2話
結局フーによって戻るよう促された十也は渋々少し遅れたが教室に戻った。
教室に戻ると既に授業が始まっており、入ってきた十也を先生は少し見たが「まあセーフとしよう。座っていいよ。」と一言だけ言った。
2時間目は魔法学の授業。この世界ならではである。高校に入ってからは初めての魔法学であるので今日は基礎の基礎の説明のようである。
女の先生は自己紹介を済ませているようで、十也が入って来た頃にはもう魔法学の話をしていた。
「皆さんも知っているように魔法というのは十種あります。火、水、風、氷、電気、念動力、筋肉、飛行、鋼、毒。それぞれの力は個人の力に大きく左右され、同じ能力を持っていても使う人が違えば全く違う形に能力が発動できます。」
基本的な説明をした後、先生は自分の右手を前に出して上から降って来るものを受け止めるような手の形をした。するとその後にボッと先生は手の上に火の玉を作り出した。
「このように先生は火の魔法を持っていますが、私はこのようにボール型にすることが得意です。」
「先生火なんだー。」「火の玉かっけー」など周りの生徒たちは口々に感想を言う。モブの反応。
先生は自分の右手をサッと握るような動作をするように火の玉を消した。
そしてクラスの名簿をゆっくりと下に目線をずらして言った。一瞬「ん?」と目を止めたが先生はすぐに渡辺という生徒を当てた。
「渡辺くんも火の魔法を使えるみたいだね。ちょっとだけ見せてくれる?」
先生に呼ばれた渡辺君は前に出て教卓の前に立ち自分の魔法をクラスメイトに見せた。
「えっと。僕はこのように火をまとった拳を作ることが得意です。危ないからあんまり使うことないけどね。へへへ」
と腕をまくしあげた渡辺君の右腕は、燃えていた。
「おー火の拳じゃん!」「男のロマン!」男どもは盛り上がり、「暴力はダメだよ!」「やだー」と女子は怯えていた。
渡辺君は席に戻り再び先生が教卓の前に立つ。
「このように人によって様々。同じ種類でも出し方は大きく異なるのです。」
と、先生が締めくくった後もう一度名簿を見返す。
先生は先ほど「ん?」と止まった目線でもう一度止まりその止まった生徒の名前を呼んだ。
「獅子野くん?君の名簿には...全って書いてあるけど...もしかして...」
先生は座席表を見ながら十也を探す。
あった。と先生は十也を見つけるがその十也は...
ものすごく不機嫌そうな顔をしていた。
「先生!獅子野君はオールラウンダーみたいです!でもあの子全然魔法を見せてくれないんですよ!」
女子1が先生に向かって言う。
「そーなの。なんでなの?てか入学式から教室に来てる子全員獅子野君に興味持ってるのに本人はスルーなんです。」
「感じ悪いよねー。」
女子2女子3も口々に言いしまいにはクラス全員が十也を見ながら十也のことを言うようになった。
(人の気も知らないで...俺のことを言いたい放題...あーーーーもーーーー!!!)
「うるせぇ!!お前らな...」
と言いかけた瞬間に
ドーーーン!!!!
ものすごい爆音が今いる教室の奥の方から聞こえた。
(なんなんだ!?)
十也が思っていると先ほどの女子2が廊下の窓の奥を指差して
「何!?あれ!!!」と叫んだ。
全員が廊下に出てグラウンドを見た。すると...
(あれは...魔獣!?)




