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勇者を利用する者たちの冒険  作者: とり飼ジン
天空界 篇

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第129章 座れない席


 ハクラクは指輪を使ってジェムンを洗脳しようとするが力を使ってそれを避ける。


「面倒な力を使うのだよ」


「ルギアラを解放させろ」


「解放させたいのか?」


「ん?」


「なら解放せてやるのだよ」


 ハクラクはルギアラに命令を下す。

その時、ルギアラは莫大なエネルギーを解放し始めた大きな翼を広げた。

ジェムンは危機的状況だと思い、刀を抜く。

ルギアラの剣がジェムンの刀に触れた時、刀が重くなり膝を付くことになってしまった。

刀は地面に落ちヒビが割れた。


「ルギアラの力はこんなものではないのだよ」


「本気で戦わせないのは、洗脳が解けるからか? 潜在能力ならルギアラの方が上だからなあ」


「何が言いたいのだよ」


「お前にはその洗脳の力は宝の持ち腐れだ」


 ハクラクはルギアラに命令をして刀が重くて持ち上げられずにいるジェムンに向かって攻撃してきた。

だがジェムンは当てる事無く、むしろ余裕の表情を見せた。


「力というのは隠してなんぼだよ」


 ジェムンは重かった刀を普通に持ち当て、一瞬にしてルギアラを斬り飛ばした。

ルギアラは大きな翼が消えてエネルギー量が通常状態に戻った。


「さて、君の力は空間移動とその洗脳だけ。ボクの力は君にとっては未知数だけどまだやるのかな?」


 ハクラクは力を使いジェムンをどこかへ移動させた。

一安心した気持ちになたハクラク。



 ●●●



 イトウダはサカルタツム、人型になったザクタマに襲われ、砂埃が立つのを利用してイトウダの力でドッペルを作り出して逃げ出す。

軽く走った先にハクラク、ルギアラ、そして騒ぎに近づきリリネッド、オルガが集まる。


「勇者!」


「全く、タイミングが良いのか悪いのかなのだよ」


「ありゃ? 敵? 味方?」


「馬鹿ああぁぁああ!! 敵だぁあああ!!!」


 オルガが叫んだと同時にリリネッドは背の剣を抜いて一番近かいハクラクに攻撃を仕掛けるも、その横にいたルギアラがその剣を止めて、リリネッドを鷲掴みにしながらオルガは飛び蹴りを繰り出してルギアラに当てる。

鍔競り合っている、ルギアラは剣で払いのけてオルガの攻撃を剣で防ぐ、隙を見てイトウダはリリネッドの襟を掴んで後ろに下げる。

それを見たハクラクが空間を作り出して一瞬にしてイトウダの近くに立つ。


「イトウダ、場所はわかったのか?」


「ああ」


「それなら行くぞ、時間がない」


 ハクラクはとりあえず、地下へと向かう空間を作り、リリネッドを連れて二人は空間に飛び込む。

オルガも後を追うをと動くも空間は閉じてしまい、後ろから洗脳状態のルギアラが襲い掛かる。



 ●●●



 イトウダたちは隠し通路を通り地下へとたどり着いた。

リリネッドは言われるがまま着いて歩く。

そして、二つの銅像のある場所にたどり着いた。


「ココは何?」


「ここは天空国の貴族どもが大昔に自分たちの力を封じ込めた場所らしい」


「力?」


「大昔、天空界は刀ではなく弓矢で戦う種族であったのだ。貴族は他の者とはエネルギー量と翼の数とサイズが違ったのだよ」


「その力を使いこなせるものがいなかったことでその暴走をおそれた当時の貴族がここに力を封じ込めた」


「それと私とどういう関係が?」


「勇者が持つその剣と銅像の間にある所に台座があるだろう。そこに剣を差してほしい。そうすれば、魔帝王を倒せる力が手に入る」


「でも……」


「お前達をだましていたことは謝るのだよ」


 ハクラクは頭を下げる。

リリネッドは戸惑いながら剣を見つめる。



 ●●●



 オルガはルギアラと戦闘を繰り広げていた。


「目を覚ませ!! ルギアラ!!」


「・・・。」


「フッ。前からお前は無口だったなああぁぁぁああ!!! じゃ~変わらないかあああ!!!」


 オルガはルギアラの顔面に拳を当ててそのまま吹き飛ばす。


「いつものお前なら、俺に殴られるのは屈辱的だと思うだろうなあ。早く意識を取り戻さないと、その整た顔面がボコボコになるぞぉぉおおお!!!」


 ルギアラが吹き飛んだ方向にオルガが向かって行き。

攻撃を仕掛けてくるのを見てオルガは嬉しそうな表情を見せてニヤける。


「なんだ、なんだ~、なんだよ~。そんなに顔の骨格が変わるのがいやなのかよおお!!!」


 オルガの拳を剣で受け止めた。



 ●●●





 サゴウルの姿をしていた、ガウトは本に書かれている呪文を唱えると、ゴゴォ!と音を鳴り響き、その部屋の隠し扉が開かれた。


「この城、どれだけ隠されているの」


「それだけ隠したい事があるんだ」


 体を縛られているエンセを連れて次の部屋へと進むとそこは何もない部屋。

狭く何もない部屋だった。ガウトはエンセを見る。断念した感じで倒れた女王のエンセ。


「私は元々王の器じゃないんだよ。お母さんが亡くなって、誰も引き継ぐ人がいなかったからって血筋で選びやがって皆、みんな、私に押し付けやがって!!」


「その話は何度も聞いたよ。さて、計算通りなら……」


 ガウトはナイフを取り出してエンセに向かって刺そうとした。

エンセもナイフを見ても抵抗せず、刺されることを受け入れる姿勢になってしまった。

だがそれを許さず、ナイフの勢いを止める者が刃をガッツリと握り閉める。


「「ジェムン!!」」


「間に合った」


 ジェムンは一瞬にしてガウト共に前の部屋に移動させた。

いた場所が変わったことに驚くガウトの顔面に重い拳を当て、続けて蹴りをくらわせて、刀を抜き、斬りつけるジェムン。

ガウトも態勢を整えて向かってくるジェンに刀を抜いて構える。鍔競り合いになる二人。


「お前誰だ?」


「元サゴウル…と言っておこう」


「そうか。何をしようとしている。お前は何を企んでいるんだ!!」


「フッフッフッ。何を企む?ですか…何をしょうとしているですか…。それは皆にも言える事」


「何?」


「コドフィル達は自分達が良い生活をしたいが為に自分らの組織を大きくしい為に戦い、ササブリエル達は犯罪が起きないように弱き者達を支配する為に法律で縛り上げる為に戦い、ルギアラは魔帝王と戦うために兵士達を操り戦力を集めだしこの国の王の座も狙う。オルガも、サカルタツム、イトウダ、そしてお前もみんながこの戦いに何かを企んでいる。この国はいま、不安定なんだ。誰もが王の座を狙っている。それは王が椅子に座っていない状態だからだ。あの女は王の椅子に座らず手に掛けているだけの置物。その座を狙っている者達が自分のためだけに戦う。そんな中、俺の狙いは少し違う」


「ん!?」


「お前も知っている通り、この国は…いや、この天空界は地上と間に次元の狭間が出来る事は知っているな?」


「それが?」


「なぜ、それがあるのか? なぜ、この世界だけが切り離されているような状態なのか? なぜ、地上との繫がりが塔なのか? 考えたことがあるか?」


「教えてやろうか?」


「お前はいったいなんなんだ?」


「ガウト、この世界の神となる男だ」


 ガウトは力を使い、大量の鳥を生み出してジェムンに攻撃を仕掛ける。

身を守るジェムンは鳥に囲まれる中、一羽がエンセに向かっていく。その光景が目線に入ったジェムンは刀を鞘に戻し力を使う。


 ジェムンの力は刀が鞘の状態でエネルギーを込めると周囲の入る速度を遅くできる。

そして刀が抜いている状態では相手の力をコピーできる。

よっくりと動く鳥に、ジェムンは刃を当てて、一羽の鳥をジェムンが飛ばしガウトが飛ばした鳥に激突して消えた。


「約7秒」


「ん!?」


 ジェムンの後ろを取ったガウト。大量の鳥に囲まれまるで箱に閉じ込められた様な状態になっていた。


「誰から見て7秒なのかどうでもいい。でも7秒だ。お前が遅くできるのは」


 ジェムンが刀で防ぐ前に鳥の羽の様な剣でジェムンに向かって刺した。

わき腹を刺されたジェムン。羽の剣はジェムンを貫通してそのまま勢いよく伸びて、エンセのところまで届き腕に掠る。

エンセの腕から血が流れ地面に落ちた瞬間、その部屋は光り輝き、丸い魔法陣の様な物が現れた。


 囲む鳥を解除してガウトがそこに歩き出す。止めようと手を伸ばすもジェムンはわき腹の刺し傷で重症で動けなかった。

エンセが戸惑っている中でガウトが無理やり引っ張り上げて連れて行く。


「最後の仕上げだ。これがこの国のこの世界の謎だ!!」


魔法陣の中に入って行く二人が仲に入ると魔法陣は消えた。



 ●●●



 ガウトと縛られているエンセは驚く。

それは地面の中の様な場所で培養ポッドのようなものがどんと置かれており、その中には謎の生き物が入っ丸くしてて眠むっていた。


「これだ!! やっと見つけたぞ!!」


「これはなに?」


「これか? これはなあ……。」


 ガウトはその問いに素直に答えた。嘘偽りなく素直にそして誇らしげに答えた。


「龍だ」



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