◆十四章までの登場人物について
十四章までに登場したキャラクターの簡単な概要です。
《主要登場人物》
○ヴェルナー=ライトロウ
年齢:二十二歳(推定)
オルセン帝国軍軍人。階級は中尉。グリアモの駐屯兵団員。
帝都の貧民街の出身で、幼い頃は路上で生活していた程の貧困者だった。約十歳の頃サイフォス=ライトロウに出会い、名前と生きる知識を授かる。
長身の三白眼で初対面の人間に怖がられる事が多いが、基本的に面倒見の良いお人よし。貴族が苦手で、身分階級を振りかざす者を嫌っている。
【余談・裏設定】
・ストリートチルドレン時代に食料に困窮していたせいか、食に関しては非常に煩く結構グルメです。ただしもったいない精神の方が強いので、まずかろうが多少痛んでようがなんでも食べます。本人いわく「泥と吐瀉物がかかってなければ、大抵の物は食える」とのこと。
・意外と頭脳派です。行動するよりまず考えるタイプです。でも考えてもどうにもならない時は無茶をしてでも行動に移してしまいます。
○アイリ=フォン=クレベルト=ジュンア
年齢:二十二歳
オルセン帝国軍軍人。階級は中尉。近衛師団員。
軍貴族ジュンア家の長女。正真正銘の貴族のお嬢様だが、根が勝気で好奇心旺盛なため、慎ましやかな言動が苦手なじゃじゃ馬。
軍人貴族としての誇りを持っており、常に周りの期待に応えようと奮闘するが空回りしがち。ヴェルナーに対し名誉主席の座を奪われた事と、近衛師団の席を譲られた事を恨みに思っていたが現在は和解。
幼い頃決められた婚約者ビルト=ライムがいるが、あまり好ましく思っていない。
【余談・裏設定】
・ヴェルナーとは反対にかなりの行動派、というより脳筋タイプ。でも結局無茶をしてでも行動に移そうとするところは案外似た者同士なのかもしれません。
・この世界では、コーヒーと紅茶が一般的な飲み物として普及していますが、アイリは根っからの紅茶党です。
○カテラ=フォン=ジュンア(旧姓:フィリス=クレベルト)
年齢:四十六歳
アイリの母親。元オルセン帝国軍軍人で、衛生兵団団長を務めた人物。
治癒系の記述術の使い手で、治療に使用する「記述」は懐の小箱にいつも携帯している。
非常におっとりしていて天然な所があるが、いざというときには冷静で的確な判断を下す。怒らせると笑いながら責め句を述べるのでかなり怖い。
【余談・裏設定】
・夫シーザとは政略結婚ですが、仲睦まじい夫婦だったようです。ちなみに年の差は十歳(シーザの方が上)
・娘アイリに対しては、ある事情によりかなり過保護なところがあります。また娘には好きな事をさせたいと思っており、その結果アイリは奔放に育ちました。
○バズ=グロック
年齢:十八歳
グリアモの民兵組織『バルドグロック』の副将にして次期当主。当主バルド=グロックの養子。十年前に森で行き倒れていたところをバルドに拾われた。
身の丈ほどの大槍と左目のごつい眼帯がトレードマーク。
普段は、明るい溌剌とした少年で、喧嘩や勝負事が大好きだが、戦争に極度の恐怖心を抱いている。
【余談・裏設定】
・槍と書いてあるが実は薙刀に近いもの。これはバルドから教わった薙刀術でオルセン帝国には元々無いもの。詳細はバルドの項目で。
・動かしやすい、殴りやすい(笑)ので筆者のお気に入り
・バズという名の由来について
基本登場人物は語感で決めたり人名事典から適当にというのが多いですが、バズにはきちんとした由来があります。
一つは槍を持ってすばしっこく動き回るので、そこから「蜂」という意味の「buzz」。
もう一つの意味はいずれ本編にて。
○レイン
年齢:十六歳
踊り子をしながら世界を旅する少女。
褐色の肌、長い黒髪に青い瞳。露出の多い服が好き。
何事にもポジティブシンキング。自由奔放で隙が多く、かなりのドジ。
オルセン帝国から西方にあるジスラムという異国の出身。故郷で意図せず村人を大量に殺害してしまった事から、放浪の旅に出る。
「記述」が見えるらしく、幼い頃から「アイノナ」という鳥の姿に似た生きた「記述」を連れて歩いているらしいが……。
【余談・裏設定】
・ベリーダンサーの様な妖艶なイメージで書いています。無自覚に男を振り回す感じの小悪魔。まあ、引っかかっているのは主にバズですが。
・かなり薄幸です。でもめげないのが彼女のいいところ。
・ジスラムの彼女の民族地域では、苗字がありません。なので彼女の名もただ「レイン」です。
○マルス=パヴコヴィック
年齢:実年齢…五十八歳、外見年齢…十六歳
シュトラウツァ記述術研究所所長。「記述術の権威」「現代記述術の父」とも呼ばれる、記述術のスペシャリスト。水を使った記述術が得意。
少年の外見に老獪な口調で話す独特の雰囲気の持ち主。
実年齢は高齢だが若い頃、イザイアに成長と老化を逆行させる記述術をかけられ、年々若返っていった。そのためイザイアを酷く憎んでいる。
離れた土地に妻と娘がいるらしいが、もう何十年もあっていないらしい。
【余談・裏設定】
・パヴコヴィックの年齢計算について
パヴコヴィックが呪いに掛けられたのは、三十七歳(二十一年前)の頃。よって、
実年齢:37+21=58
外見年齢:37-21=16
となります。
○イアーナ=シュネイ
年齢:十九歳
メリノ出身の考古学者。現在は統括議長代理も請け負っている。
好奇心旺盛で、研究の事になると人が変わる。また社交的ですぐ人と仲良くなる。度胸があり肝が据わっている。
精神が幼児化した兄を献身的に世話しているが、姉として慕われている事に複雑な思いを抱えている。
【余談・裏設定】
・研究者の父に憧れて記述術の研究を始めました。最初は父と同じ医学の道に進もうとしましたが、偶然参加した考古記述の講義でその魅力に惹かれ、程なくして考古学の分野に足を踏み入れました。
・幼い頃は身体があまり強くなく、よく発熱や発作を起こしていました。が、ある時を境にピタリと止まりました。
○カインツァベル=シュネイ
年齢:三十一歳
メリノ統括議長。現在は妹のイアーナと秘書官のオズワルドにその任を任せている。
五年前、とある事故から脳を損傷し、記憶と知能を失った。現在その知能は五歳であり、彼自身も子供の様に振舞っている。
【余談・裏設定】
・議長代理に仕事を任せるとありますが、正確には議会運営は副議長に任せ、その決定権を議長代理に一任するという事です。すなわち、実際に政務をこなしているのは副議長、形式的な任命と許諾を議長代理であるイアーナとオズワルドが行っているというわけです。
ちなみに副議長もシュネイ家の親戚なので家族ぐるみで、カインのサポートをしているという感じ。
議員の中にはカインの支持者もいれば、早く新議長を立てるべきだという者もいて賛否両論。
《軍関係者》
『軍本部、帝都勤務』
○ジョン=バティスト
年齢:六十一歳
階級:オルセン軍総帥
オルセン軍を束ねる最高司令官。軍部の実権はほぼ彼が握っている。
○アーロン=ドメルト
年齢:四十歳
階級:少将
第一連隊隊長。正義感の強い、オルセン軍人の規範とも呼ぶべき男。
連隊長の中では若い部類に入る。
○ティルム=ハッカライネン
年齢:五十二歳
階級:少将
第三連隊隊長。南方領の出身で、独特の南部訛りで話す。
軍人らしからぬ体型に軽薄な言動で、周囲を煙に巻くが実力は確か。
良くも悪くも合理主義者。
○ライリー=ハルトマン
年齢:四十八歳
階級:少将
第五連隊隊長。現在は携わっていないが、トランベル軍事学校校長を兼任していた。少年時代のヴェルナーに出会い、彼を軍学校に勧誘する。
面倒な事が苦手で周りにばれないよう手を抜くのが上手い。世渡り上手。
○ビルト=ライム
年齢:二十八歳
階級:大尉
トランベル本部特務指令執行部兵。アイリの婚約者。
軍人貴族の型に嵌めた様な、独善的で不遜な男。平民出身の軍人を見下しており、特にヴェルナーに対しては相当な嫌悪を抱いている。
○ソラト=ヴィキア
年齢:二十二歳
階級:中尉
近衛師団団員。アイリの親友。現在は謎の病によりふせっている。
『地方の駐屯兵団』
○ローラント=セルシム
年齢:三十三歳
階級:少佐
グリアモ駐屯兵団団長。ヴェルナーの直属の上官。
ざっくばらんで面倒見は良い。
○ギルバート=ペイン
年齢:二十二歳
階級:中尉
ヨド駐屯兵団員。ヴェルナーの学友。教官の目を盗んでは馬鹿をやった手癖の悪い性格。商店の息子で平民出身。
○ディラン=ノルキース
年齢:四十八歳
階級:大佐
シュトラウツァ駐屯兵団団長。ハルトマンの旧友。
貴族出身のエリートの様だが、何故かシュトラウツァの僻地で勤務している。
○ジム=アークランド
年齢:二十歳
階級:伍長
シュトラウツァ駐屯兵団員。まだ若く落ち着きが無い。よく失言をする。
○マリア=カリアス
年齢:二十二歳
階級:中尉
シュトラウツァ駐屯兵団員。クールな女性で、上官のノルキースに絶対の忠誠を誓っている。
《その他の勢力》
『バルドグロック』
グリアモに結成された自警民兵組織。構成員はグリアモの市民、当主はバルド=グロックの名を名乗り、後継者と見染めた者を養子として迎え入れる掟がある。母体は帝国創世期の混乱期に生まれたとされ、それから代々当主を配し組織を治めている。現在の当主は十二代目。
○バルド=グロック
年齢:三十八歳
『バルドグロック』を統括する女性当主。バズの養母。
常に男物の衣服を纏い、対峙する相手に畏怖を与える威厳ある風格の持ち主。
【裏設定】
・実は元々オルセン人ではなく、遠い異国の地から来た人間。冒険好きのおてんばな娘で、放浪の旅をしていた際に先代のバルド=グロックに出会い、養子となる。薙刀術は彼女の国の武術。
・十二代目バルド=グロックで、史上初の女性当主である。
『オルド海港商』
現在オルセン帝国で絶大なシェアを誇る貿易会社。特に武器売買にたけており、オルセン軍からの信頼も厚く顔が利く。
○マーク=オルド
年齢:五十四歳
オルド海港商の現社長。一代で富を築いた富豪。
抑揚のない表情と声で、何を考えているかわかりづらいが、非常に家族思いの一面もある。
フーベルト=シュネイとは古い友人であり、その子供であるカインとイアーナも我が子の様に可愛がっている。
○ジャスティン=オルド
年齢:二十七歳
マーク=オルドの一人息子で、オルド海港商のバイヤー。跡取り息子。
父とは打って変わって粗暴な性格で、各地で問題を起こしては金と父の名声で免罪にしてもらっているドラ息子。
グリアモでヴェルナーに嵌められたため、ヴェルナーを憎んでいる。
『謎の勢力』
ヴェルナーの旅の道中に登場した謎の人物たち。軍事顧問としてオルセン軍に加担している者もいる。
○イザイア
長い髪に裾の長いローブを纏った風変りな男。軍事顧問を名乗っており、ヨドでライムと共に、アイリ・カテラの捕縛に尽力した。
常に分厚い本を持ち歩いている。
○ランドルフ
シュトラウツァでヴェルナーが遭遇した巨漢の男。軍事顧問を名乗っていた。
非常に好戦的で短気。馬鹿にされたり蔑ろにされたりする事が大嫌い。何故かサイフォスを知っていた。
物質の破壊と浮遊を駆使した記述術を使う。
○リーシャ
イザイアとランドルフと行動を共にする謎の少女。
外見は幼いが、その言動や雰囲気は妙に大人びている。
オルセンとイシルの両方で暗躍しているそぶりを見せる。
『その他』
○オズワルド
年齢:六十三歳
シュネイ家の執事長兼カインツァベルの秘書官。
現在は、カインの議長代理の仕事も兼任している。
長年シュネイ家に仕えており、カインとイアーナの事も幼い頃から面倒を見てきた。
《故人・行方不明者》
○シーザ=フォン=ジュンア
享年:四十一歳
オルセン軍准将。最終階級は中将。元第一連隊長。
カテラの夫であり、アイリの父親。
十五年前の第二次イシル独立戦争にてメテルリオンで死亡。
ところが、彼と思しき人物がジュンアの屋敷を尋ね、カテラに自身のペンダントを託したという。そして、メテルリオンを目指せと告げた。
○フーベルト=シュネイ
享年:四十歳
メリノの医学系記述術の研究者。
十五年前の第二次イシル独立戦争にて、シーザと共にメテルリオンヘと向かい死亡した。
シーザとは友人で、何らかの実験に協力してもらおうとしたらしいが……。
○サイフォス=ライトロウ
年齢:不詳
幼いヴェルナーを助けた恩師。
軍人であったらしいが、軍籍に一切の名前が無い。
ヴェルナーの記憶では、明るく豪胆な人で、ヴェルナーに強い男になれと諭した。
【余談・裏設定】
・彼がこの物語のキーマンとなります。詳しい事はこれから徐々に明らかになる予定です。
それにしても、おっさんの多さに自分でも引いたよ。




