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第十九話「休日のこと」

休日の土曜日を利用して蒼は、電車に乗って大手の家電量販店に向かっていた。これからカフェFreeでピアノを演奏することになったので、家でも出来るように電子ピアノを購入することに決めた。この間の演奏終了後、マスターにこれからも演奏してもいいか聞いてみたところ、大喜びしていた。時々演奏したい時に来ていいと言っていたが綾音は、ここでバイトしたらと。さすがにそれは、ヤダ。そもそもバイトが苦手だ。


電車に揺られること約1時間。電車を降りて歩いてすぐのとこにある家電量販店に入店する。エスカレーターで4階に移動して店内を見て回ると、音楽コーナーが見えてきた。目的の電子ピアノの他にギター、サックス、フルートなどがズラッと並んでいる。蒼は、色んなピアノを見たり音色を確かめるかのように鍵盤を叩く。そんなことをしていると2時間経過してしまった。あれこれ確かめて蒼は、持ち運べて三脚付きで外でも演奏できるのを選んだ。値段は、約5万円。多めに持ってきておいて良かったと思った。


購入した電子ピアノは、明日届くように配達を頼んだ。時刻は、午後の3時。これからどうしようか考える。が、特に行きたい場所がないので帰ることにした。電車に乗り込んで席に座り目を瞑って眠りにつく。次に目が覚めたのは、丁度降りる駅手前だった。電車が到着して降りて駅を出たところだった。

 視界に入ってきたのは、蒼が通っている学校の制服を着た女の子が地面に四つん這いになっていた。何かを探しているみたいだ。同じ学校に通っている子を無視できず蒼は、迷わず声をかけることにした。

「あの~」

その女の子は、ピタッと止まり見上げる。

「な、何してるんですか?」

「え、あ、コンタクト落ちちゃって」

「一緒に探しますよ」

「あ、ありがとうございます」

蒼も一緒に地面に四つん這いになって探してあげることに。彼女の私物であろう荷物。その形は、テニスラケットが入るようになっていたので彼女は、テニス部なんだろうとすぐに思った。


探し始めて30分が過ぎた時だった。

「あった!」

蒼が見つけた。コンタクトレンズを彼女に渡す。立ち上がる二人。

「助かりました!本当にありがとうございます!」

何度も何度も頭をペコペコと下げる。

「いえいえ、同じ学校に通っている人を無視できなかっただけだから」

「え!同じ学校なんですか!?」

「僕は、二年三組入山蒼」

「あ、私は!一年三組の霧山(きりやま) 小町(こまち)です」

「一年生なんだ。テニス部?」

「はい!今年からテニス始めてまだまだですが」

「テニス頑張って」

そう言って立ち去る蒼。

「入山先輩!ありがとうございました」

蒼は、微笑んで手を振って帰宅するのであった。

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