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第三十五話「心配なの」


翌日の朝。

「……う~。朝かぁ」

カーテンの隙間から差し込む、日差しで目が覚めてベットから起き上がり一階に向かう途中。

「あれ?なんだか周りが……」

蒼は、頭を抱えながら倒れた。


一時間目が終わり綾音は、蒼の教室に訪れた。が、蒼の姿がどこにもない。気になって教室にいた友達に聞いた。

「ねぇ。入山君は?」

「あ、綾音!入山君?今日来てないよ?」

「え、なんで?」

「分かんない。先生連絡したけど出ないんだって」

「……そうなんだ」

「旦那がいなくて寂しい?」

「だ、旦那!?ちょっとやめてよぉ」

頬を赤らめて一生懸命否定する綾音。それに笑いが止まらない友達は、さらにからかうのであった。


その放課後。綾音は、帰ろうとしていた望海を廊下で引きとめた。

「相川さん」

「あれ、西沢さん何?」

「相川さんって蒼の家知ってる?」

「うん。知ってるけど」

「教えてくれる?」

望海は、何かを感ずいたのか声のトーンを少し落とす。

「どうしてかな?」

「今日蒼が学校に来てないの気がついた?」

「そういえば、見てないな」

「先生が家に連絡したみたいなんだけど、繋がらないみたいでそれで家に行ってみたくて」

「……なるほど。分かった。じゃ、私も行く」

「えっ、一人でいいよ」

「こんな話聞いて西沢さん一人で行かせるわけないでしょ」

「なっ!ん~。しょうがない急いでいきましょ」


バスを使って蒼の家に到着した綾音と望海。インターホンを鳴らすが応答がない。望海がなんとなく玄関に手をかけると、簡単に開いてしまった。二人は、お互いに頷いて中に入る。静まり返っている。誰もいないのかと錯覚するが、足元を見ると蒼の靴がある。

「蒼~。いる?」

「蒼君?」

呼んでみるが返事はない。靴を脱ぐ。

「蒼君の部屋二階だから行ってみよう」

「うん」

階段を上るそして、上を見ると階段の手前で蒼が倒れていた。慌てて駆け上がりうつ伏せの蒼を仰向けにする。

「蒼!蒼!」

「……うっ。綾音?」

綾音の呼びかけに苦しそうに応えた。額を触るととても熱く熱だとすぐに分かった。

「私薬買って来るね!」

「お願い相川さん!」

望海は、薬を買いに家を出た。

「蒼立てる?」

依然苦しそうにしている蒼は、綾音の力を借りながら立ち上がり自分の部屋に戻る。

「わっ!!」

ベットの横に来ると力なくベットに倒れこみ、綾音も一緒に横になってしまった。慌てて離れようとするが蒼は、綾音の左腕をガッチリとホールド。離れることができない。

「ちょっと蒼!……あれ蒼?」

蒼は、眠ってしまっていた。二人の顔の距離は、推定20㎝ととても近い。綾音の心臓がどんどん早く脈を打つ。

「……音。……綾音」

「えっ?」

寝言で綾音の名前を呼んでいる。綾音は、少し微笑んで空いている右腕で優しく蒼の身体を抱きしめた。

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