特定
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51、スキル打ち消しは継続的に
「何、目合わしてんだよ!」
「観察してたらアイツがこっち向いてきたんですー!」
「2人とも!後ろみて!」
「「げっ」」
わたしとボスが目を合わせたことによって始まった戦闘。
今のところ、機動力が低い人を後衛に下げて戦っている。
そんな中で、あることに気づいた。
多分コイツ近接攻撃手段無いわ。
さっきからずっと風の刃を飛ばしてくるのみ。
つーかコイツはスキルの詠唱無しなの?
ノーモーションは厳しいって。
「…やるな。侵入者ども」
「あ、はい。どうも『かごめ』」
直近で手に入れたスキルを使ってみる。
唱えると、ボスの周りに檻のようなものが出現し、ボスを捕らえた。
「っしゃきたー!『炎の化身』!エルド『身を焦がす爆炎』!」
多分だけど、並大抵の風じゃあ炎は煽られて強くなるはず!
と期待したものの、やっぱりコイツはボス。
当然のように風で身を覆って防ぎやがった。
ガチでふざけんなって。
しかし『かごめ』は発動しっぱなし。
「『想造』即死は多分効かないから、即死しない程度の毒よ。少ないけれど思いっきりぶっかけて」
「りょうかーい」
「その毒、コピーしとくね『幻影』『具現化』」
「2倍になった」
どうやら、毒には耐性が無いらしい。
ものすごい勢いでHPが減っていく。
このゲームには、状態異常の『毒』とは別に『猛毒』や『致死毒』が存在する。
ライムが作ったのは『猛毒』。
『猛毒』は10秒にHPの20分の1が削れる+動くたびに追加ダメージ。
ちなみに、ユアトの『猛毒の花弁』は猛毒、とつくが『致死毒』。
『致死毒』とは即死。
「あと少しでいけます!」
敵の残りHPが100を切ったのに気がついてロナリアが声を上げる。
それを聞き、剣を振り上げた。
52、ヒューズ
「…うっそお」
みんなが勝利を確信した瞬間、ボスはしっかり攻撃を弾いて毒を消し去った。
なんなら『かごめ』ですらも消し去り、HPを半分まで回復させた。
なんか最近こういう系統増えたね!?
これはメンテのせいかな!?
「もう1回立て直すよ!『かごめ』!」
「『想造』はい、もう1回」
「あいよー」
スキルを打ち消して回復までした時は、やるなと思ったけど常に打ち消せないようなら意味は無い。
結局は『かごめ』の餌食だ。
「フルボッコにしろー!」
運営が頑張ってプログラムした強敵は、この最狂ギルドに滅ぼされてしまった。
「…お前らは強いな。『浮遊古城』への侵入を許可する」
「よし!」
「それと…そこのお前はハクアに会っているな?」
「え、知り合い?」
もしかしてコイツ神様?
味方なる?
そしたらさっきの風魔法とか役に立ちそうだけど。
「ああ。俺の妹だ。ハクアが世話になっている」
「え、味方なる?」
「俺を従えてくれると嬉しい。お前は強いからだ」
さっきから強い強いうるさいな。
神様は強いこと以外に興味は無いのか。
ま、わたしは強いけど!
『神々を従える者』内包スキル『ヒューズ』
概要 『ヒューズ』を呼び出すことができる。
ちょっと待った。
内包スキル扱いはシステムとはいえ酷すぎるって。
つーか名前ヒューズか。
ヒューヒューしてて風みたいだな。
53、ようやく地下から抜け出せる!
「で?何ちゃっかり神様を味方に引き入れているのかしら?」
「ハーイ」
「ハーイ、じゃねーんだよ。何だよハーイって」
「いや、こういう時って何でいえばいいのか分かんないじゃん?」
残りの地下通路を歩きながら尋問され中。
いや、ハクアのはあっちが寄ってきたんだよ。
扉ぶち破ったのはわたしだけど。
…いや、ハティーだけど。
指示犯わたしの実行犯ハティーだけど。
でもさあ!
ヒューズは範囲外からの攻撃よ!?
頭の中でブツブツ呟きながらも足を交互に動かし続ける。
「あ」
「逃げんな」
「今度こそ出口…!」
薄暗すぎて目がおかしくなってきそうだった頃。
ちょうど、奥の方から光が。
流石に2連戦は無いでしょ。
と思って、タッと駆け出す。
「ビンゴだよ」
上には大きな穴が。
下には魔法陣らしき物。
これに乗ればワープできる、ってこと!
「早くー!」
「極振り組にはキツイ」
ユアトは速いけどね。
ほら、もう風がわたしの頬を撫でる。
イコール、ユアトは通り過ぎてる。
「ユアトー!魔法陣にはまだ触らないでねー!」
「わかってます!」
いつだったかのレベリングで止まれずに巨木に激突したこと覚えてるからな?
VITが0だったからゲームオーバーになったのも覚えてるからな?
54、庭
「やぁーっと外出られたー!」
魔法陣の上に乗ると『浮遊古城』の壁を超え、正門前にワープする。
ここの中探索する予定でいたんだけど、なんか地下通路だけでめちゃくちゃ時間食った。
「さて、ようやくですね」
「うん」
「行くよー」
「あ、ちょっと待って。その前に庭の探索」
正門前にワープってことはその後ろに何かある可能性大アリ!
どんな些細な物も見落とさない!
「その気持ちはわかりますけど、蟻1匹をガン見するのはどうかと思います」
「正直言って変人」
「いいの!わたしは全てを見つけるの!」
「それは無理だろ」
にしても、庭綺麗だなー。
道は灰色のアスファルト。
周りは緑の芝生で、ところどころに木が生えている。
広場のようなところには噴水も。
ここまで凝ってるのは大人気ゲームだからか、それとも何かあるからか。
「庭に敵は出ないんですね」
「出来れば出て欲しいけどなー」
「そんなことを言えるのは多分ギルマスだけです」
「えー、そうかなぁ」
ちなみにこちらは推奨レベル150。
ライム、リデル、スコットはクリアしている。
わたしはギリギリアウトなんだよなぁ。
「…何にも無くね?」
「それな」
あとちょっとで1周回り終えるんだけど、気になるものは何も無く。
まさか何も無い…?
しかし、そんなことも無かった。
「あからさまに怪しいところみーっけ!」
城壁に岩が詰め込まれている。
壊してください、とでも言ってるのか並に目立ちすぎている。
「『召喚』ハティー『猛突進』!…あれ」
壊れるどころか、亀裂すら入らない。
「『猛突進』『猛突進』『猛突進』!」
何回やってもダメっぽい。
まだ攻略できないのかなぁ。
ハティーなら何とかできると思ったのに…
「諦めてまた今度来ましょう」
「…はーい」
仕方なく、そこを後にした。
55、ついに特定と
「山本さん、これもお願い」
「はい」
ここは管理室。
山本と呼ばれた私は、流れてくる仕事を必死に処理していた。
何でも、リセットバグの2人目の被害者が分かっていないらしい。
そんなことで押し付けられても困るんだけどな。
そんなことを思いながら、今もモニターに向き合う。
バンッ!
「わっ!」
急に誰かがデスクを叩き、振動が伝わってくる。
1つのデスクに10人座ってるんだから、叩いたり揺らすのは勘弁してよ…
チラリと、叩いた本人、岸田を見る。
岸田は頬を赤く紅潮させて肩で息をしていた。
「見つけた!見つけたぞ!」
「えっ」
「リセットバグの2人目の被害者!」
「誰なんだ!?」
みんなが一斉に岸田のモニターの方へ群がった。
そこに映し出されていたのは…
「ルラ!?」
「何でだ!?」
「…そういえば、消えた1位もプレイヤーネームはルラだったね」
「まさかアイツが…!」
ルラのことはよく聞いている。
あの最狂ギルド『混沌ルーラー』の設立者であり、最狂。
まさかあの子が…
「山本さん、仕事を変更。彼女にお詫びのメッセージとスキルと装備とステータスを」
「はい!」
高速でキーボードを叩き、入力していく。
出来上がった文章を見直し、送信した。
「…」
その様子を1人、覗いている影がいた。
save 11
ネーム ルラ
レベル 144
職業 ナイト
武器 白雪の剣
頭 流星の髪飾り
服 純白の大天使
靴 羽の靴
アクセサリー 一匹狼『召喚』
盾 ホワイトパール
STR 200(+80)
VIT 100(+100)
INT 20
MND 30
AGI 125(+45)
DEX 20
LUK 20
スキル
『チャージ』『受け流し』『身躱し』『斬撃波』『武器破壊』『急所狙い』『急所外し』『死神の宣告』『察知』『不意打ち』『峰打ち』『完全炎属性耐性』『炎の化身』『窮地の高揚』『爪痕』『独』『悪魔との契約』『貪食の闇』『確率上昇』『スライムボール』『軟弱化』『アンデット』『ネクロマンサー』『不可視の鎖』『屍』『飛翔天駆』『共同体』『憑依』『森の遺志』『チェンジ』『反転』『蒼電』『殲風』『時空の割れ目』『毒牙の蝶』『幻迷の霧』『紅蓮の吸血鬼』『かごめ』『神々を従える者』
ネーム ハティー
レベル 111
スキル
『爪痕』『独』『威嚇』『猛突進』『暴走』
ネーム エルド
レベル 109
スキル
『地獄の炎』『熱風』『身を焦がす爆炎』『ライジングサン』




