エンカウント
6、謎の遭遇
「あ。効果時間終わっちゃった」
『貪食の闇』の効果時間が終わり、地上は再び平穏を取り戻す…のは束の間。
「ふむふむ…しっかり効果出てますなぁ」
なんと『貪食の闇』で消費したMPの全てが『紅蓮の吸血鬼』と『魔法の花冠』で回復しているのだ。
つまり、ノータイムでまた打てる。
このまま敵が倒れ続けてくれれば、このイベント中ずっと打っていられるだろう。
しかし、絶対にいつかは寄ってこなくなる。
その時は、別の行動しないとね。
「『貪食の闇』!…あ。せっかくだし『悪魔との契約』」
まあ、これでまだ狩れるようなら狩っていくけれど。
『悪魔との契約』でAGIを上げて、より逃げられなくする。
これが1番楽だからいいんだけどなぁ。
そう思いながら、とりあえず思うままに進むルラだった。
「強い敵が、複数?」
反応したのは4回。
つまり、4人もいる。
自分たちより総合的に強い敵が、自分たちの人数よりも多く。
「っ、逃げよう!」
「遅いよ」
いつの間にか背後に立っていたのは女の子。
それも、とても小柄でおそらく同年代。
武器は持っておらず、身軽な格好。
しかし、異様なほどの殺気。
それはその少女からと。
…後ろから。
「『爆裂斬』」
後ろから跳んできたナイトの持っていた剣に、3人まとめて斬り裂かれる。
「!?」
「きゃっ」
「わっ!」
威力は上々。
ロナリアの回復も間に合わずに2撃目を繰り出され、光となった。
7、『れーずん愛好会』
その技を繰り出した男は、メンバーのいる方に振り返った。
「片付いた。行くぞ、テメェら」
「やっぱりライトって口悪りぃな」
「アルトもね?」
「黙れチビ助」
「ゲームに年齢は関係ありません!」
「まあまあ喧嘩しないで…」
彼らは『れーずん愛好会』。
毎回イベントでトップを取っている、凄腕ギルドだ。
しかし、1位を取れたことは無いそうで。
ちなみに、レーズンは好きではない。
ただ、個性を出したかっただけである。
「おかしいなぁ。ギルマスはわたしなんだけど…」
「ランキングは俺の方が上だ」
「そりゃあナイトだからすぐに上位は取れるだろ!オレは音楽で妨害するだけだぞ!?」
「ああ。お前の音楽は俺らにとってもかなりの妨害だからな」
「それは耳栓をすればいい問題でしょ」
「黙れチビ助」
「ライトまで言い出した」
実はこのギルド、ランカーが2名存在する。
まずは、リーダーであるトア。
ヒーラーでありながらランキングは10位。
そして、2番手であるライト。
彼はナイトで、ランキングは3位と、かなりの上位をキープしている。
尚、アルトは音楽による妨害担当。
その音楽を聞いた敵にデバフがかかる。
しかし、曲自体がうるさい。
本人は防音ヘッドホンをしているため無傷。
そして、ヨミ達に遅い、と話しかけた小柄な彼女はエリム。
職業はナックル。
ギルド最年少の12歳(中1)にして、ライトに次ぐ戦力。
「お、俺は今暫定で4位だ」
「そりゃあお前とエリムしか攻撃してねえからな」
「わたしはヒーラーだから攻撃は基本しないし…」
「このまま1位を取る!ついてこい!」
「だからギルマスはわたしだって…」
8、第2回撲滅作戦
イベント開始から1時間。
そろそろ『貪食の闇』の効果が薄くなってきた。
「うーん、AGIの低い人たち全員狩っちゃったかな。でもこれ無限リスポーンだよね?」
だとしたら、黒い円が近づいてきてると報告があったらすぐに逃げてるとか?
でも今のわたしスキル込みでAGI200あるんだけど…
「あ。効果切れた」
そこで『貪食の闇』の効果が切れる。
しかし、あまり倒せていないためMPは回復していない。
このまま続けても無駄なので『紅蓮の吸血鬼』を解除して下の森に降り『飛翔天駆』も解除する。
あー、地面の感覚が懐かしい。
と、ここで暫定ランキングをチェック。
…よしよし。
しっかりまだ1位。
しかも、2位との差は約350ポイント。
ここで油断すると負けてしまうので、また狩りに行こうと思う。
問題は何のスキルを使うか。
あ、そうだ!
「『森の遺志』プレイヤーを撲滅せよ!」
その呼びかけに呼応するように森が動く。
根が地中から飛び出し、幹はプレイヤーが通りかかると倒れ、葉は毒性を持つ。
やっぱり、使えるものは使わないと。
あ、これも貰ったよね。
「『枯葉』!」
確か、継続ダメージだっけ?
木の下に押しつぶされてる人は絶望的。
そのまま死ぬまでどうぞ。
わたしは隠れます。
「ねー、隠れ場所作ってー」
木の根に部屋のようなものを作ってもらい、そこに隠れてステータスを開く。
ポイントはどんどん増えていく。
あ、モンスターも潰されてる。
9、安全圏から眺めるのはクズらしい
「なあライト、ここの森おかしくないか?」
「ああ。誰かが森を操っている」
「そんなことできんのかよ」
「スキルじゃない?」
「黙れチビ助」
「それしか言えねぇのかジジイ共」
「エリム、めっ!あのお兄さんたちに侵食されるよ!」
「「おい」」
その頃『れーずん愛好会』も、ルラが操る森に来ていた。
根がプレイヤーとモンスターを攻撃し、上から無数に降ってくる葉は毒性。
しかも、葉は数秒置きに生えてくる。
どう考えてもおかしい。
そこで、ライトは誰かが操っていると判断。
「おそらくだが、操っているプレイヤーは木の上もしくは木の中にいる」
「木の上はわかる。木の中とは」
「根で囲んでもらって、安全圏へ避難している」
「クズじゃねえか」
「くしゅっ!」
アルトにクズ呼ばわりされたルラは、ライトの予想通り根の中にいる。
あれ、ゲーム内で風邪とかあったっけ。
誰かが噂したとか?
だとしたら何の噂だろう。
まあ、いっか。
「あー、ポイントがあんま増えなくなってきた。もう森の中に人いないのかなぁ」
フィールドは3割がこの森だ。
流石に、いないということは無いが、生き残っているのはリデルのような運がいい者か、レインのようなVITが高い者か、ルカやシホのように高火力な魔法が使えるか、ルラのようなプレイヤースキルで生き残っている者。
粘っても無理だろう。
『森の遺志』を解除して歩き出す。
「あー、あとイベント半分も残ってんのか。早く終わんないかなぁ。そしたら1位なのに」
そんな1人言を呟きながら、森を抜けようとしたルラに影が立ちはだかった。
10、対ライト
「お前か?この森を操っていたのは」
唐突にそう声をかけられ、足を止める。
いや、なぜ分かったし。
そんなに纏うオーラすごいかな?
「もし、はいと答えたら?」
「別にどうもしない。どっちにしろ倒す」
「なぜかわたしが倒されること前提」
…と思ったけど、コイツよく見たらライト?
ライトとは数回共闘したことがあって、めちゃくちゃプレイヤースキルが高い。
ま、タイマンの時はわたしが勝ってたけどね!
「お前は見たことのない顔だな?そんな、話題になったことのない奴がランキング3位の俺に勝てると思ったか?」
ライトは、数人を除いてタイマンに負けたことがないので自信過剰。
その数人とは、わたし、ソウ、そして2位のレオ、というプレイヤー。
この3人にはどうしても勝てず、なんか喚いてた記憶あり。
「ライト。あまり煽りすぎないで」
奥から登場したのは、ヒーラー。
あれ、もしかしてトア?
トアは、すごく頼りになるヒーラー。
なんと、即死にすら耐えられるスキル持ち!
「格下の奴を格下に見て何が悪い」
…マジで許さねぇ。
1位になったらミンチにしてやる。
「さっきの質問に答えるとそれはイエス」
「やっぱりか」
「ところでわたしもポイント欲しいんだよね?」
「お前がマイナスされるだけだがな!」
「さあ?それはどうかなっ!」
マジで負けたくない。
もうスキル使うか。
「『蒼電』『殲風』『毒牙の蝶』」
雷と風と蝶が大量発生。
召喚した瞬間、少し重くなるがまたすぐにいつもの挙動に戻る。
「へえ。見たことねぇスキルだ」
save 2
ネーム ルラ
レベル 132
職業 ナイト
武器 白雪の剣
頭 魔法の花冠
服 純白の大天使
靴 羽の靴
アクセサリー 一匹狼『召喚』
盾 ホワイトパール
STR 190(+80)
VIT 100(+100)
INT 20
MND 30
AGI 115(+15)
DEX 20
LUK 20
スキル
『チャージ』『受け流し』『身躱し』『斬撃波』『武器破壊』『急所狙い』『急所外し』『死神の宣告』『察知』『不意打ち』『峰打ち』『完全炎属性耐性』『炎の化身』『窮地の高揚』『爪痕』『独』『悪魔との契約』『貪食の闇』『確率上昇』『スライムボール』『軟弱化』『アンデット』『ネクロマンサー』『不可視の鎖』『屍』『飛翔天駆』『共同体』『憑依』『森の遺志』『チェンジ』『反転』『蒼電』『殲風』『時空の割れ目』『毒牙の蝶』『幻迷の霧』『紅蓮の吸血鬼』
ネーム ハティー
レベル 102
スキル
『爪痕』『独』『威嚇』『猛突進』『暴走』
ネーム エルド
レベル 100
スキル
『地獄の炎』『熱風』『身を焦がす爆炎』『ライジングサン』




