第四十五話「3人の誓い」
夏休みがどんどん過ぎていき気がつけば8月中旬になっていた。まだ一度も蒼からの連絡はない。今日は、綾音から話したいことがあると連絡を受けた小町は、部活が終わり私服に着替えてから夜の7時を少し過ぎてからカフェに訪れた。
「こんばんわ。あ、相川さんも」
「霧山さん。ヤッホー」
カウンター席に望海が先に座っていた。その右隣に座る。
「お、来たね」
「西沢さん。こんばんわ」
接客をしていた綾音が小町が来たことに気がつき、望海と小町の元に来て小町の右隣に座る。
「やっぱりドレス姿似合いますね」
「蒼がいなくなってから久々に着たんだ~」
「それで呼び出して話って何?」
「あれ、相川さんもなんですか?」
「うん」
二人は、綾音を見る。
「蒼がいなくなって一人で考えたの、このままじゃ駄目って。次帰ってくるとき蒼は、とてつもなく凄い奴になってるはず、だから」
「下ばっか向かないで前を見ようって?」
「そう。何もしないでずっとこのままじゃなく何かをしようって」
「何かって何です?」
「……私。これからコンクールに出よう思う」
その言葉に二人は、驚くと同時に目が点になる。
「う、ん?西沢先輩。もう一度いいですか?」
「コンクールに出る。とにかくたくさん。小さなコンクールからでいい。蒼との差を広げないためにも」
綾音の決心を聴いた二人は。
「じゃ、私も出る」
望海が言った。
「これから先私も死ぬ気で頑張る。だから、ここに来るのも蒼君が帰って来てからにする」
「相川先輩」
「そんなに寂しい顔するなするな!霧山さんも自分の事に集中しな!テニスで大物になりな」
「私は、ピアニストに相川さんは、ヴァイオリニスト。そして、霧山さんは、プロのテニスプレイヤー!」
席を立った綾音は、手を差し出す。望海も立ち上がり綾音の手の甲に自分の手を重ねる。小町もそれに続く。
「私たちは、上を目指す!」
「有名になる!」
「諦めないその言葉を心に刻む!」
少し間を開けて。
「「「おぉ~!!!」」」
三人の将来を誓い合う掛け声が店内に響いた。




