最終回⒊【パパに見せたかったな?】 side あっちこっち
***************[side ガレット中将 パパの筆頭幕僚]
あの人、ターラン司令はまた体を悪くしていたのか。
被爆症の二重苦って、どれだけキツかったんだろうか。
想像もつかねえが。
変だとは、思ってたんだよ。
この数年、アロマ坊を連れ回って必死で何かを伝えようと、
焦っているようにさえ見えて不思議に思った。
ドゥーダンの旧属国が、大陸ごとぼろぼろと崩れて来た時には、
アロマ坊が始末をする様子を、
あの人は手を出さずにじっと見ていた。
この数年、
この帝国に手を出して来た奴らを”完膚なきまで“やっつける時には、
坊やを横にしての、ありゃ《英才教育》だったのかね。
俺たちも、その時の坊やを見ていて“化けていく”様子に、
こりゃパパよりも容赦のない切れ者になりそうだと、
口笛を吹きたい気分で見ていたがよ。
あんなに、息子を自分の仕事に関わらせないように避けて来たのに。
“背に腹はかえられない”事情があったわけだ。
前に、あの人が具合が悪くなった時のように、
切羽つまった様子には見えなかったから。
ぬかっちまったぜ俺としたことが。
それにしても、早すぎるだろう。
せめて、俺たちにくらい、
何か言ってくれてもよくはなかったかい?
サリュー·ターラン。
俺たち、あんたに魅せられてここまで来ちまって。
これから、どうやって落としどころを探したらいいんだか。
あの世で、あんたが言っていそうな事は、
長い付き合いでわかってはいるが。
あんた、“坊やを頼む”って、
少し困ったような顔して言っているんだろう?
しょうがねえ。
頼まれてやるよ。
いきなり俺たち幕僚の階級上げて行きやがって、
俺達の逃げ場を無くして“坊や”を守れって、
“遺言”のつもりかよ?
あんたって、本当に不器用だよな。
上等じゃねえかよ、
守ってやるよあんたに託された“坊や”をよ。
目に入れて下さった方が、どう思って下さったのだろう?
今日の暇潰しや気分転換になってたりしたら嬉しいなあと思っております。
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