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【パパはクロさんとお茶会して夜は‘暴走’?】 side サリュー パパと陛下…♡♡

「これで、ターラン司令の《軍用‘おもちゃ’狂》言われないだろうよ?」


「何それ?クローレス上級大将閣下。俺そこまで(ひど)いこと言われていたんだ?」


「軍の中で言う奴はいないぞ。

 そういう噂振り撒くのは、

 今まで‘(らく)して良い思いして来た奴ら’の寝言だろうよ。

 気になったのか。あっははは。」


「ケッ。人の口を気にして、こんな商売やってられっかよ。」


 今日は、会議が終わって、気心の知れたクローレス上級大将、クロさんとお茶会。


 俺はまだ肩の傷を吊っているから、白シャツ着て軍服の上着を肩に羽織っている。


 陛下の号外発表のお陰で、

 こんな変な格好で会議に出ても、誰にも何にも言われなくて楽です。


 久しぶりにクロさんと話でもと思ったら、

 ドクターストップでお酒は駄目だって言われていたのを思い出した。


 で、いい年の男2人でお茶会さ。


 ************


 帝国内の整理がかなりスッキリして来たら、待っていたように外からが騒がしくなってきた。


 旧貴族の‘取り潰し’の財産没収に伴って国庫に入って来た、

 余剰歳入の殆どを軍事費用に回してもらった。


 かなり急がして、戦闘能力の高い高速艇と高速軍艦を作る予算に当てていた。


 俺からしたら、帝国の“命拾い”の救急費用。


 これでもギリギリ間に合った!

 ヒヤッとしたぐらいのもんだったのに。


 予算をもぎ取った当初は、軍以外からはめちゃめちゃ叩かれた。


 いろんな団体に、“戦闘好きの軍事設備狂”の扱いさ。


 そりゃ、帝国臣民がみんな年金やら補助が増えたり、

 病院でも学校でも、ただになったらみんなニコニコは分かるよ。


 でも、帝国が攻められちゃったら、それどころじゃなくなっちゃうでしょう?


 ほうらね!とは言わないけどさ。

 ね、ヤバいところだったでしょうが?


 ***************


 敵がちょっかいを出して来たのは想定通り場所。


 帝国の領土ギリギリの辺境地帯。


『やっぱりなあ。』と言うと不謹慎だけどさ。


 俺が、‘敵方’だったら、そこに石をポンと投げて、

 波紋を見てから徐々に足を進めるだろうし。


 向こうから、こちら側の辺境地帯を見たら、

 たまに視察の偵察艇がゆらゆら漂っている(ゆる)い地域にしか見えないだろう。


 ところがさ、ちゃんとトラップも張ってあるんだよな。


 防衛システムを全開で見せちゃったりはもったいないから、

 わざとやらないようにしてあるのさ。


 でも、そこに住んで生きている人間が皆帝国臣民でいる限り、

 ちゃんと守る用意はしてあるからね。


 どっかの貴族が言うような、

『あの地帯の《珍味》が酒に合う』とかで、守っていたんじゃないですから。


 《端からじわじわ》を放っておくと、気がついたら大火事になるの早いんだぜ。


 今回は張ってあった網の反応を拾ってから、

 《ターラン司令の軍事設備“狂”》の傑作高速軍艦でサーっと向かって追い出してやったわけさ。


 “狂”ってホントに腹立つ。


 俺も久しぶりに高速軍艦で遠方に出掛けて、直に‘戦闘’を見てから帰って来たところ。


 奴らは、しばらくは来ないだろうけれど、また絶対に来る!!


 こいつらはやられると、かえって‘燃える’。

 戦闘能力だけは動物みたいな人種だから。


 今度は、本格的にやる気充分で来るだろう。


 この敵を俺は、わりとよく知っていた。

 昔の俺の‘仕事’絡みで。


 うちの帝国の軍事国家の性質とは、全然違う不思議な“洗脳”軍事国家。


 この敵方帝国の“洗脳”がうっかり解けちゃって脱走兵になった奴らが集まっていた。


 俺の仕事依頼は、そっちの脱走兵を‘おとなしく’してもらう方だった。


 依頼先は、被害が大きくなって頭を抱えていた《商会連合》から。


 この《洗脳軍事国家》は、絶対に傭兵部隊に仕事依頼は出さないだろうしね。

 国家的に‘恥をさらす?’って事になるんだろうか?


 この集まった‘脱走兵’が、かなり組織だった《宇宙海賊》になちゃってて。


 あんまり、元気に活躍をされたら困るので、

 ちょっとお願いに行く仕事をした事があったんだ。


『もっと上手に海賊やってね。気持ちはとっても分かるからさ。』って。


 そいつらとは、俺は結構気が合っちゃったんだけれど。


 それは置いといて。


 《宇宙海賊》の奴らの脱走してきた“洗脳”軍事国家のが、うちの帝国に距離的に手が届く航海技術を開発していた。


 そろそろ手を出したくてウズウズ始めるんではないかと思っていたのさ。


 今まで、こいつらと接点がなかったのは、

 向こうに、この帝国まで手を伸ばして来るだけの航海技術がなかったからだね。


 だから、この帝国ではこいつらと直にやりあった経験がない。


 うちの帝国軍全員が予備知識を持っていないみたいだった。


 今回の事があって、だいぶ俺の言うことに耳を真剣に傾けてくれるようになった。


 年配層の上級将監は、特に頭が硬いから。


 見たことがないお化けは居ないもんだと思ってるのかね?。

 ‘お化け’が出たから説明がしやすくなった。


 この帝国の上級将監には、今日1日の会議では説明が終わらないので、

 また近日中に第2回目会議の収集をかけるつもり。


 その時まで、この不思議な“洗脳”帝国の資料もビシッと用意しておく。


 今日は至急で、俺が戻ってすぐに今回の状況説明の会議。


 それと、こういう救急対応の時の、解決方法のパターン説明。


 そのやり方を自分の部隊に下ろして伝授して、

 ちゃんと染み込ませておいて下さいねとお願をしておいた。


 今度は、どの部隊にお願いするかわかんないから、よろしく。

 で、第1回は終了ですよ。


 決して、自分が長い会議が疲れるからでは、なくはないかも?


 でもまあ、また近日中。


 ***************

 ***************



「お前の妹、クリサーリダの。」


「はい?」


 いきなり、陛下。

 “この体勢”でなぜアンムートの話など?


 肩の傷が完治していないので、このところの陛下とは、‘この体勢’が定番になっている。


 こういうの『騎乗位』って言うんだっけ?


 帝国皇帝陛下に股がって、処罰対象にならないのって、

 やっぱり俺だけだよなあ。


 退院後に、‘長いシャワー’を浴びさせられてしまって、陛下にね!


 細菌感染で高熱出して、また数日病院に戻ったりしたので。


 陛下が少し‘だけ’ご遠慮下さって、

 今は週末だけで‘この体勢’のお仕事が済んでいる。


 執務室からの陛下‘室’に帰宅のため、目茶苦茶な残業ができなくなっている。


 今になって《マコに説教を喰らった“規則正しい生活”》を送るようになった。


 夜の陛下の“特別残業”が過剰気味にならなければ、体調は改善方向です。


 で、この体勢での陛下の、何の話かなぁ?


「あの王国クリサーリダは、この帝国に“毒にも薬にもならぬ”。


 お前の妹が、ここへ戻ってきたいと言うならば、

 迎えの(ふね)でも出してやればよい。


 もとは、この帝国の人間であろう。

 好きでこの帝国を出ることになった事情は分かっておる。


 サリュー、なぜそのようにもったいぶる?」



「妹がきっと嗅ぎ付けますので。

 あいつは、……こういうことに“化け物”のように鼻が効くので。んん。」



「フフン、サリュー今日は締まりがいいな。


 ところで、こういうこととは‘どういう’………………ふう。」




 何か、同時に到着ですかね。陛下と俺。

 息が整ってから、お話しますので、少し待って下さい。


 えっと、陛下はそのまま‘もう1回’って事ですか?


 俺は、もう終了ですよ。


 陛下って、お若い。



 ******



 左肩を上にしてうつ伏せになって、

 陛下の右側に抱き込まれて息を整えている。


 陛下の、俺の髪を掻き回す手指がゆっくり動いている。


「それで?」


「え?」


「“こういうこと”とは?」


 あれれ、陛下忘れていらっしゃらなかったんだ。



「ですから、その俺が……、追加業務の、その御奉仕を、

 陛下と、そのこういうことを。」



「ん?『御奉仕』と?」



「お前は、私に“御奉仕”をしていたのか?

 ほおお?それはそれは、申し訳ない事をしてしまったな。」



 あれえ、陛下目付きが変です。


 ご立腹なさったのかと思ったら、やけにニヤニヤなさって。



「では今日は、私からお前に“御奉仕”をしてやろう。」


「えええ、陛下、陛下ちょっと待って下さい。

 要りません。要りませんったら、そういう“御奉仕”って。」


 今日は、もう今日は今日は終了じゃないんですか?


 結局明け方まで、あっちこっち御奉仕され過ぎてしまって。


 熱痙攣(けいれん)ではないのに、体がビクビクしちゃっている。


 すいません、陛下の‘二の腕’に俺が握ってしまった指の跡がくっきり付いちゃって。


 何で、アンムートの話からこんな事になっちゃた?


 こういうの、妹に嗅ぎ付けられたら俺ホントに生きてらんないよ。


 アンムートの


『ふうーーーん。お兄ちゃ~ん。』


 あれ、俺ほんとーに苦手なんだよ。


 うっかり、こういうことの‘熱’が体に残っていたら、

 絶対にあいつは嗅ぎ付ける。


 昔っから、外で俺が何かあると必ずアンが、


『ふーーーん。お兄ちゃん。へええ。』


 って言うんだよ絶対に。


 気味が悪いほどの《百発百中》!


 俺、そんな‘垂れ流し’体質じゃないから。



 ****************


 休日の目覚めは、もう昼近くで。


 いつの間にか陛下と部屋続きに作られた俺の寝室で目が覚めた。


 体にまだ余韻が残って熱い。


 少し冷たいシャワーを浴びてスッキリした。


 着替えて寝室から出ると、陛下が先に食事をつままれていた。


 窓から明るい光が陛下の白金の髪にあたって、(まぶ)しい。


 所在なく、パンを千切っている陛下の長い指先がとても綺麗だ。


 うっかり見とれてしまって、体の中心がーにキュっと掴まれたような熱さがぶり返す。


 いい年をして俺、ちょっと恥ずかしい過ぎるぞ!


「起きたのか?」


「はい。」


「少し髪が伸びたな?まあ、それも良いが。」


 陛下と一緒に遅い朝食を頂いた。



「あまり、進まぬな?


 気分がすぐれぬか?」



「いえ、良く眠れました。

 起きがけは、あまり食べられません。

 申し訳ありません。」



「謝られる覚えもない。」


 今日は、何か陛下を見ていると変にドキドキしている。

 どうしたんだか俺、今さらの陛下のお顔を見ながら。


 まさか陛下、一服盛ったりしていないですよね?

 興奮作用のあるやつでも。


 俺、あれかな?

 久しぶりに戦闘系の仕事をやったから、

 試合後の‘闘犬’みたいな状態になっちゃってるのか?


 体の熱がおさまらない。


 陛下に言ったら大変な事になるから絶対に言えない。


 話を()らして、自分の気も()らそうっと。


 30年前の若者反応だよなあこういうの。

 今朝の俺ちょっと痛すぎ。


「陛下。」


「ん?」


 時間がこの空間だけ止まったみたいに、陛下の周りがゆったりしている。

 陛下とのこういう時間は“至福の時”に思えるよ。


「以前に陛下に頂戴いたしました“絵画”を、

 妹に渡してやってもよろしいでしょうか?」


「別に‘絵’のひとつやふたつ。かまわぬ。

 だが、どうしてだ?」


「たぶん、妹ならば分かるのではないかと。

 あれを、自分は《墓参り》の代わりに眺めておりましたので。」



「《墓参り》?

 また、奇妙な事を。」



「妹があちらの国王への体裁で申しますのか、

『故郷で墓参り』と連呼いたしておりまして。


 親に墓など自分は作ってはおりませんし。

 今後も作ろうとも思いません。


 自分の墓も作ってなど要らないと、

 書面でも残しておりますし。」



「朝から、‘墓’の話か?」


「……。申し訳ありません。」


「良い、続けるがいい。」


「頂いたあの‘絵’は、

 とても様子が父と母に似ておりまして。


 子供の時に垣間見た様子が。


 父と母の間にも、

 子供には知られたくはない想いがあったのかも知れません。」



「妹には、親の墓参りの代わりにあの‘絵’と、


 親の形見代わりに《父の日記》と、

 母の国の‘石’を持たせて帰してやろうかと思いまして。」



「日記?『バドゥ』がそのようなものを残していたのか?」


 驚いた!陛下が親父の名前を呼ばれた。


「父の上官の従卒であった男が、だいぶ近年になって俺のところに。

 父から『母に言付けられた』と持って参りました。」


「ほお。」


「軍の内容が外に出るような表記はありませんでした。」



「何が書かれておった?」


「父の家と父の親の悪口?と。


 ほとんどが、母への想いが綴ってありまして。


 俺には、なんと言うか……。


 親の‘秘め事’?をうっかり覗いてしまったような、

 気まずさで。


 てっきり、出来の悪い息子の悪口でも書いてあると思いましたのに。」


「ふむ。」


「俺の事は『あれはきっと何とかやって行くだろう。』

 妹の事は『幸運を祈りたい。』

 だけで。


 なんというか、父も親である前にひとりの“男”だったのだと。


 ‘父の日記’は俺には、持て余すものでした。

 もともと、父は‘母’にと託したものですから。」



「妹は、たぶん陛下が一番お嫌いになる性質の女です。

 俺も、正直‘妹’でなければ、

 大の苦手で近づきたくはないので。」


「ほおお、どのように?」


「物凄く、女臭い女といいますか。

 もし母の公国の隆盛な時代に、あそこへ妹が産まれたのでしたら、

 母とは違い、公国の有用な‘駒’になりましたでしょう。


 そういう妹には、父の残した母への想いが“形見”にもなるかと思いまして。」



 いきなり、陛下が弾けたように笑い出された。


 あれぇ、どこがそんなに笑いのツボに(はま)まられたんだろう?



「血縁のせいであろうか。

 やはり、似ているところがあるのかも知れぬ。」



「似ている?血縁?

 妹と俺がですか?

 ひとつも、似ていないですよ?」


「違う。

 私とお前の‘父’だ。」


 それ以上は、陛下は何もおっしゃらなかった。


 親父と陛下?


 どういう意味で仰っているんだろう?


 余りに違う人生に共通点などあるのだろうか?



「サリュー、今朝はやけにお前は“そそる”な。

 自分で自覚をしているのか?


 私を誘っているのか?」



 痛くはない方右の腕を引かれて、

 陛下の上にうっかり腰を下ろす格好になってしまった。


 ふらふら酸欠金魚の口パクパク状態の後に、

 今度は夕食までまた“このような事”を陛下とご一緒にしてしまった。

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