非常事態発生
26、奇襲
そしてイベント開始から10時間経過時、特に何もしていないAチーム。
「…敵が見つからないね」
「うーん、エミリー見つからない?」
「あーもう!誰でもいいから出てこい!」
リデルがそう呟いた…いや、叫んだとき、影が差した。
なぜなら、既に上には巨大な隕石があったのだから。
「!?」
「…!エミリーが反応した!」
「おせーよ!」
その隕石はすぐ近くに落ち、直撃はしなかった。
が、爆風でダメージを食らい、ポーションを消費する。
「ミスったな」
いつのまにか、木の上に人が佇んでいた。
それも、ただのプレイヤーではない。
フード付きのローブを着て宙に浮くキーボードを操作し、目の前にはステータスとはまた違う液晶が浮かんでいる。
そして、明らかに纏っている空気が違う。
その異様な雰囲気から、3人は危険を察した。
「…逃げないのか?なら遠慮なく」
そう言うと、何やら1人言を呟きながらキーボードを叩き始めた。
「『隕石』始発20、0、5。終着25、−10、10。出現位置ランダム。発射数ランダム。対象をトレース。…ENTER」
「…!お前もしかして…!」
スコットは何かを察し、リデルとヨミは、もはや何を言っているのかわからなかった。
けれど、これだけはわかった。
逃げないと死ぬ。
しかし、もう遅かった。
数秒後、ギルド全員の元に死亡通知が続けて3件届いた。
27、非常時
「…!Aチームが全員!?」
これを見たわたしは、すぐに全員にメッセージを送り、スタート地点に戻る。
しばらくして、Aチーム以外全員が集まったため、作戦を伝える。
それは、チームと攻撃対象の変更。
「みんなも確認したと思うけど、Aチームが全員死んだ。今から非常時の策を実行する。それについて、考慮するべき点はある?例えばスキル手に入れたとか」
それを聞いて、元からあるものをベースにして組み立てていく。
その結果、Aチーム、サニーとレインとヨミで『共同体』をメインに使って立ち回り、Bチーム、ライムとルカはヘリに乗り込み、爆弾と魔法を降らす。
Cチーム、スコットとロナリアはリデルと行動し、ユアトは駆け回りながら『猛毒の花弁』を駆使、わたしは再びぼっちに決まった。
あ、でもハティーは戻ってきた。
「ごめん!」
「すみません…」
「悪り」
すると丁度5分が経過し、3人がやってくる。
3人の話によると、何やらキーボードで操作をしたのち、隕石が降ってきたとのこと。
…その技を使うのは、わたしの知っている限り1人だった。
「とまあ、こんな感じで。今のランキングは45位。それなりに上位だから、こっから頑張ってこー!」
3人に作戦を伝え、作戦は開始となった。
「…にしてもアイツ、今どこにいんだろ」
これまでずっと引き分けだったから。
絶対にいつか、タイマンで勝ちたいな。
それまでは、誰にも負けないでいて。
この前までライバルだった、今のランキング1位に、心の中で届くことのない挑戦状を出した。
28、おーないどしっ!
Aチームを壊滅させた男性は。
「…ランキングは今6位か」
だんだん順位が下がっていく。
どれもこれも、アイツが消えてからだ。
アイツはどこに行った?
あの日から、ずっとログアウト状態。
この前、さっき使ったものよりも強いスキルを手に入れて、ようやくアイツに勝てると思った矢先に。
忽然と姿を消した。
もうすでに、2ヶ月が経過していた。
その頃、Aチームはフィールドをトコトコ歩きながら、雑談をし(ながら、敵を粉砕し)ていた。
「わたしたちって同い年だよねー」
「確かにそうですね」
「うんうんだから、もうタメで話そー」
「…まあいいけど」
今、サニーとレインは5月生まれなため13歳。
しかし、ヨミは2月生まれで12歳。
「で、でもわたしはまだ12歳で…」
「えー、でも中1でしょ?同い年じゃん!」
「な、なら…サニー、ちゃんと…レイン、くん?でいい?」
「いいよいいよー!」
「わかった」
「…ところで、敵に囲まれてる気がします…あっ、するけど…」
ヨミが指摘した通り、周囲には敵、敵、敵。
しかし、2人は動じることなくスキルを使用。
「「『倍増』!」」
「『獅子の咆哮』!」
「『魔力変換』『隕石』」
…たった4つの詠唱で、周りから敵はいなくなるのだった。
29、ながら飛行はやめましょう
また、引き続きぼっちのルラ。
「敵、敵、でーてこいー」
替え歌を歌いながら、フィールドを爆速で飛行中。
※足元の森では大量の根がプレイヤーを攻撃しております。
「お、内包スキルゲットー」
『森の遺志』内包スキル『枯葉』
概要 相手を枯れさせるかのように継続ダメージ。
取得条件 『森の遺志』で10人以上倒す。
なんて、ステータスを見ながら飛行をしていると、突如として浮かんだ鏡に激突して、そのまま吸い込まれた。
「いった!」
頭から突っ込んだからか、転移先でも頭から落ちた。
あー、リアルじゃなくてよかったぁ。
…ん?
「鏡?」
目の前にあったのは、金の縁の立派な鏡。
なんか高そー。
すると、その鏡から霧が溢れ出し、目の前にわたしと全く同じ人が作り出された。
「…私は鏡の精霊」
「え、そっくりー」
「私はあなたを核に生み出され、反対の性質を持つ者。あなたにお願いがあります」
「え、何?」
「私が勝ったら、あなたを奪います」
「え?」
30、反対
強制的に始まった戦闘。
わたしと反対なんでしょ?
なら、まずは様子を見ようかな。
「『どうか願いを』『聖なる光』」
「ん?」
それはロナリアのスキルじゃないかなぁ!?
なんで持ってるのかなぁ!?
わたしは持ってないなぁ!?
「繰り返し申し上げます。私はあなたを核に生み出された者。しかし、あなたと反対の性質を持ちます」
あー!
そういうことね!
わたしがあの時取得した『悪魔との契約』と『貪食の闇』は『どうか願いを』と『聖なる光』は反対のもの。
アイツの使ってくる技は、全部わたしと反対だ!
てことは、これは持ってない!
「『死神の宣告』!」
「…『天使の囁き』」
「じゃあ…『屍』!」
「『浄化』」
「ああもう!『炎の化身』!」
「『水の心臓』」
全部かき消されんじゃん!
もう意味ないじゃん!
どうすればいいの!?
「…チャンスをあげましょう。私はあなたと反対です」
すると、鏡の精霊がシュッと刀を出した。
…そうか、そういうことか。
わたしはSTR、VIT、AGIが強い。
その反対ならば。
「めっちゃナメられてる気もするけど!『チャージ』『斬撃波』『急所狙い』!」
save 6
ネーム ルラ
レベル 80
職業 ナイト
武器 白雪の剣
頭 流星の髪飾り
服 純白の大天使
靴 羽の靴
アクセサリー 一匹狼 『召喚』
盾 ホワイトパール
STR 120(+80)
VIT 70(+100)
INT 20
MND 30
AGI 75(+45)
DEX 20
LUK 20
スキル
『チャージ』『受け流し』『身躱し』『斬撃波』『武器破壊』『急所狙い』『急所外し』『死神の宣告』『察知』『不意打ち』『峰打ち』『完全炎属性耐性』『炎の化身』『窮地の高揚』『爪痕』『独』『悪魔との契約』『貪食の闇』『確率上昇』『スライムボール』『軟弱化』『アンデット』『ネクロマンサー』『不可視の鎖』『屍』『飛翔天駆』『共同体』『憑依』『森の遺志』
ネーム ハティー
レベル 70
スキル
『爪痕』『独』『威嚇』『猛突進』




