第五十四話歩く災害
ボコボコと様々なチームが入り乱れ、殴り合う最中ついに幹部同士がぶつかる。
「邪魔だ!」
能面一家の幹部、寺田が拳を振りかざす、その人物が後ろを振り向いた瞬間警棒を振りかざす
「お前は…」
(マジで誰だ?幹部か?)
それは鳴神だった
「ひひ…いい根性じゃねえぇか、全く知らないやつだけど」
鳴神は寺田の腹部に蹴りを入れる、その後警棒と逆手に持ちメリケンサックを持つ
「今認知させてやる」
「やってみろよ」
寺田は拳を後ろに下げる
(後ろに…なんだ?)
今までに見たことがない構えに対応が遅れてしまった。その直後腹部に衝撃が走る。
(威力が強い!…だが行動が遅い!)
またその構えをした瞬間、鳴神は後ろに回る。
「ここ!」
そして警棒で殴る。だがそれを腕でガードする。
「それでもう腕使えんのか?」
寺田はバックステップを取る。
「片手で十分だ」
腕を回し、拳を振りかざす、鳴神はそれをガードするので精いっぱいだった。
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一方真崎と天道は一直線に紀村を狙う。そして見覚えのある緑髪を見つける
「いた!」
飛び蹴りをする天道に対し、そこに割って入って来た藤森が腕でガードする
「邪魔だ…!」
ガードを外し、藤森が回し蹴りで天道の顔面を蹴る。
「紀村が金でも払ったか?」
天道と藤森は必然的にここで戦うことになる。それは二人の意思たまたま絡み合ったものだった
(俺は蛇山を倒しに行くつもりなんだがな…最悪こいつでもいい)
「違うな…これは俺の意志だ」
天道は拳を振りかざす
「じゃあどけ」
互いの拳がぶつかり大きな音が響く、そして周りもチームのボス同士がぶつかり合う展開にただの抗争ではないことを認識し始めた。
「何だ?お前の相方が追いかけてくれてるんじゃないのか?」
(俺の手で決着を付けたかったけど…厚治なら任せられるか)
「そうだな、お前の相方とは違ってな」
藤森は首を回す
「まあいい、お互い全力でつぶし合おうぜ!」
二人が殴り合う中、真崎は紀村をついに捕まえた。
「紀村ぁ!」
大きな拳を持っていた角材でガードを試みるが角材は破壊され砕け散る。
「やっば…真崎ぃ…やっとここまで来たな」
「俺たちはお前を倒すために今日来たんだ、全力で殴らせてもらう」
紀村は煙草に火をつけ、背中から木刀を取り出す
「いいぜぇ…!今は楽しくいこうぜ!」
木刀を振り回し、真崎を後退させる。
「一発で天国に行かせてやる」
あまりにも凄い真崎の一撃を受けた。木刀が一瞬にして粉砕される。
「紀村ぁ!」
紀村はまたしても懐を探る。
「刺すか…打撃かぁ…」
その間に真崎は拳を振りかざすも、紀村は咄嗟に木刀の破片を投げつけ目をくらます、そして武器を持ちこちらに急接近
「刺す!」
紀村が取り出したのはアイスピック、刺された一溜りもないどころか、命すら失う。だがそんな状況でも真崎は紀村の腕を掴むことに成功する。
「その性根を叩き割ってやる」
真崎はそう宣言した。
その横を佐鹿が通り過ぎようとする。
「アイツの邪魔するのも悪いし俺は雑魚狩りしますか」
だがその眼前に依然見たことのある姿を捉える。
「あの金髪にジージャン…アイツは夏目か、大手柄だな」
佐鹿は夏目の目の前にまで迫る
「せーんぱいッ、俺とやり合いましょうよ」
夏目は佐鹿の服の襟を掴む
「ん?」
そして強烈な頭突きを叩きこんだ
「うるせぇ…邪魔だよ」
佐鹿頭をさすりながら立ち上がる
「いってーな…でも思ったよりっすね」
その言葉に激高した夏目は佐鹿の顔面にストレートを叩きこむ、だがその攻撃はいつの間にかいなされていた。
「こいつ…佐鹿か!」
夏目は指を鳴らす
「じゃあ大手柄じゃねえか」
「やっと気づいたか…夏目良」
佐鹿と夏目は互いに向き合い、戦闘態勢へと入った。
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抗争が始まりそれぞれの対戦相手が決まる中、村雨の姿を誰もとらえていない事が全員の中で共通認識になる
「村雨を捜すぞ!」
蛇山と寺尾が主導で行い村雨を捜すことにする。だがその構成員の一人を吹き飛ばしながら榊原がこちらに進む。
「はぁ…なんだ雑魚か」
蛇山の背中を寺尾が叩き、耳打ちで伝える。
「お前がいけ」
「俺が?…って言ってる場合でもないか、それでお前は良いんだな?」
「ああ俺を倒した奴だ、村雨暗い余裕だろ」
励ますつもりなのか、楽観的なのか分からない寺尾は金属バットで榊原に立ち向かう
「俺がつぶす」
榊原はヘアバンドでその赤い髪をハリネズミのように尖らせる
「かかってこい」
寺尾とその他大勢が榊原に立ち向かう中蛇山は村雨の元へ急ぐ、だが村雨は一向に見当たらない
「クソッ!どこ行きやがった!」
だがその前に幹部である岩瀬が立ちはだかる。
「誰だよ、どけ!」
蛇山はメリケンサックで殴り掛かるもそれは外れ、腕を掴まれる。それは今までに感じたことのない力、レスリング選手や天道よりも圧倒的だった。
「ぐぁあああ!クソがぁ!」
この状況でも誰も村雨を見つけられない。ここ数年の比にならないレベル大抗争が起きる中、夜の中野の小道へと白いパーカーとフードを被った人影が消えていった。




