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勇者を利用する者たちの冒険  作者: とり飼ジン
魔帝界 篇

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第153章 友達だよ


 勇者一行が魔帝城から丁度、中間地点まで歩いていた。

歩く地面は硬かったり柔らかかったりと不安定な所であり横はそこが見えない崖がある。

危険な山道のような小道を歩く4人の元に小さな声が助けを求めていた。


「崖の方から声がしますね」


「女の声がするね」


 4人が覗き込むとそこには十三ヶ騎士団の一匹?のドラゴンの姿になったり、少女の姿に変えられる、猫の様な姿のザクタマが木の枝に捕まって叫んでいた。ちなみに今のザクタマは少女の姿でいる。


「助けてくれぇ~にゃあ~」


 ザクタマは勇者一行に気が付いていないふりをしているがチラチラとこちらを確認していた。

勇者一行はボソッと喋って相談し合う。


「どうしますか?」


「トラブルはごめんだ。さっきまで魔物との戦いで疲れてるんだ」


「なんか前にもこんなことあったね」


 ナギはサイガの事を思い出していた。


「で、あのガキ猫を助けるか?」


「私はどっちでもいいよ」


「やめときましょう」


「そうじゃ。ろくなことにならん」


「よし、そうと決まれば行こうか」


 勇者一行はこれまでの冒険の経験を生かしてザクタマを助けずにその場を立ち去ろうと動くが怒り狂った口調でザクタマが止める。



 ●●●



 雨が降り、崖の近くの道の近くの洞窟で勇者一行と仕方がなく助けたザクタマと共にそこで休憩をしていた。


「まさか、本当に見捨てられそうになるとは思わなかったにゃあ」


「な~~んであそこにいたの? というかドラゴンになれば助かったんじゃない?」


「力がでなくてにゃあ」


「「「(嘘つけ!)」」」


「じゃ~仕方がないね」


「「「(信じるな!)」」」


「ところで、魔帝城に行くなら今はやめとくにゃあ」


「なんで?」


「それはにゃあ」


 ザクタマが説明しようした時、一人の女性が話に割って入って来た。


「それなら問題ない、彼らは会議中だからね」


「誰だあ貴様わあ!!」


「私は魔帝王の幹部、アウラだよ」


 アウラは勇者・リリネッドが深海帝国に行った時、戦ったさいに友達になろうとしていたが同じ幹部のリヴァナラに消された。


「貴方は確か」


「コイツ!」


「なぜ?」


「誰じゃ?」


「魔帝界には長年いる凄腕の科学者がいてそいつが私達を復活させたんだよ」


「アウラ! なぜここにいるにゃあ!」


 アウラはザクタマに押さえつけて話を進める。


「勇者、たしか名前はリリネッドだよね」


「うん」


 話が続きそうな時、クロウはそれ止めようとした。


「クロウ、とみんな大丈夫だよ」


「なんでそんなことが分かる、コイツは」


「アウラは、私の友達だから大丈夫だよ」


 その言葉でアウラは喜びの涙を流す。


「覚えていたのか」


「うん、ちゃんと返事を返してなかったね」


「律儀な勇者だ」


「アウラ、友達になって」


 リリネッドはアウラの前に手を差しだす。

その手をアウラは迷うことなく、その手を強く握り返す。


「もちろんだよ、リリネッド」


 二人が熱い握手を交わしながら、アウラは暴れるザクタマを抑えつづける。

兎に角、危険性もないという事がわかった3人は警戒を解き雑談を始める。


「アウラは、どうやって生き返ったの?」


「餅って食べ物をしているかな?」


 アウラとリリネッドが話す。


「これが雑貨屋で買った動くサボテンによくわからない箱だ」


「クロウってたまに変なのかいますよね」


「魔道具はいつ何に使えるかわからないからな」


「僕、クロウが魔道具に頼った所は見たことがないですけど」


「魔道具の可能性は無限大だぜ、シンノスケ」


「回答をください」


 クロウとシンノスケが話、ナギは鎖で縛ったザクタマを見張る。


「なんで、にゃあを縛るのだ」


「この中でお主が一番、裏切りそうで騙しそうで、危険を呼び起こす存在だからじゃあ。それに」


「にゃあ?」


「キャラが被っとる!!」


「にゃあ!?」


「いろいろ被ってるのじゃあ! それが気にくわない!!」


「うるさいのにゃあ!!」


 他愛もない時間が数十分立った後、旅を再開した。


「アウラと言いましたよね」


「そうだよ」


「アウラさんがそうやって復活したという事は」


「そう、他の幹部も復活していますよ。ロヤアマーンも、デラーズも復活しています」


 ナギ、シンノスケはその言葉で慎重になる。


「それと私を消し去った、リヴァナラもね」


 黙ってみなは、話を聞いていた。


「リリネッドには簡単に話しましたけど、我々、幹部に選ばれた者達はある共通したものが有るんです。その前に魔帝界の命の話をしますか」


 ナギに引きずられながら口と体を縛られながらアウラの話を止めようと叫ぶ。


「うるさいのじゃあ!!」


 ナギはザクタマの頭を蹴る。

アウラはそれを横目でみた。


「私達にはあなた方と違って心臓となるモノがないの。その代わりに私達には " コア " と言われる命の球があってそれが体中を血の流れるように動きまくっているんです。その " 命球(コア) " が無事であれば私達は復活できるということ。そして普通の魔物の命球(コア)は壊れやすく、貴方たちと同じ様な、心臓のいちにあります。だから簡単に倒される」


「その話をしていいのか? お前は幹部の一人だろうが。それとも話しをしても問題ないと思っているのか?」


 怪しむクロウの目線を純白な心で答えるアウラ。


「リリネッドの友達だから」


 信用も信頼もできないが、とりあえず無意識警戒を解いてクロウは表情を緩める。


「つまり、そのコアをぶち壊せば、お前も他の奴も倒せるって事か?」


「そうだよ」


 リリネッドは納得した表情を見せる。


「こりゃ~さっくって終わりそうにないな」


「シンノスケは大丈夫か?」


「なにがですか?」


「デラーズと出会えることになったら面倒じゃろう」


「問題ないですよ、今の僕はあの時と違うから」


「ワシらも最初時よりかなり強くなったじゃろ」


「そうですよ」


 と何やら深く考えているクロウにリリネッドは袖をクイックイッとする。


「どうしたの? クロウ」


「ああ、今よく考えたけどさあ~」


「ん?」


 クロウはリリネッドを見つめて言う。


「お前さあ~、一度も幹部を倒した事ないだろう?」


 その場にいる皆が足を止めた。

そしてよく考えた。過去を振り返る。

新聞などでは『勇者が幹部を打倒した!』そんな記事がでかでかと書いてあるり、皆もそうだったかもしれないと勘違いしていた。

ザクタマは地面に口を塞ぐ器具を取り外して話す。


「王が3人、お前達が2人、リヴァナラがアウラを、そうにゃあ。戦いには参加しているが勇者自体が幹部を倒すことはしていない。消してもいないということにゃあ」


 クロウはリリネッドの頭を鷲掴みにしながらくるくると回す。


「(まあ~、追い詰めたりはしているが、最後までトドメは、ないのか) まあ~、コイツのいいところだ。コイツは命が大切だって事はわかっているが自分の命の重さをわかっている様にわかっていない、危険思想のバカだ」


「ム~」


「でも、それが俺達、勇者パーティーのやり方だ。今回も取れる奴が(タマ)は取る。それだけだ」


 アウラは手を押さ前て笑う。


「頼もしいな。だがこれだけは気を付けろ。魔帝王は周りの生き物の感情を歪ませる。欲を湧き上がらせる。そしていつの間にか自身の思惑もわからなくなり。そして目的も見失い暴れるだけのモンスターとなる。私がそうであったように。魔帝王と戦うなら短期決戦で戦う事だ。一度、魔帝王を斬った友達ならできるはずだ」


 アウラは信頼のまなざしで見つめた。

リリネッドが口を開く前にクロウが答える。


「その前に今は、王はいないんだろう? 話は聞いてるぜ」


「ああ、いるのは王の弟のアラシュが来ている。魔帝国の裏側にある魔帝横丁で暴れる魔帝界でも危険分子の革命軍と争っていたの。アラシュと王の側近の4名で。それも何百年も近く」


「つまり、アラシュって人と話せればいいって事だよね。そうすれば戦わずに済むかもしれないんだよね」


「リリネッド、それは難しです」


「なんで、アウラ?」


「アラシュは魔帝王より…優しくないからです」


 アウラは城を見つめて冷たい言い方で話した。


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