第145章 賢者を使用する者との冒険 ④
この物語に、勇者は登場しない――。
ハンターというチーム組織が存在する。
彼等は表向きに動くことはなく闇に紛れて動く。盗賊よりも厄介な者達である。
ボスの下に幹部が三人。その下に4つの組織が作られた小規模かつ圧倒的な力を持つ完全的なチーム。
ハンターのボスが長年、追い続けた『お宝』の手がかりを掴めずに悩んでいたが、ゴウダという人物が『お宝』について詳しいとどこかで知り、ゴウダを追う事になった。
所属【クレナ】のチームの一人である、モンスターのお面を被る男・モンフィルは骨付き肉を食べていた。
その横にはゾノノロが呆れながらパスタを食べていた。
「まったく、お前のわがままにはこりごりだ」
「ああ?」
「飯が食いてぇー、寝てぇー、起きて飯がくいてぇーだってなあ…。あとでリーダーに報告するのは俺なんだぞ」
「俺が悪い訳じゃない。近くにいい匂いがする店が悪い」
「ハァ~、そりゃそうだな」
と話している魔法通信の手紙が届いた。
ちなみに初めて魔法通信という言葉を使ったが、これは今思いついたわけではなく前々から思いついていたことで、説明が面倒だとかそういった理由でしてなかっただけである。あくまでちゃんと説明してなかっただけである。では改めて、魔法通信とは……。手紙が届く、開くと指定した者と一時的に繋がれる機能である。魔力を手紙に流し込むことで出来ます。詳しいことはまたいずれするとして、とりあえず本編に戻ります。
手紙の差出人はモンフィル、ゾノノロのリーダーのクレナからだった。
「ほら、来たぞ」
「破り捨てろ」
「それしたら、俺達は消されるぞ。 はいもしもし」
『連絡が遅いぞ』
「申し訳ございません、今て混んでいて」
「すみません、チャーハンください」
『おい! いま』
「どうしました? 何もありませんよ」
「あと、ラーメンもください、全トッピング入りで」
『お前達…』
「違うぞ、暗号です、暗号! ラーメンは土下座で、土下座してくれって言ったんだ。全トッピングはすべての土下座を見せろって事で……あひっゃー、俺の魔力が切れそうだ。戦いに疲れてまして、こちらから連絡を改めてしますのででは」
『お、おい!』
そう言って通信を切る、ゾノノロ。
「モンフィルよ~、こんな事を続けたらクレナにヤラレるぜ」
「そうなったら大戦争だな! シシシィ」
「ハァ~」
二人は食事を終わらせて外へ出る。暗い夜道を歩いていると前に人影が立っていた。
その者はナイフを右手に持ちその者の足元にはモンフィルの仲間が倒れていた。
「おいおい、こりゃあ~クレナの仕業じゃ~ないだろうなあ」
「どうでもいい、深夜飯まえの運動でもするか!」
「モンフィル、待て! お前が動くと後処理で困るのは俺だ」
「そういって、ゾノノロがやりたいだけだろう?」
「いいから、お前はそこで見てろ」
ゾノノロは肩や腕、指などの骨を鳴らしながら目に立つ男の方へとゆっくりと歩き出す。
「誰だが知らないがこんな事をして許されると思うなよ」
ゾノノロの前に立つ男はナイフを投げ、それを手で弾き突っ込んでいく。
衝撃と強烈な拳を振るうゾノノロの攻撃をナイフ使いはすでに投げた無数のナイフ。
拳を作った手とは逆の手で顔を隠しナイフからガードしながら攻撃を続ける。
だがナイフ使いは2.3歩後ろに下がり腰にある剣を抜く。
ナイフ使いが抜いた剣は鞘の時は細い刃風だったのだが、抜いた時は太く大きな刃と形と違う刃となった。
「マジかよ。お前さんが持っているその武器は……。この街の『お宝』だったやつじゃ~ないか」
ナイフ使いは獣王双剣を使って、ゾノノロ放つ。
腕に突き刺さるナイフを利用してゾノノロは剣の衝撃を一瞬止めて避ける。
「てめぇーにはその鈍らは似合わなそうだ。どこで拾った? 俺が持ち主に返してきてやるよ」
その言葉に返すことなく無言で剣を振る。
ゾノノロが同じくナイフで受け止めようとした時、モンフィルが割って入ってきてゾノノロを足蹴りで吹き飛ばす。
「おい、何すんだよー」
「今のナイフで受け止めていたらその腕が二度と使い物にならなくなっていたぞ」
「マジかよ」
ナイフ使いは剣に魔力を注ぎ込もうとした時だった、騒ぎに聞きつけた兵士が3人の場所に走りながら近寄ってきていた。
「ゾノノロ、喧嘩だ」
「馬鹿言ってんじゃ~ねぇ~よ、行くぞ!」
ゾノノロはモンフィルの首根っこを掴む。
その場から逃げる前にモンフィルはナイフ使いに言う。
「次会った時は、俺が相手になる。それまで精々、生きてろ」
そう言ってモンフィルはゾノノロと共にその場から離れた。
ナイフ使いもその場から離れた。
●●●
3日ほど経ち、3姉妹が南が向かう馬車に揺られながら乗っていた。
エリは新聞を読んでいた。
「勇者が魔帝王の幹部を一人を倒したって」
「そんな事より、エリちゃん。ハソウルト国の王子のヴァンゲンハイムが国に入るためには高い入場料を要求しているらしいよ。ほら、後ろの方に書いてある」
サヨがエリが読む逆の方を読んで指を差す。
横で寝ているハナを肩枕させて、エリは新聞を裏返す。
「本当だ!! 高い! 今、私達の持ち金っていくらだっけ?」
「最近は、依頼とかやってないから」
「あ、あれは? この前、魔物を倒したじゃん」
「あれは、エリちゃんが貧しい人からは貰えないって気持ちだけでいいって言ったんだよ」
「そうだったあ~」
エリはやってしまった気持ちを声に出して叫ぶ。
その声でハナが目を覚ます。
「どお~したのお~~?」
「向かっている国に入れなくなった」
「どお~~してえ~~」
「馬車代は払えるとして、近くでお金になる依頼を受けなきゃ」
「なあ~~らあ~~、あの村はどうかなあ~~」
「「え?」」
ハナは指を差す方を見る二人。
「アリオト村」
「ハァー、仕方がないね。お姉ちゃん達、あそこへ行こう」
エリは馬車の御者に言って目的地を変えてもらい、近くの村・アリオト村へと向かった。
●●●
3番隊隊舎にて、スイボは隊員のみなを集めた。
「私、隊長辞めます。あとの事は、ミスズに任せます」
近くで何かの資料にしたためている所に思ってもいない言葉がフルスイングで投げて来たことで面食らった表情を見せる。
「あ、あの~、ど、どいう~」
そこに副隊長のジャアージャが騒ぎ出す。
「隊長! 俺よりなんでこんな参席を!!」
「ジャアージャ、君はもう少し落ち着きが必要だよ。あとうるさいです」
「隊長!!」
スイボにオドオド、フラフラと近寄るミスズ。
「な、なんで私なのですか?」
「真面目で他の隊員からも信頼性が高い、君に任せられる」
「隊長!!」
「ジャアージャさん、静かにして。そもそも隊長は何故、お辞めになるんですか?」
「その事だが……。」
スイボは窓の外にいるジュライを見つけた。
ジュライは人助けをしていた。それを見てスイボは親指をジュライの方を差して明るい感じ言う。
「アイツと添え遂げようと思ってな。(私の詩で『お宝』は盗まれた。アレを取り戻すまでは)」
そんな言葉を聞いて納得がいかない隊員は騒ぎ出すも、面倒になり、スイボは窓から逃げ出す。
その頃、困っていたその辺の人たちを助けていたジュライは住民たちと和気藹々と話しているとスイボが隊員に追われながら向かって来た。
「ジュライ、行くぞ」
「ああ?」
スイボはジュライの手を掴み引っ張りながら走る。
追ってくる隊員の方を振り向きランスを取り出して斬撃を飛ばした。
斬撃は爆風に変えて斬られることなく風を浴びる隊員はその瞬間、動きが遅くなった。
「し、まったあ~~~~あああ」
動きが遅くなり、言葉も遅くなった。
そのままスイボとジュライは目の前の馬車に乗り、国を出て行った。
「どいう事だ、説明しろよ」
「問題ないですよ。さあー、旅を始めよう。私達の旅を」
ジュライは意外な行動したスイボを感じて今後が心配になった。
「ああ、目的地まで長いから、いろいろと話せるなあ」
二人は乗り合わせた者達に挨拶などをしたあと、長い長い話をしていった。
彼等の物語は、勇者の旅にいずれ影響する――。




