第139章 羽を持つ者
女王のエンセは天空界で最も高い小さな浮島で一人で下の光景見ていた。
少し前の話に戻り。ナギが急に暴れだし、エンセも叫びだした時にクロウがエンセの体に防御魔法を掛けてナギを抑え込もうと腕で掴もうとしたがナギが素早く動き出し刀を抜き始めた。
「ナギとは相性が悪い!! 女王様、少し手荒だが、許してくださいねぇ」
クロウはエンセを移動させる前に小さな声で言った。
「すまない」
誰も知らない高い浮島で自分の無力さに悔しがった。
「お母さん、私が本当に王でいのかな…」
そう思ったエンセだったがこれまでの出来事や、出会い。そして今、現在、国の為にこの世界の為に戦う勇者を見て強い意思が高まる。
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リリネッドはイトウダの無数の矢の攻撃から逃げ回る。
余裕のある表情を見せてはいるが内心はドキドキしていた。
雨の様に降り注ぐ無数の矢を当たりながらも逃げ回りながら走り回る。
「(大妖精さんが言っていた力ってどうやって使うんだろう。聞いとけばよかった…。ナギから受け取った2つの大妖精さんの力。それも使い方がわからない。でもこの状況をどうにか出来そうな気がする)」
無数の矢を止め、弓を刀の形に変えて、二刀流となってリリネッドが立つ地面に降りる。
「君は…不思議だ。この姿になったからわかる。君は何者だ?」
「私はネリネ・リリネッド。勇者だよ」
「違う。お前の本質の話だ。知りたい、教えろ! お前を」
見下すような目をするイトウダの瞳に興味が多少でた。
だがその回答に困るリリネッド。
「よくわからないよ。何が聞きたいのか?」
「そうかあ、残念だ。(その目に宿る意思とその魂の異常な形…。いやもういいか)」
イトウダは両手に持つ刀を振り回しながら突っ込んでいく。
魔力もほぼ空のリリネッドは剣を構えながら前のめりに強くそして、諦めに意思を見せる。
それがイトウダに取って気に食わない事で、不快で虫が好かなかった。
剣で刀の刃を防ぐもすぐにもう一つの刀が心臓を斬られる。
防いで斬られ、防いでは斬られを繰り返す。
イトウダは刃を振りかざし、それをリリネッドが剣で防ぎ、またイトウダが刀で命を削ろうと刃が肉体に突き刺した瞬間、体の筋肉を強く締め刀の刃を止める。
握り締めた剣をイトウダの左腕を斬り上げる。
イトウダは咄嗟の動きに驚き、なぜか一歩後ろに下がった。
斬られた腕を自信の持つ再生能力で生やす。
リリネッドは心臓に刺さった刀を抜いて剣で叩き壊す。
イトウダはリリネッドと戦い、向き合う中で彼女の魂の形が少しつづ変わっていくのが見えた。
「(なんだ? 本当に何だこいつは!! これが勇者の、いやコイツの力の本質だとしたら、コイツの正体は!!) ハハハハハ、いいぞ! ネリネ・リリネッド。もう遊び時間は終わりだ。お前からは妖精の気配を感じた。さっきも妖精の力を使ったな。なら教えてやるよ」
「教える?」
「この力を貰った瞬間、過去を見た」
イトウダは話す。この世界の本質を。
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大妖精の4人は天空界の浮島を止める。
「私達、4人が各種に置かれた理由はこの世界の危機を止めるため」
「ムリムリムリ、いやもう抑えきれない!!」
「おやおや、ツキクサは本当に弱気だね」
「話は終わり、集中してみんな」
「私達の生まれた場所を守るのです」
大昔。天空界が出来る前、浮島は数は少なかった。浮島には妖精達が住み着き人と関わる事がなかった。浮島内でトップに立つ者として天王と呼ばれている。
天王・ルージェエン。それがこの国の王の名前。
妖精の女王様とも呼ばれていた。
ルージェエンは異世界か来たという者と出会い、愛し合って二人の子供が出来た。
クボミ と ニオウ という名前を付けた。
クボミは異世かたきた者の血を濃く受け継ぎ、ニオウは妖精の血を濃く受け継いだ。
のちに二人の考えがすれ違い、浮島の分離が出来た。そして二人にも子供が出来た。
天界皇后・クボミ は アオ という子を天界女王にした。羽を生やし人間と同じ生活をしていた。
大王妖精・ニオウは今までと変わらない自然を守る生活を送っていた。
だが突然、地上が上がって来て、モンスターが大量に現れた。それだけではなく、地上に人間も現れて暴れだした。
クボミは人間達やモンスターを退治し、ニオウは争いごとから逃げるように妖精達を連れて地上へと向かう。
そして数年の時が経ち、クボミは上がって来た地上を制覇して天空界という国を作った。
ほぼ同じ時期にニオウは平和と自然を大切にして平穏に暮らしていた。
だがニオウは病気となり天空が脅威になった時の為に娘のノシメ、ブル、ルリ、ツキクサを東西南北にそれぞれ配置した。
ニオウは娘たちに伝えた。
「妖精たちの危機の時、貴方たちがこのあの子たちを救いなさい。その為に使う」
想いを託したニオウは亡くなつた。
また数年の時が経ち大妖精たちは旧勇者の悪ふざけによって封印された。
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イトウダは天空界と妖精との関係を話した。
「分かるだろう。君が使う妖精の力は天空の者と同じ。ならそれを解放する方法は同じ。それを教えてやる」
「な、なんで!?」
「お前に興味が出た。いや、お前の力になあ」
構えている剣を一度、降ろすリリネッドはとりあえず話を聞こうと動く。
「簡単だ、胸に…」
イトウダが説明を聞く前に、クロウがリリネッドの足を縛り鞭の様にグルグルと回しながらイトウダに向かってリリネッドが持つ剣をぶつけた。だがイトウダは黒い翼でガードする。
「おい、何をする」
「いやあ~チャンスかなって」
「よくも!!」
汗をかきながらしかめっ面で余裕を見せるも体に完全に印が浮き出てしまっていた。
立つことも精一杯であるクロウの感じも理解するイトウダ。
「フッ。さすが勇者の仲間だ。洗脳も効かず、これほどの猛者を抑え込む実力と気力。そして貴様から溢れ出す大きな魂。お前も不思議な奴だ」
イトウダがクロウの魂に気を逸らしていると物凄いエネルギー量を感じてそっちを見る。
と同時にクロウがふてぶてしい表情を見せる。
「あと数分しか持たないからなぁ~。その後は俺にもどうにもできない。さっさと終わらせろよ。勇者様」
イトウダの目線の先には妖精の翼のような透明で美しく精細で艶やかな光で輝く。
3つの矢印の様な形で作られた円形の物体が頭の上に浮く。
「なんだ!? その姿は!! どうやってそれを」
「妖精さん達が教えてくれた」
先ほどまで空だった魔力が元よりもはるかに上がった。
「超〇イヤ人みたいに溢れ出てるなぁ~」
イトウダは無数の矢をリリネッドに放つ。
リリネッドは透明なシールドを前に出して攻撃を無効化する。
強い気力を込めて放ち続けるも真顔で守るリリネッド。
「これ何ができるの?」
リリネッドにしか見えない妖精が何を耳元でささやく。
「え? 手を前に出すの?」
イトウダは何かをする前に矢の攻撃を辞めて刀に変えてリリネッドに向かって行く。
シールドが張られていない、横に一瞬で移動して居合の構えに変えていた。
イトウダが鞘から刀を抜く前にリリネッドが伸ばした手から砲台みたいな魔力がバズーカ砲のごとく放たれ、追尾機能の様にイトウダの方向へ曲がりに曲がり直撃した。
「ガッハァ!!!」
バズーカによって吹き飛ばされ瓦礫に埋もれる。
「うっえぇ! なんか出た!!」
妖精達がまたリリネッドの耳元にささやく。
「え、次? 何をするの?」
イトウダは瓦礫を弾き飛ばして立ち上がる。
「これほどの力、面白くなってきた」
リリネッドは魔力で弓矢を作り出して適当に矢を放つと一本の矢が無数に変わり追尾性能があるのか、イトウダに向かって行く。
無数の矢を同じく無数の矢で撃ち落とす為に放つイトウダ。
だがリリネッドが放った矢はイトウダの矢を無力化して落としそのまま一直線に進む。
イトウダは黒い翼でガードして矢から身を守る。が直撃する前に無数の矢は消えた。
リリネッドはイトウダは真後ろに移動して剣を構えてそのまま振り回して吹き飛ばす。
「なんだか、いけそうな気がする!!」




