第138章 それぞれの想い
オキソロルの前に魔帝王が立つ。
震えが止まらなく、考えが決まらない。
だが、それでもオキソロルはしっかりと足を踏み入れる一歩前に立ち、刀を握り締め戦闘態勢の構えをする。
「君と戦う気はない」
震える刀をしっかり持つオキソロルは叫びながら走り出して刀を振るう。
魔帝王の体に刃は入らずただ触れただけだった。刃は当たらず服の上で止まる。
「さて、気が済んだ?」
絶望するオキソロルは膝から倒れ込む。
魔帝王がオキソロルに触れようとした時、近くから触れる事を止める声がした。
「ん?」
そこには大太刀を持つ男がニヤケた顔でそこに立つ。
「君は?」
「女王・エンセを守る守護者で側近のシフ!」
魔帝王の前いたオキソロルが居なくなっていた。
少し離れた場所にシフとは違う人物が遠ざけた。
「同じく、ミエル」
「魔帝王はん、来るのんが少し早いんとちがうかい? それに部下を連れてくると想定しとったけど」
シフ、ミエル以外にもたくさんの兵士が魔帝王を囲む。
「動くなよ」
「今、おもろい所やねん。他の騒ぎを起こさしたない。アンタとの戦いをする前に天空界の未来掛かってる。水を差しなや」
「天空界の未来?」
魔帝王は天空界が少しつづ落下しているのに気が付く。
同時に遠くの方で何者かが戦っているのにも気が付いた。
「何が起きている」
「さあ、僕にもわからへん。兵士を集める為に今、帰って来たばっかりで。あそこで誰が戦うて何ぃ暴れてるんか。そやさかい事の顛末をここで見届ける」
「(オルガ、ルギアラの気配がする。) なら君の言葉に乗ろう。時間までなあ」
そこにいる者達は激しく争う場所を見つめる。黒い雲が下で争う方を。
●●●
龍の額の上に乗るリリネッドは剣の刃を魔力で大きくして向かってくるドラゴンを相手にする。
ドラゴンは爪で攻撃を繰り出し3つの斬撃が飛んできて、龍の姿のサカルタツムは長い尻尾でそれを防ぎながら、早い速度で真後ろに回り込んで、リリネッドが大きな刃でドラゴンを斬りつける。
背に傷を負ったドラゴンは痛みで叫びあがる。
ドラゴンは雷と炎の攻撃を口から吐き出す。螺旋の様に動くサカルタツムは攻撃を打ち消し、そのいいタイミングでドラゴンの飛び移ったリリネッドは額のところに立ち、剣を突き刺す。
痛みで叫びの雄たけびを上げながら灰の様に消えていった。
落下するリリネッドをサカルタツムは背に乗せて飛ぶ。
「ラスト、一体だぜい!」
リリネッドは残ったドラゴンを見てなにかを感じる。
違和感。
説明のできない。言葉がでない。
「どうした?」
「ううん。大丈夫。本体を止めて、みんなを助けよう」
サカルタツムは真上に飛び上がったあとそのまま落下の様に真下にいる本体であるドラゴンに対峙する。
リリネッドは自身が持つ最大火力を刃に変えて構える。
「行くぜい」
「うん」
ドラゴンの回りを飛び回りながら隙を見てリリネッドに攻撃させようと動くサカルタツム。
暴れ攻撃でドラゴンはサカルタツムを体を掴かみ、首を掴みその間を咬む。
サカルタツムの龍の叫びを上げるが体から高熱を暴風出して掴む手を離させドラゴンの体に巻き付く。
「いまだ、勇者!!!」
違和感を感じながらリリネッドはドラゴンの方に移り、剣を突き刺しながら体を滑りながら下へを落ちて突き抜けて斬り裂く。叫び上げるドラゴン。
リリネッドは次へと攻撃を繰り出そうと構えるも魔力が足りなかった。
「妖精さん、力貸して!」
妖精の力を使う事で魔力を耐久力を上げて剣の魔力を込める。
痛みで暴れだすドラゴンに回りの人たちを魔術で押さ前ながらドラゴンに縛りの魔術を使い、リリネッドに攻撃のチャンスを与える。
「リリネッド、いまだ!! 奴を止めろおおぉぉおお!!」
「うん!!」
リリネッドはサカルタツムの背に乗り飛び上がる。それに続く様にドラゴンも飛んで行く。飛び上がりながらサカルタツムもドラゴンも攻撃を繰り出しながら飛ぶ。
サカルタツムはドラゴンの首元を咬みながら巻き付く。
その隙にリリネッドは剣身を魔力で大きくしてドラゴンの羽を斬り、手足を斬り取ったあと、サカルタツムの後ろに乗り、サカルタツムはドラゴンを掴みながら真下へ急加速しながら地面に叩き付ける。
動けなくなったドラゴンは叫ぶ事すらできなくなり少しつづ灰の様に消えていった。
「えっ!! 消えちゃった!」
「本体が残らない? やったのか!?」
リリネッド、サカルタツムがそんなことを言っていると印が体から浮き始めてきたクロウが黒い雲の方へと指を差しながら叫ぶ。
「あそこだ!!」
二人が曇った雲を見るとそこから人影が見えた。
雲からイトウダが頭には輪っかの様な物と黒い翼を大きく広げながら少しつづゆっくりと出てきた。
「待たせた生きとし生きる者よ。世界の終わりをその目に焼き付けるのだ」
イトウダは両手で作り出した魔力の塊を上にあげた。魔力の塊は周囲に光が当たりそれがすべてを破壊していく。
さらに力を増したイトウダに皆が万事休すと思っている中、リリネッド、クロウはまだ諦めてなかった。
「リリネッド!!」
「うん?」
「こいつらが操っている力が解けてない。最終ラウンドだ。そろそろ俺も限界だ」
「私ももう力でないんだけど」
「そこの龍から力が湧き出てるんじゃ~ないのか!?」
「それが魔力の回復はないの」
「つっかえねぇーなぁああ!!」
サカルタツムは何も返せなかった。
イトウダは傷一つない姿で新たな力を得り、上空で飛んでいた。そして指先からレーザービームの様な物を出してサカルタツムに当てた。何度も何度も当てた。
サカルタツムは龍の姿から人の姿に戻り倒れる。
「うっ!!」
「どうしよう…」
「さて、どうしますか、勇者様?」
リリネッドが考えていると頭の中から声がした。
と同時に一瞬の瞬きの間に場所が変わっていた。
●●●
どこかの森のどこかの場所、足元には花が咲き乱れていた。
森と泉に囲まれた場所の中心で立つリリネッドの4人の大妖精が現れた。
「勇者様」
「天空界をお助けください」
「私達が天空界の止めている間に」
「もう一度、天空界を浮かせてください」
「「「「その為に私達の力を使うのです」」」」
「妖精の力を」
「自身の力を」
「生命の力を」
「自然の力を」
「「「「一つにして!!」」」」
大妖精たちはリリネッドに渡した力の一つの力へと変えた。
その瞬間、リリネッドの中から新たな能力を手に入れた。
●●●
北区、避難民所の近くでジェムン軍のザヤマエルムらが見張りに着いていた。
数人が中を、その他多数が外を守っていた。
「あっちは大丈夫なのか?」
爆発音が止むことがなくなり響く。
「兎に角、ここは守らないと」
と周りを見渡していると風景が止まっているのに気が付く。
「落下していない? 止まっている!! なぜ?」
●●●
リリネッドは気が付くと元の場所に戻っていた。
クロウが心配する表情を見せていた。
そtの風景は大妖精たちは力によって天空界の落下は止まり下がっていないことを確認して手の平を見る。
「クロウ、やるよ」
「勝算があるんだな?」
「わからないけど」
「わかった。頼んだ」
「うん」
リリネッドはサカルタツムに近づく。
「すまない」
「大丈夫だよ。休んでいて」
「彼の中にある指輪を壊せば洗脳を止まる」
「うん」
サカルタツムは何かの言葉を飲み込んでリリネッドに一言いう。
「世界の平和を自由をお願いします」
リリネッドは黙って頷き、サカルタツムを近くの安全な壁際に移動させた。
そしてリリネッドは強い気持ちを胸にイトウダの方へと向き合う。




