん?」


「君は考える苦手やな。まあやさかい言うて本能的なタイプでもあらへん。君みたいなタイプはロボットタイプって言うんや。頼まれた事、言われたことだけをやる。流れに流れるだけのね。それに近いタイプやな」


「それって何か関係あるの?」


「人には人それぞれの戦闘スタイルがあるやろ。君の場合は何でもありやな。じゃー早速やけど口で言うより感覚で覚えろや」


「は、はい」


「(素直でええ子ぉやわ) じゃーこの分身体で実験をしよか」


「あ、クロウの分身体まだいたんだ」


「あと1体いるさかいミスは出来んで」


「はい、よろしくお願いします」


 タツヤとリリネッドは修行を始める。



 ●●●




 リリネッドは剣で相手を斬らず殴るように攻撃を繰り返す。


「(なぜ、私に攻撃が当たる!? そして何よりも)」


 アラシュは引力を使ってリリネッドの自由を奪おうとするも全く、上手くいかなかった。

リリネッドは少し体がムズムズし少しくすぐったいだ感じをしながら攻撃を続ける。


「これが勇者。 兄が危険視するわけだ。 で、その状態で倒せるとでも?」


「いや、私は話をしに来たの」


「話が合うとでも思えないが」


「アナタというか貴方の本体はどこ?」


「私に本体はない。私は私だ」


「過去を見た時に思った。アナタは作られた存在だよね」


「作られた? 違う! 私はアルカスムの血を引き継ぎ兄も超える最強の存在だ!!」


 アラシュはリリネッドを遠くに腕で吹き飛ばす。

転がり倒れるがすぐに立ち上がり剣を構える。


「私は未来を見た! 貴様の存在はイレギュラーだ。ここでお前を消すことで正しい未来にする」


「その先に何があるの?」


「ここで消すお前に言う意味はあるか」


「あるんじゃないかな? 意味は嘘でも付けられるから」


「意味のない嘘を程、無駄な者はないな」


「でも、嘘も方便っていうと思うんだよね」


「そんなんだから勇者が生まれたんだ!!」


 アラシュは城の壁を使ってリリネッドの運び自分に近づけさせる。


「まつり上げられただけの勇者に私は止められない!!」


 アラシュに完全に近づく前に壁を壊し、すぐさま体制を整えて剣を構える。

すぐに壁を使って同じことをしようとするが上にいたはずのサイガすでにそこにいて壁を壊す。


「久しぶりだな!! 勇者!!」


「あれ?」


「こうしてまた会えるとは世間とは狭いもんだね」


 リリネッドはサイガを見てキョトンとしていた。

まったくサイガの事を覚えておらず、どこかであったみたいな表情をした。


「そうか、なら初めましてにしょうか俺はサイガよろしく!」


「う、うん。なんかごめんなさい」


「ハハハ、気を使ってくれてる?」


 話している間にもアラシュは周りの物を使って力が通じないリリネッドに、大技しか効果がないサイガ相手に余裕がなくなっていく。

それと同時に真上にいるクロウやシンノスケがプレッシャーを放つことでアラシュの動きを少し揺らがせていく。



 ●●●



 「私の毒を取り除いた?」


 アウラはシンノスケの腕のすごさに驚く。


「ですが、彼らの中に仕掛けられた時限爆弾らしきものは取り除くことはできませんでした。アレは貴方では無いですよね」


「時限爆弾? まさかクキチの奴」


 アラシュにプレッシャーを掛けながら二人の話しに入るクロウは機嫌が悪いような態度でヤンキー座りをしながら魔力を整えるナギの額を突っつく。


「だとしたら、幹部の奴らが操られたわけだな。精神状態を揺らして心を掴んだ。こいつらは本気出したらあんな奴普通に倒せんだろう」


「クロウ……。」


「や、ヤメロオン」


「一人で楽しんだ、罰だな。しばらくそこで反省だな。前にも死に掛けた事忘れたのか?」


「うう~」


 突くの辞めたクロウは立ち上がりポケットに手を突っ込んでリリネッドが戦う場所へと見に行く。

額を収まえるナギは反省をする。


「次はみんなで戦うぞ。だから早く動ける状態になれ」


「わかってるわい!!」


「フッ……」


 クロウはポケットの奥にある物に手が触れて思い出したように取り出す。


「あ、コレ、忘れてた」


「「ん?」」


 クロウはナギとシンノスケにかりん糖の様な物を渡す。


「なんですかコレは?」


「お前達が二度と洗脳されないようになる物だ。俺の血肉と高度な魔法を混ぜた一級品の」


「いらん、ばっちぃ」


「ポ~い~」


 ナギは汚い物を触るような感じで触れ、シンノスケは丁寧に雑な言い方で捨てた。


「捨てんなあ!! マジで!マジで! 聞くからマジで」


 慌てて地面に落ちる前に魔法で受け止めたクロウはすぐにシンノスケの手に返す。


「せっかく作ったんだ! 食べろ! 食べてよ! 食べてください!」


「「仕方がない」」


「あざす!!」


 二人はクロウから渡されたもの口に運び飲み込む。


「(フッ……。計画通り!)」


「(本当に胡散臭い人ですね)」


「(吐き出してやろうかな)」


 アウラはその光景を見て呆れていた。

ふざけている場合じゃないのに余裕のある感じを出す3人に不安が込み上げていく。


「お前らなんで、そんな事が出来る!! 勇者がリリネッドはピンチ何だぞ!」


「ああ? うんなもん気にするな。リリネッドが戦闘に入った瞬間からこの勝負は決まって」


 クロウが言い終わる前に破滅の王・ブラックエンティドラゴンが現れて開いた壁の穴から紫の炎を拭く。

3人が戦闘態勢に入る前にオルガがザっと立ち上がりその炎を掌で吸収して吐き出す。


「まったく、誰だあああ!! 親父を起こした奴はああぁぁああよおおぉぉおお!!!」


 ブラックエンティドラゴンはオルガが吸収して吐き出した炎を全身にくらって落ちる。

オルガはそのままブラックエンティドラゴンの上に乗り一緒に落下する。


「ザクタマ!! てめぇーかあああ」


「オルにゃあ!!」


「覚悟は出来てるんだろうなああぁぁああ!!」


 ザクタマは人型となり動きやすい態勢になる。


「待てぇ! 今は叩かう気はないにゃあ!」


「関係ねぇえええ!!」


 ブラックエンティドラゴンは炎を体に取り込んで上に乗る二人は落とす。

オルガは掌から炎を噴き出して宙に浮く。ザクタマは羽を生やす。


「破滅の王! そいつは無視にゃあ! 真上に飛ぶのにゃあ!!」


 ザクタマはブラックエンティドラゴンの肩に乗り合わせて真上に飛ぶ。

オルガも追うとするが洗脳時にやられた傷が開き始め、浮くのを辞めて真下に着地する。


「クソがああ!!」


「ありゃりゃ、また増えた」


「あ゙あ゙!!?」


 アラシュの力で飛ばした瓦礫がオルガの頭に当たる。


「イってえぇぇぇ!!! てめぇ!! アラシュ!!」


「また面倒なのが」


 オルガの近くにサイガが近づく。


「君も勇者の味方かい? 一緒に戦ってくれるのかい?」


「うるせぇえ!! 話しかけてくるな!! バカやろう!!」


「君、声が大きいな! その意気だ」


「馬鹿が喋るなああぁぁああ!!」


「ハハハ、元気だね」


「(うるさい)」


 リリネッドは真顔で二人を見つめる。



 ●●●



 ザクタマは全身で魔力を纏い雲よりもさらに上にまで飛び続けて宇宙空間まで到達した。


「アレかにゃあ?」


 ザクタマはゆっくりと落ちようとしている隕石を見つけ、ブラックエンティドラゴンに命令を下す。

ブラックエンティドラゴンは隕石を叩き落して数百倍の速度で落ちて行った。


「これで、魔帝界は終わる。勇者も消せる。 クキチも消せる。 これがにゃあの計画通りにゃあ!!」


 ザクタマはブラックエンティドラゴンと共にその世界から出て行く。


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