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最終回⒉【パパに見せたかったな?】 side あっちこっち

 ***************[side マコーレット パパの長女]



 パパはその夜、『食欲がない』と、早々に休んだと聞いた。


 熱がある様子でもなくて。


 明け方に、お世話の方がパパの寝室を覗いたら、

 パパは寝台に寝てはいなくて。


 長椅子に座って本を広げて、うたた寝をしているように見えたって。


 信じられないような静かな“亡くなり方”って。


 どうしてよ!

 おかしいでしょう?


 救急救命とか、誰か気がついてくれなかったの?


 私は、当初はパパを失った悲しみよりも、

 どこにぶつけていいのかわからない《怒り》ではち切れそうになっていた。


 私は、誰かれ構わずに叫んでしまっていた。


『どんな姿でも、パパが生きていてくれたら良かったのに。

 ずっと寝たきりだってかまわない。

 口がきけなくなったって、

 パパの視線で何が言いたいかはわかるもの。

 どうしてよ!どうしてこんな事になっちゃったのよ?』


 自分でも、目茶苦茶なのはわかっていたけれど。


 私、レヴィにまであたり散らして。


 物陰からパパが出てきて私に言ってきそう。


『マコは、ホントにアホだよなあ。

 しょうがないなあ。お前は。』


 でも、パパはどこにもいない。


 ミラお母様が、苦しそうに言葉を絞り出して。



『マコーレット。皆があなたと同じ思いですよ。

 ご本人のサリュー·ターラン以外の者はね。


 あなたのお父様は、生きたいように生きられたとは言いません。

 ですが…死にたいようにご自分で選ばれたように思います。

 そうは、思えませんか?


 あなたのお父様は、お父様である前に1人の人間として……』



 ごめんなさい。


 ミラお母様を、さらに苦しくさせようとは、

 思ってはいなかったのだけれど。


 パパならこんな時に、どうすれば良いと言うだろう?


 周りを見回したら、狂乱する母親にびっくりしている、

 不安そうな3人の子供の目が私を見ている。


 パパの声が聞こえる。


『いい加減にしたらどうだ!マコ。

 しっかり周りを見て。

 自分のやるべき事をしろ!』


 しっかりしよう。

 私は、あのパパのたった1人の血を受けた娘。


 この悲しみが、消えるとは思わない。


 でも、私はサリュー·ターランの娘として恥ずかしくないように、

 子供たちのためにも顔を上げなければ。


 ミラお母様の力になるどころか、私がお母様の悲しみを増してしまっている。


 こんな有り様では、きっとパパに叱られてしまう。

目に入れて下さった方が、どう思って下さったのだろう?ドキドキ

今日の暇潰しや気分転換になってたりしたら嬉しいなあと思っております。


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