花冠とリセットバグ
累計ユニーク777!
ラッキーセブン!
96、インセクトハプニング
元気がいい子ね。
声は後ろから聞こえたけれど、あえて前から探す。
すぐに見つかったらかわいそうだから。
「ふふ、どこかしらね?」
葉を掻き分けて、花のないところまで出る。
ここら辺は木もあるけれど、流石に木の上にはいないわよね…?
無いとは思いつつも、一応木の上も見上げながら歩く。
…小鳥ならいるのだけど、姿が変わるなんてことも無いわよね…?
このゲームは相変わらず非現実。
ギルマスが普段から空を飛んだり狼をペットにしているのを見れば、そう思いたくもなる。
それにこれはクエストだから、もしかしたら…と思ったが、運営もそこまで鬼じゃないと考え直す。
カサカサカサ…
足元で音がする。
…もしかしてだけど。
恐る恐る下を見るとそこには。
「きゃあ!」
現実より遥かに大きいムカデが。
ここは木も花もたくさんある。
当然ながら虫もたくさんいる。
まだ一応余裕のある毒をばら撒くが、ムカデは毒を持っているため、効かない。
「こっ…のっ…!」
そのままインベントリにしまってあった銃を取り出してとにかく撃つ。
…ライムはとにかく虫が苦手だった。
リデルとは現実の家が近く、よく一緒に遊んでいたが、リデルがしょっちゅう虫を素手で持ち、見せてくるのが理由。
「はあ…やっと倒したわ」
数撃ちゃ当たるとはこのこと。
ようやくムカデを光に変えることができ、ほっと息をつく。
「…虫除けが必要ね。それも強力な。『想造』」
97、いない
即席手作りの虫除けを身に纏い、1方的に中断させていたかくれんぼを再開させる。
「…本当に見つからないわね…」
最後に声のした方に来たが、その子は全く見つからず。
行方不明になった。
そこで、ふと思い直す。
これはゲームのクエスト。
勝手に中断してもあの子は死ぬわけじゃ無いし、また再開できる。
よって、帰ってもいい?
少しかわいそうだけれどそう結論づけて、帰ろうとする、が。
「…忘れてたわ」
そういえば出れないからここまで来たのだった、と。
諦めて探索を再開する。
「どこに行ったのかしら」
どう考えても、子供が30秒で来れる距離ではない。
たとえ走ったとしても…だ。
ここは1回かくれんぼのスタート地点に戻ろう。
元来た道を引き返していく。
かなり歩いたわね。
きっとあの子も暇してるでしょうし、早く見つけないと。
…わたしが早く見つけたい、っていうのもあるけれど。
「ここが確か、かくれんぼのスタート地点」
2、3分かけて戻ってくるが、道中にはおらず。
本当に難易度の高いクエストね。
「お姉ちゃん、早く見つけてよ」
「!?」
どこからか、あの子の声が聞こえてくる。
見える範囲にはいない。
…どこにいるのかしら?
「ヒントはね、ずーっとお姉ちゃんの近くにいるよ!会う前から!」
ずっと、わたしの、近く?
会う前、から?
98、もしかして
もしかして、着いてきてる?
でもどうやって?
時々後ろも振り向きながら探索してきたけど、いなかった。
それに、会う前からって…
「どういうことよ…」
そこで、あの子に会った直後のことを思い出す。
別に変なところは無かったと思う。
そこからコマを進めて、かくれんぼ開始。
そこで、1つのことに気づいた。
「…え」
数えている時、風の吹く音、小鳥のさえずり、小動物の動く音なら聞こえた。
しかし、あの子の足音だけは聞こえなかった。
…もしかして。
「人間じゃ、ない…?」
これはゲーム。
あり得なくは無い。
ずっと近くにいる、人間じゃないかもしれない、このダンジョン。
そこから導き出される答えは。
「インベントリの、花…」
気づくと同時にインベントリを開く。
「当たりね」
すると、その中に1個だけ光って反応する花があった。
それは、あの子がかぶっていた花冠と同じ色の花。
鮮やかな赤の花だった。
それをインベントリから出し、手に取る。
「あーあ。見つかっちゃった」
ふと声がして、顔を上げる。
そこには、あの子『花冠の少女』が立っていた。
しかし、その少女の体は半分透けかかっていた。
99、『花編み』
「最期に遊んでくれてありがとう!お姉ちゃん、楽しかった!」
少女は完全に体が透け、光となって消えていった。
その少女がいた場所には、あの赤い花冠がポツンと置いてあった。
『吸魂の花冠』
概要 赤い花冠。
追加効果 かぶった者のHPを吸い、MPに換える。
「…あの子の遺してくれたものね」
ポン、と頭の上に乗せてみる。
ただ頭上に乗せるだけじゃ効果はないらしい。
「…まだ遺してくれてるの。優しい子ね」
『花編み』
概要 いくつかの花を使って編むことで、特殊な効果を持つ花冠を作ることができる。
取得条件 クエスト『花冠の少女』を達成する。
クエスト『花冠の少女』達成。
「着色料を取りに来ただけなのだけれど、随分と長居してしまったわね。帰らないと」
ダンジョンから出る選択もできるようになっている。
振り返って1礼したのち、ライトフォースへ帰っていった。
「おいアイツさぁ…」
「ね。何か笑える」
通行人の囁き声が聞こえて気づく。
「…花冠取るの忘れてたわ…」
100、ギリギリのメンテナンス
「おい急げ!まだこれとこれとこれと…なんならこれも終わってねえぞ!」
「あと2時間しかねえ!」
「そこのサボってるやつ!協力しろ!」
「は、はい!」
「これなんて読むんだ!?」
「お前は何故入社できた」
ここは管理室。
イベント5日前に大きすぎるバグが発見され、急遽ゲームを停止してメンテナンスを行うことになった。
その大きすぎるバグとは、大体全ゲームに存在するであろう増殖バグ。
これでMP回復アイテムを無限に増殖してる奴がいると通報が入ったのだ。
MP回復アイテムは増殖されるとゲームバランスが崩壊しかねない。
それに、ゲームは全員に楽しんで欲しい。
そんな思いでメンテナンスを開始したのだが、その休止時間もあと2時間。
そしてまだ終わっていない修正が4つ。
まさに猫の手も借りたいこの状況。
「なあ、もしこれ終わって暇あったら『混沌ルーラー』をとりあえず弱体化させようぜ」
「めちゃくちゃ賛成。せっかくだしルラの全スキル回数制限つけようぜ」
「そう思うなら働け!」
全作業員約150名が黙々と働いて約1時間。
未修正もあと1個になり、誰もが終わりが見えてきたと思ったその時。
大変なことが発覚した。
「…おい、どういうことだ」
「どうした?」
「大きなバグは1個だけじゃない」
「…そりゃあこれからも見つかるだろうよ」
「違う、今の時点である。被害に遭った奴もいる」
「…は?」
そのモニターの画面を全モニターに共有して、映し出す。
. .
「全データリセットバグ。既に 2人 が被害に遭っている。しかも…」
全員の顔を見回しながら続ける。
「誰かの手によって意図的に撒かれている。修正は今のところ不可だ」
save 20
ネーム ルラ
レベル 128
職業 ナイト
武器 白雪の剣
頭 流星の髪飾り
服 純白の大天使
靴 羽の靴
アクセサリー 一匹狼 『召喚』
盾 ホワイトパール
STR 170(+80)
VIT 100(+100)
INT 20
MND 30
AGI 105(+45)
DEX 20
LUK 20
スキル
『チャージ』『受け流し』『身躱し』『斬撃波』『武器破壊』『急所狙い』『急所外し』『死神の宣告』『察知』『不意打ち』『峰打ち』『完全炎属性耐性』『炎の化身』『窮地の高揚』『爪痕』『独』『悪魔との契約』『貪食の闇』『確率上昇』『スライムボール』『軟弱化』『アンデット』『ネクロマンサー』『不可視の鎖』『屍』『飛翔天駆』『共同体』『憑依』『森の遺志』『チェンジ』『反転』『蒼電』『殲風』『時空の割れ目』『毒牙の蝶』『幻迷の霧』『紅蓮の吸血鬼』
ネーム ハティー
レベル 98
スキル
『爪痕』『独』『威嚇』『猛突進』『暴走』
ネーム エルド
レベル 95
スキル
『地獄の炎』『熱風』『身を焦がす爆炎』『ライジングサン』




