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『0歳から始める異世界転生生活~世界を救う建国物語~』  作者: nyanta
第5章 ルーナ国の人々
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第6話 作物への愛

「「いただきます!」」


 私たちは生きるために今日も食事をとる。

 以前まではその日を生き延びることのできるギリギリの量の食事が精一杯だった。お腹を膨らませることが第一で美味しさは二の次だ。それが今ではどうだろう。噛めば噛むほど甘くなる不思議な穀物、瑞々しい色彩豊かなサラダ、肉厚で肉汁溢れる何かのお肉の入った濃厚なミルクスープ。ああ、なんて幸せなんだろう。

 今日もお腹がいっぱいになるまで食べることが出来た。


「ふう、お腹いっぱいだ」

「バン、お腹いっぱいだ、じゃないでしょ!なんで野菜残してるのよ!」

「だって、実は俺あんまり野菜好きじゃない……ふごご!」


 もう、私の目が黒いうちはもったいないことは許さないんだから。この幸せが当たり前と思うようになっては絶対だめだ。本当ならこんな幸せは絶対にありえないことなんだから。今の幸せがあるのはミハル兄と

ソウ兄に出会えたおかげだ。ミハル兄のおかげであの町でもなんとか生き延びることが出来た。そして、ソウ兄に出会ったことで生活は激変した。もしもミハル兄がいなければ私たちは赤ん坊のうちに死んでいただろうし、ソウ兄に出会わなければ私たちは住む所を失い、同じくあっという間に餓死してしまっていただろう。

 ああ、この幸せが続くように私にできることは何かないだろうか。


 


 さて、お腹も膨れたことだしこれからどうしようかな。


「な、なあミミ、これから時間あるか?」


 皆と狩りに出かけるのもいいし、将来を見越してマルナさんに料理を教えてもらうのもいいし……うーん、でもやっぱりまずはあそこにしようかな。


「も、もし時間あるなら俺と……」


 ふふふ、どれだけ育ってるのかな。前に行ったのは10日前だから楽しみだなー。そうと決まれば急いで行こう。


「俺と一緒に花畑でも見にいかないか?」


 ………………。


「あれ、ミミは?」

 


 

「わぁー、久々に来たけどやっぱりここに来るのは楽しいな!」


 目の前に広がる虹の様に色彩豊かな風景。ありがとう、いつも美味しく頂いています。

 つんつんつん、あなたはお豆さんですね。私たちが育てていた時は小指よりも小さく萎んでいたのに、あなたは親指よりも大きくぷっくり膨れていますね。

 つんつんつん、あなたはトマトさんですね。私たちが育てていた時は葉っぱは黄色く枯れてしまいそうで実も小さく半分近く茶色がかっていたのに、あなたは光り輝く緑色の葉をもち拳より大きい実は真っ赤に染まっていますね。

 つんつんつん、あなたはお芋さんの葉っぱですね。私たちが育てていた時は小さい葉しか付かなかったのに、あなたは私の手のひらよりも大きな葉を沢山身につけていますね。

 なんでこんなにも私たちの時と違うのだろう?


「とても楽しそうだなミミ」

「あ、ソウ兄。なんかね、作物が育つのを見ていると自然と笑顔が出てくるんだ」


 そうだ、この畑を作ったのはソウ兄だったな。ソウ兄ならなんでこんなにも違いが出るのか知ってるのかも。


「え、どうして作物がこんなに育つのかって? 俺もそこまで詳しく知っているわけではないんだけどそれでもいいか?」

「うん!」


 流石ソウ兄、私たちが疑問に思ったことは何でも答えてくれる。ソウ兄に知らないことはないんじゃないかな? 


「それじゃあ少し話が長くなるかもしれないから城に戻ろうか」

「はーい」


 どんな秘密があるのかな、楽しみだな。

 



「つまり、植物が育つためには~」

「ちょ、ちょっと待ってソウ兄!」


 気楽に考えていた自分を怒りたい気分だよ。途中からソウ兄が何を言っているのかちょっと分らなくなってきた。城に戻った時に一緒に俺も勉強すると意気込んでいたバンなんかはすでに夢の中にいるよ。バンが勉強に目覚めるなんて何があったのかと思ったけど、結局いつもと変わりないし……。もうちょっと頼りにならないかな。


「ソウ兄、ちょっと途中から難しくなってきて……」

「ああ、ごめん。そうだな、今日は一旦ここまでにしようか。それじゃあ明日までにここを復習しといたらいいよ。はい、これはミミにあげるよ」

「あ、ありがとうソウ兄」


 ソウ兄の手に現れた1冊の本。私の顔よりも分厚いような気がする。幸いカード化したら重さはないけど読み終わるのにどれだけかかるんだろうか。時々ソウ兄が魔物にみえるよ……。



 つんつんつん、お豆さん。あなたはあんなに複雑な構造をしていたのですね。

 つんつんつん、トマトさん。あなたが育つにはあんなに必要なものが沢山あったのですね。

 つんつんつん、お芋さん。あなたは他の作物と違って同じ所で育て続けるのがいいんだってね。

 今まで適当に育ててごめんね。これからはしっかり育てていくね。おいしくなーれ、おいしくなーれ。


 あれ? お豆さん、トマトさん、お芋さん。あなたたち少し大きくなったかな? まさか私の愛が届いたのかな? なんてね。




「おお、ミミ新しい魔法を覚えているじゃないか」

「え? 本当?」

「ああ、豊穣魔法だって。ミミの努力が実ったんだな。努力次第では荒れ地も一瞬で作物畑に出来るかもな」


 まさか、本当に私の愛が届いていたなんて。何日も寝ないであなたたちのことを知った甲斐があったよ。

 


 つんつんつん、色々な作物さん。おおきくなーれ、おおきくなーれ。いつかこの世界を作物畑で埋め尽くしてみせるからね!!



【名前】ミミ

【職業】土壌の管理人

【HP】100

【MP】700

【スキル】

「魔力操作lv5」

MP使用時:消費MP90%

【魔法】

初級魔法

豊穣魔法



【豊穣魔法】

 自身の魔力を土地又は作物に与えることが出来る。魔力量により成長度は変化する。

お読みいただきありがとうございます。

暇つぶしにどうぞ!

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