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勇者を利用する者たちの冒険  作者: とり飼ジン
魔帝界 篇

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第163章 魔帝界 過去篇 ③


 3年の月日が経ち現在の魔帝界ー。


 幹部のギアバグラ・ファーヂェーンは酒を飲みながら通路を歩いていると、前からアルカスムの側近の一人である()()()()()()()()()が兵士を連れて歩いてきていた。

横を通った際にギアバグラは兵士達が布で顔を隠し手足を縛った者を見る。

後方にいた兵士にギアバグラは声を掛ける。


「おい、アレは何だ?」


「迷い込んだ冒険者を捕まえて、奇妙な実験をしていた奴です。奴がいた場所は遺体だらけで人の皮がを保存していたりと、マッドサイエンティストです」


「で、どこに連れて行くんだ?」


「城の地下室のランクS房に連れて行くらしいです」


「へぇ~そりゃ~やべぇ~奴を捕まえたな~」


 ギアバグラは兵士と話しているとヴォンキュインボムが近づく。

話す兵士を手で払い歩かせた。


「酒飲み男、仕事の邪魔をする」


「これはこれはすみません。お邪魔してしまって」


 小ばかにするような言い方でギアバグラはヴォンキュインボムに言ってそこから離れて行く。


「まったく、近年の戦いで幹部も減り、残っているのがあんな連中たちとはな。王様と話し合わないとな」



 ●●●



 クキチの研究室ー。 

アルロムスは新たな生命の開発をしていた。


「クキチ、俺の考えは間違っていると思うか?」


「一般的に言えばこれは危険な行為です。発明家という物は否定しバカにされ、白い目で見られてもやり続ける物。そして完成した時、そのすべてが報われ証明する」


「報われるでしょうか?」


「どうでしょうか? この開発は私も初めてなので。 命を作り生命を誕生させるというのは。 まあ~あなたの考えと私の腕があって初めて可能性が生まれたのは真実。任せてください。あと少しです」


「コイツに名はあるのか?」


「いいえ、まだつけてません」


「なら、俺が付けても?」


「良いのが有れば」


「そうだな。なら、ステンバー…。 " ステンバー・レヴェン・グライガー " というのはどうだ?」


「レヴェンは5つある宝珠木の名の一つですよね。グライガーは氷山に住み着くトカゲの幻魔獣の名ですよね。ステンバーは何です?」


「昔見た絵本に出てくるヒーローの名前だ。 大切な者の為に戦うヒーローの名前」


「それはそれは素晴らし名を。それなら納得します」


「で、 命の球(コア)は」


「もう入れました。あとは人の形を維持させられたら完成ですね」


命の球(コア)はどうやって?」


「ご想像にお任せします」



 ●●●



 アルロムスはクキチに研究室から出て、父親であるアルカスムと共に地上の世界へ行く準備をする。


「アル、今回の商談がうまくいけば、大切な話がある」


「わかりました」


「出発は20分後だ。同行するグンギュウカ、ヴォンキュインボム。そしてお前の側近のギンリン、ザイリュウを連れて行く」


「見習い兵士のリヴァナラも連れて行っても?」


「構わんが少数精鋭で行く事を忘れるなよ」


「はい、わかっています」


 アルカスムはアルロムスの肩を軽く叩いて準備に取り掛かる。

そして出発する直前にて、城の近くでドラゴンが現れ、暴れはじめた。


「どうしますか? お父さん」


 アルカスムが悩んでいると、ギンリン、ザイリュウが動き出した。


「俺達に任せてください」


「あんなの止めるだけなら時間は掛からないどうかお先にぞう」


「お前達、気を付けろ! 油断だけはするな!」


 ギンリン、ザイリュウは頷き、ドラゴンの元へと向かう。

二人の姿が見えなくなったあとにアルロムスは時空の扉を開く。


「上手くなったな、アル」


「ありがとうございました」


 アルロムス、アルカスム、側近のグンギュウカ、ヴォンキュインボム。そして見習い兵士のリヴァナラを連れて地上へと向かった。


 ギンリン、ザイリュウは残り、ドラゴンと立ち向かう。


「ドラゴンというから何かと思えば」


破壊王(はかいのおう)()()()()()()()()()()()()と火山塔で封印されていたはずぞい」


「どうせ、魔帝王を消そうと、血迷った奴が封印を解いたんじゃないか?」


「どっちにしろ、止めねばぞう」


 雄たけびを上げるブラックエンティドラゴンを止めるために二人は戦いを始める。



 ●●●



 アルロムス達は地上界に着き、世界の違いを改めて感じていた。


「アル! さあ、この世界の王に会いに行くぞ」


「はい」


 アルロムス達は『怪物の王』をがいるとされている北西側区にある。人が通れない、誰もそこに近づけない隔離された山々で囲まれ殺風景でだだっ広い場所にポツンと立っている崩壊寸前の城にいる。


 アルロムス達は山の上から高みの見物をする。


「あの城にいるのか? 何も感じないぞ」


「ここまで来る間にモンスターもいなかった」


「おとうさん、行こうよ。 奴と話せれば魔帝界の新時代が来るんだろう?」


「ああ、そうだ。だが、焦りはk」


「お父さんは話が長いも行くね」


 アルロムスが山から飛び降りな空気を飛ばしながら飛ぶ。

城に近づき中に入ろうと足を踏み入れたその瞬間の顔面を鷲掴みされ城の外へと叩き落された。


「アル!!」


 アルカスムは瞬間移動で落ちてくるアルロムスを受け止める。


「大丈夫か!!」


「はい」


 グンギュウカ、ヴォンキュインボムも遅れて二人の元に近づく。

リヴァナラは動かず山の隅で見守る。

4人が城の上を見上げると薄暗い城の中で屈強の人影が見える。


「気配も魔力も感じなかった。殺意もなかった!!」


「アイツが怪物の王?」


 アルロムス、グンギュウカ、ヴォンキュインボムが戦闘をしようと動く前にアルカスムが止める。


「お前達、忘れるな。戦うために来たんじゃない!」


 アルカスムは一瞬にして怪物の王のいる階に移動する。


「すまない、戦う気はないんだ。君と話しをしに来たんだ」


 怪物の王と呼ばれる者はアルカスムに背を向けると同時にナンカシラのジェスチャーをすると大量のモンスターがどこからともなく現れた。


「私達は戦う気はない!! どうか話を聞いてくれ!!」


 怪物の王と呼ばれる者は背中側に体全体が反りながらアゴを上げ、冷たい目でアルカスムを見て、声に出さずテレパシーで話す。


『失せろ』


 それを聴いたアルカスムの耳の鼓膜が吹き飛ぶ。

アルカスムはいったい何が起きたのかわからず戸惑っているとモンスターが襲い掛かる。

自信に防御シールド張るが怪物の王と呼ばれる者に触れずに壊されモンスターに襲われそのまま落下していく。


 下に落ちる前にアルカスムは態勢を整えて無事に着地する。

次々とモンスターがあちらこちらに現れてくる。


「お父さん!」


「お前達は、逃げるぞ! お前達の声は聴こえん鼓膜をやられた」


 アルロムスは怒りを見せ、怪物の王がいた場所に移動しよう動く前にすでに4人の近くに怪物の王は現れていた。


 ヴォンキュインボムが先に動き攻撃をしようとするも触れずに指をクイッと曲げただけでヴォンキュインボムの全身が紫色の炎に全身が焼かれた。

グンギュウカは飛び掛かり攻撃を繰り出そうとしたが首、腰、足の関節を3分割に切り刻まれたあと、顔を踏んず蹴られ倒れる。


「やめろ!!!」


 アルロムスが怪物の王に立ち向かうのを見たアルカスムは叫び。


「アル!! 逃げるんだ!!」


 向かってくるアルロムスに軽い裏拳で攻撃するがアルロムスのオートシールドガードが発動したことで攻撃をギリギリでくらうことなく、腹あたりに両手を近づけさせてエネルギー砲を繰り出す。

一瞬、よろける怪物の王を見えアルロムスは瞬間移動で父親に近づき方を側近の二人の命の球(コア)を拾い上げて腕を父親の肩に回して山の上まで一瞬にして飛ぶ。


「リヴァナラ、空間を開けるんだ!!」


「は、はい」


「早く!!」


 と話している時にはもうすでに後ろにいる怪物の王。

先程まで感じなかった殺気が全身を震え上がらせた。足がすくんで二人が動けずにいた時、アルカスムは腕を伸ばして空間を開け、二人を空間に投げ込み、一人で怪物の王に立ち向かう。


「お父さん!!」


「アル!! 魔帝界の未来を託す! ()()()()()


 扉は閉じていき姿が小さくなっていくアルカスムの背。

アルロムスは助けに入ろうとするがリヴァナラが必死で止める。

少しづつ閉じ始める中、アルカスムはスッパンッと一瞬にして粉々になった姿が見えて閉じていった。


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