最終回⒈【パパに見せたかったな?】 side あっちこっち
**************[side フレイア パパの初孫]
《おじい》の訃報を聞いたのは、
私がローズマリー皇女様のお話相手として、春宮の宮殿に上がっていた時です。
もうあれから半年が経つのに私の家は、
みんなが気持ちが静んだままでとても苦しくってたまらない。
昨年、皇帝陛下が次代の皇帝に、
ローズマリー様をご指名になられた。
立太子と言うんですって。
この次の世で、
この帝国は初めての女帝を戴く事になったそうです。
これは、とても凄い事なのですって。
私の“おじい”サリュー·ターラン司令と一緒に、
ミラおばあ様がローズマリー様にお目にかかる機会がたくさんあって。
その時、私の話が出て。
ローズマリー様が私に『会ってみたい』と仰ったのが、
私が最初にお目にかかった切っ掛けです。
ローズマリー様にお目にかかると、びっくりするに程にお話が弾んでしまった。
世間では“無愛想”なローズマリー皇女様という噂だったのに、
コロコロ表情が変わってとても可愛らしい。
私もローズマリー様も、
これまで“おじい”の作った学習プログラムで勉強を進めてきた。
知識の共通点もあって、私の学校の友達とは違った、
色んなお話が出来るのが楽しかった。
私が、ローズマリー様にお貸しする本や映像には、必ず検閲が入るの。
『皇女様って大変だなあ』と、いつもちょっと同情してしまう。
ローズマリー様が、一度ポツリと小さな声で。
『フレイアがこうしてずっと私の隣にいてくれたら……』
深い意味ではないのかもしれないけれど、私はこう答えたの。
「ローズマリー様は、私の大事なお友達です。
私が、ローズマリー様に“お仕えして”しまったら、
親友を失ってしまうので。」
それに、私の当面の目標は、ユニ·大学に合格する事。
アロ君や、おじいの母校。
私も絶対に行ってみたい。
おばあ様がとても心配なさっているので、
せめて自分の身を守れるようにと、
この頃私、ちょっと荒事も頑張っているの。
剣をおじいに習っていたので、
それが他の護身術にも共通点があって、
それなりにものにはなっている手応えはあるの。
ローズマリー様が仰った。
『ターラン司令に、我々の母親の事を、
無理にでも聞いておくのだった。』
おじいはローズマリー様には、
『本当に知らないのです。前宰相閣下の采配でしたので。
皇帝陛下にお聞きしても、陛下にも“閨に”侍った女性の出自を、
御存じではあらせられなかったと存じます。』
普通の庶民では、考えられない“変な話”。
でも、私はローズマリー様に言ったの。
「ローズマリー様、うちの“おじい”は、子供には嘘は絶対につきません。
知っている事は、ちゃんと教えてくれる大人なんです。
うちの母も、叔父のアロマも、
おじいのそういうところをとても……
愛して来たんです。」
あれあれ、どうしたんだか?
私、目から涙がとまらなくなってしまったよ。
家で、おばあ様が大好きな“おじい”のプレゼントのワインが、
呑めなくなってしまっているの。
せめて、私は元気で“泣かない”と思っていたのに。
目から涙が決壊したダムみたいに止まらないよ。
ローズマリー様が、
何も言わずに私の背中を静かにさすってくれている。
ローズマリー様が、
いつも弟殿下や妹皇女様になさっているように。
目に入れて下さった方が、どう思って下さったのだろう?ドキドキ
今日の暇潰しや気分転換になってたりしたら嬉しいなあと思っております。
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