第166章 魔帝界 過去篇 ⑥
数日間、眠っていたアルロムスがベッドの上で目を覚ました。
ベッドの横にアラシュが安心した顔でこちらを見ていた。
「気が付いたんだね、兄さん」
「アラシュ? 私は一体?」
「大変だったよ。 兄さんが空から落ちて来たと思えば、我を忘れて物凄いエネルギー量を溢れ出し続けて、暴れたんだよ」
「私がか!! まさか」
「地上で何が有ったの?」
アルロムスは地上で起きたことを話す。
それ黙って聴くアラシュ。
「そんな事が…でも平気でよかったよ」
「ああ、ただ今にして思えばあの勇者は何か……。」
アルロムスは勇者の事で何かが引っかかり勇者の発言を良く思い出そうとした時、アラシュが魔法でアルロムスを無理やり眠らさせた。
「ごめんよ、兄さん。 記憶を少しいじるね。安心してリヴァナラも他の幹部の記憶もいじったから辻褄も合わせるから。たまにズレが表示るけど誤差だから。 勇者を恨むようにもっと屈辱な目に遭ったことにして、あとそうだ、ついでにいろいろいと入れておこう」
アラシュはアルロムスの記憶を操作しの中に『勇者にされた屈辱された』を倍にし、『同行したルキデメスを消し』、『ステンバー、リヴァナラ、デラーズが同行』したことにし、『彼らも同じ様な事』をされた事にし、『魔帝界の崩壊も近い』という真実も植え付けた。
アルロムスが改めて目覚めた時、勇者への怒りを湧き溢れていた。
彼の中で『父の復讐』、『幹部への冒涜』、そして『大切な人を死に追い合った元凶』という認識でいた。そんな思いの力によって力のリミッターが外れ、周りも巻き込むエネルギーが溢れ出てしまった。
強すぎる力に目覚めたアルロムスは魔帝王という椅子に座り、側近と幹部に力を分け与えパワーアップせた。
「この世界を守るために地上の世界、並ぶに天空国、深海底国を我らの手の中で支配する」
アルロムスは行動は早かった。
暗く寒くなっている深海底国に行き、明るく温かい不思議な石を渡し、恩を売った。
「これが有れば永遠に温かいままだ。地上の人間達と縁を切るんだ。物質が欲しいのなら我々が用意をする。無論、条件として我らと平和条約を結ぶことだ」
深海底国は地上と行き来する通路をすべて塞いで、地上の野菜などを魔帝界経由で受け取る事になった。
次に天空界に行く女王のアンロス・アイジェリル・ピアリアノにこの国が隠している子を話す。
「そんなこの国がモンスターにの力によって浮いている?」
「そうだ、そんなことを知って国民はどう思うかな?」
「それは真実なのですか?」
「自分の目で確かめる事だな」
「ん…。 わかりました。その真実を隠すために貴方と契約を結びます」
「安心しろもし、モンスターが暴れたら私達が止めてやる。その為の意思を持つ者を我らの中にいる」
「ルギアラですね」
「ああ、そうだ」
「・・・。もう一度、貴方の平和条約を聞かせてくれませんか?」
「いいだろう」
●●●
魔帝国、深海底国、天空国が結ぶ平和条約とは
1. 共に争わない事
2. どちらかの国が襲われた際に助けを求めてきたら助ける事
3. 物資などの物量を協定する事
4. 領域を汚さない事。
5. 犯罪行為をした国民がいた場合は国の王又は代わりの者が取り決める事。
などなど詳しく話を続けた中で、二国は同じ内容を話した。それは『魔帝王』の力であった。
魔帝王の圧である。塞ぐことが出来ない威圧。
それに当てられたものはみなが情緒不安定になり可笑しくなってしまう事を気になり、二国は『魔帝王は地上への禁止』に声を上げた。
「わかった、それは受け入れる。 ただし、幹部やこの国への危機があった際は私は動くことを許してくれ」
148. 魔帝王は許可なく地上へ来ることを禁じる。
●●●
50年後ー。
魔帝界は地上の世界に魔帝界の生き物達を解放した。
地上にはモンスターの残党が残っていたが魔物達が食らいつくす。
そして同時に幹部たちも動き出す。
ロヤアマーン、ステンバー、アウラが地上に出る。
「やっとシャバだよ~ん」
「ロヤアマーン、あまり目立った行動しない事。王の命令を忘れない事。わかった?」
「分かってるわ!! アウラ」
ロヤアマーンはそう言ってどこかへと歩き出して言った。
「危険視として幹部に入ったけど、本当に大丈夫かしら」
「大丈夫なわけがない。 アルは…王は何を考えているんだが」
「もう昔の王じゃないよ」
「わかっている。それに王が変わろうともこの世界は何も変わらない。怪物の王が居なくなって数十年間、何も変えられなかったこの世界のようにな」
ステンバーは悲しそうな表情で魔帝界に帰って行った。
その数日後には魔帝界の幹部は中央国以外の国に恐ろしさを味合わせた。
中央国はそれを黙って高みの見物をした。
そんな、傍観者になっている理由は中央国の王は魔帝王と話し、『中央国に一切手を出さないのなら他の国がどうなろうが好きにしろ』と言う理不尽な契約を結んでいた。
ただし、中央国は襲われた国への救援が来たら助けにはいくという話もして。
「私は、部下に好きにしろと伝えるだけだ」
「中央国の王よ、私が言うのもなんだが、クソだな」
「我は王だぞ? 何か変かね?」
「いいや、いい話は終わりだ」
「アンタ達がこの世界を滅ぼそうとしているなら無理だぞ」
「ん?」
「この世界は滅びない。変らない。アンタ達がこの世界を支配しても変わらないのだよ。だから好きにするんだな」
中央国の王は感情がこもっていない瞳でそう言った。
そして魔帝界は地上界に向かった。
それからはある者は国の王となり、ある者は村人を実験の道具とし、ある者は自分の復讐の為に長年の計画に動き出す。
魔帝界もまた危機の為にアラシュと側近の4名を連れて世界の裏側まで行き、戦いを繰り広げた。
●●●
現在から26年前ー。
ルキデメスは魔帝王に会いに来た。
「アルロムス、王にふさわしい風貌になったなああぁぁああ」
「ルキデメス? くっ!!」
アルロムスは頭を抑え始める。
「どうした? 誰かに何を仕込まれたかああ?」
「何を?」
「さあ、俺は兄も知らないがあの人に興味の塊のリヴァナラから異変の話を聞いた」
「異変?」
「まあいいや、俺がここに来たのはとりあえず、アンタに礼と恩があるから挨拶をしに来たんだ」
「?」
ルキデメスは部屋の外で待っていた女性と女性が抱く赤ん坊が入って来た。
「俺の嫁のクテシビアと子供のオルガ」
「嫁? 子供? お前、何をやってたんだ?」
「いろいろあったんだよ。 そうそう俺は幹部を辞めて魔帝国の街の外で家を建てる。もしも俺の手を借りたくなったら、いつでも来てくれ手が空いてたら助けに行ってやるよ」
「この世界は危険だぞ」
「お前が仕切ってる世界だろう? それにお前の夢は俺も観てぇー世界だからな」
「夢?」
「お前まさか、忘れたわけじゃ~ねぇ~だろうなああぁぁあああ!!! お前の夢は『異様人、獣人、魚人、どんな種族も仲良くできる世界』を作るだろう?」
ルキデメスは子供に然る様に、友達を怒る様に言った。
「お前、夢も大切な者から託された事も忘れたのか?」
アルロムスは胸に手を置いき目を閉じる。
記憶を呼び覚ましても勇者の憎しみだけが湧き出てくる。
だが、その奥の奥の脳ではない記憶を探した。
「そうか。なぜ、消された? なぜ、忘れていたんだ」
「さぁ、その方が都合がいいと思ってるやつの仕業だろうな」
「ルキデメス、だとしたらますますこの世界にいるのはマズイのでは?」
「そうだな、だがもし企んでる奴がいたとしても今のお前なら何も問題ないだろう」
「なぜ、そこまで私に期待する。私はお前の事も忘れて」
「うるせぇい!! 次、暗い顔したらぶん殴るぞおお!!」
「え!?」
「お前は王だ!! わかったな」
ルキデメスは妻と子供を連れてその部屋から出る。
「ああ、最後に魔帝王?」
「ん?」
「俺のガキは人間と魔帝界いや、ドラゴンとのガキだ。 もし種族が足りなかったらコイツを幹部にしてやってくれ。コイツは俺よりも強くなるはずだ!!」
「お前が言うのであればいつかそうさせてもらう。 その子の名をもう一度聞かせてくれないか?」
「オルガ…。 オルガ・サジエタンだあ」
5年後、ルキデメスはアラシュとの戦いで地上の世界に移動され誰も来ることがない暗く深い海の底の氷山の中に封印された。
その11年後、オルガは子供ながらに幹部へと上り詰めた。
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月日は年度を超えそしてその日がやってきたー。
魔帝王は玉座に座り、秘書のヒショに報告を聴いていた。
「クキチさんが実験を終えて、こちらに戻ってくるそうです」
「そうか」
「であるからして、現在の幹部9名のうち2名のアウラ様とヴォンズ様の連絡が取れなくなっています。リヴァナラ、ステンバー、ルギアラの3名が完全に国を乗っ取ることに成功なさりました。 (ルギアラ様は(仮)と言っていましたけど、時間の問題でしょうけど) いかがになりますか王よ」
「そうだな、ならば…うん?」
ヒショの横に見知らぬ少女が立っていた。
「(誰だ? 普通の少女のようだが)」
「主は誰だ?」
「あ、勇者様。間違えました。元の場所に戻りましょう、勇者様!!」
少女の顔をよく見ようとしたがシュッンと魔法使いの様な者も現れて少女と共に消えて行った。
「勇者!! だと」
アルロムスは驚き椅子から立ち上がる。
「王!!」
「くっ!! 調べるのだ!! そして幹部に知らさせるのだ!! 勇者だと……。」
アルロムスは昔の記憶が過りそしてエネルギーが溢れ出る。
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アルロムスはデラーズとクキチ、そしてリヴァナラの技術で作られた擬態を着て地上に遊びに行っていた。村でシルクハットに杖を買いすこしおしゃれをした。
天気も良く空気もよく繁盛している村で幸せそうな人達の中、散歩をして座ってこの世界を眺めたいと思っていた。
剣を背負った少女がチョココロネを食べながら村を眺めていた。
アルロムスは勇者の話を聞く為に冒険者の様な少女に話しかける。
「すみません、そこの隣よろしいですか?」
「いいですよ」
少女はリサと名乗り、アルロムスはリサと良き時間を過ごした。
「リサさん、この世界をどう思いますか?」
「え?」
「思った通りに言ってください」
「う~~~ん、めんどくさい」
リサは迷わず言った。その回答に満足したアルロムス。
「私もそう思いますよ。気が合いますね」
アルロムスはもう少し話をしようとしたが擬態の限界を感じ始め、リサから離れることにした。
「それでは、またどこかでお会いしましょう」
「うん」
アルロムスはなんだか心が温かくなった。
魔帝界に帰り少し経ったあと、急に脳からミクリックの事を鮮明に思い出した。
「なぜ、急に!! そうかあ、私は、ちゃんと思い出していないようだな。 リサと名乗る少女のおかげかな? 久しぶりにあの安らかな時間を過ごしたせいかな」
アルロムスは『夢』の為、力の支配を辞め、天空界、深海底国、そして中央国をすべて守れる力を手にするために皆が平和的に過ごせるためにアルロムスは動き出す。
だが、それは遅くそしてもう手遅れだったのだ。
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現在、というか今ー。
アラシュは話を終えた。リリネッドは長い長い話を聞き終えた。
アラシュの話はまるで神様の様にすべて見て来たかのように話しをした。
「兄は世界を一つにする為に中央国に話に言っている。その前に二つの国を回り、君の勇者の活躍を聞きに行った」
「なぜ、私なの? 強い人はもっとたくさん」
「フッ…。 魔帝王は勇者を利用したいんだよ」
アラシュはそう言った瞬間、体が吹き飛んだ。




