第五十六話復讐
一方、真崎と紀村は飲み屋街前、端の道路で激しくぶつかり合っていた。
「一発で仕留める!!」
紀村はアイスピックを投擲する。当たり所が悪ければ即死、それを瞬時に見切り遠くへと逃げる。
(やべ…あれ拾わなきゃ…)
アイスピックを拾いに行く紀村、だが真崎がどこにいるのかを把握していなかった。
「ここだあ!」
真崎の拳が紀村の顔面に来る、それを腕でガードするも、その重い拳によって少し吹き飛ばされる。
「バケモンがぁ…」
紀村はアイスピックをすでに拾い終わっていた
「早く終わらせてやる!!」
拳とアイスピックがぶつかり合う、そんなのどう考えてもアイスピックが優勢…だが押しているのは拳の方だった。
「紀村ぁ!!」
真崎は紀村の腹部に蹴りを入れる。
「クソがぁ!てめぇ何座に負けるほど俺はやわじゃねぇ!!」
アイスピックが手のひらに突き刺さる…普通ならそのはずだが真崎の拳がアイスピックを砕く。破片が飛び散る中アイスピックを手放し、拳で顔面を殴る。
「お前ぇ!!何なんだよ!!」
紀村は抵抗虚しく、一発で吹き飛ばされてしまう。
(武器は…まだ残ってる!!)
紀村は懐をまさぐりながら次の武器を探す
(刺すか…叩くか…)
「何よそ見してんだ」
真崎の拳をかわし、紀村はレンチを取り出した
「お前を…叩き壊す」
レンチを振りかざす紀村だが、その攻撃を真崎は意に返さない、ひたすらガードされ続けるばかりだった
「壊せるもんなら」
すると真崎が紀村の両腕を掴む
「壊してみろ!!」
真崎は紀村の腹部に膝蹴りを叩き込んだ…はずだった
「バーカ」
なんとそれを、レンチでガードしていた
(まずい!!すぐに離さないと!!)
だ俺は遅かった、いつの間にか腕を外していた紀村のレンチが真崎の頭部に激突する。頭から血が流れ、真崎はふらつく
「どうしたぁ!真崎ぃ!!」
ガードが崩れた真崎をレンチで殴る続ける。
「グァあああああ!!」
雄たけびを上げる真崎だが、レンチに一方的に殴られるだけだった。
(どうやって抜け出せる…そうだ!!)
真崎は一瞬で紀村の懐に潜り込む
「まさか!」
そして腰を掴み、足を払い落す
「まずい」
「終わりだ」
そして馬乗りの状況で紀村の殴り掛かる、だがその攻撃を何と紀村は避けて見せた
「やっぱばかじゃん!」
そしてレンチで手のひらを叩く、そしてその隙に顎を殴り、真崎を後退させる
「そろそろ限界だ…終わらせようぜ!!」
そしてレンチを振ります、だがそれが間違いだった
「今だ!!」
振りかざしたことにより大きな隙が発生、その隙に紀村のレンチを払い落した
「はぁ!?」
武器を失った紀村は隙だらけ、腹部を蹴り、顔面を殴る。
「終わりはお前だ」
(どんな武器も効かない…どうする…もう武器のストックはないぞ…)
紀村は真崎の拳をよけ続けながら武器を探し回る。
「紀村ぁああ!!待ちやがれぇ!!」
だが復讐心に燃え上がった真崎はまるで暴走機関車のような速度で進む。
「バケモンがぁああ!」
紀村が拾ったのは先ほど真崎に折られた角材だった。
「そんなんで…俺に抵抗するつもりか!」
だが紀村は後ろに回る。そして角材を突き刺す、貫通までとはいかないが真崎の背中に角材の破片が突き刺さる。
「うぐぅ!」
紀村は次に悶絶する真崎の、背骨を狙う。
(まずい!)
背骨を狙われていることに気づいた真崎は拳を降り、紀村の方へと振り返る。だが紀村が狙ったのは背中ではなく足だった。アキレス腱目掛け、紀村は角材を振り下ろした。
「がああ!!」
言葉にならない痛みが下半身を中心に走り、一瞬身動きが取れなくなる。
「紀村ああ!!」
それでも何とか気合を出すために叫ぶ、だがその口に角材が突っ込まれる。
「んぐぅ!!??」
何が起きたのか分からなかった、しかし紀村が何をしようとしているのか分かる、こいつは自分のことを全力で殺そうとしていると
「どうする?このまま突っ込んだら、お前は死ぬ」
紀村は真崎の足をよじ登る。そして真崎に提案をする。
「お前が天道を説得して、俺ら狂犬會と合併しろ」
真崎は一秒にも満たない速度でその角材をかみ砕き、破片と唾を紀村に吹きかけた
「いやだね!」
真崎は拳を振り下ろす、だが交差した角材がそこにフィットする。そして絡めとられ、腕が下に行く。
「角材!」
そして顎を殴る。
「ぐぐぐうぐぐぐぅうう!!」
頭突きをするために頭を振り下ろすが、それは空振りに終わってしまう。だが真崎にはまだ手立てがある
(掴む!グラップリングだ!)
腕を掴み、足をを払い落そうとするが…
「ここ!!」
紀村はいつの間にか、両手持ちにしていた角材でもう限界の真崎の背中目掛けフルスイングをする、角材は攻撃力のわりにかなり軽い、だから大量にラッシュを打つことが出来る。
(だめだ…意識が…耐えなきゃ…アイツのためにも)
真崎の思いとは半面、現実は非常だった。
「フー…終わった…ま合併は保留してやるか…」
真崎と紀村の誰かの目にも触れられぬ決闘は、紀村の勝利で終わった。




