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バベルのこどもたち   作者: 苫夜
27/40

第27話・僕らは財宝探検隊 ②

ちなみに、ホラーではないので苦手な方でも大丈夫です。


前の集会から2日後の19:00。


予定通り、いつもの4人が集合した。

それぞれが財宝探しがしやすい動きやすい服をしている。

荷物の量は、それぞれでまちまちだった。

1番大量に持ってきたのは、やはりというか、ジョーであった。

他の3人の平均の3倍くらいは荷物をもってきている。


「なにをそんなにもってきたの?」


サヤカが不思議そうに聞く。


「ふっふっふ。それは秘密にしといてくれたまえ。」


得意そうに答えるジョー。


「それじゃあ、そろそろ出発しようか。」


カンタの号令で、4人はまずは72階層の廃墟へと向かっていった。




---------------------




「……これが噂の廃墟ですか……。」


リーンが呟く。


4人は、約1時間ほどで目的の廃墟についた。

72階層の外れにあるそれは、周りの壁がボロボロで、窓もいたるところが割れている、何とも言えない雰囲気を醸し出す屋敷であった。


「……オバケとかでないよな?」


こう見えて、案外臆病のジョーがみんなに聞く。


「大丈夫よ。オバケなんて非科学的なもの、見れるなら見てみたいもんだわ。」


親が学者のサヤカは、鼻を鳴らしてそう答える。

それを聞いて一安心するジョー。


「……それじゃあ、作戦を説明するぞ。今は20:00。僕らの親たちが起きてくるのは6:00くらいだから、まだ時間はたっぷりある。

それまでに、この屋敷の中をひたすら探すぞー!」


作戦というにはあまりにも大雑把なものであったが、他の3人は揃って頷く。


「では、財宝探しをはじめよう。絶対見つけるぞ、えいえいおー!!!」


「「「えいえいおー!!!」」」


気勢を上げ終えると、ついに4人はその廃れた屋敷の中へと入っていった。




---------------------




正面入口から4人は入っていく。

ギイィ、と不気味な音を立てて重厚な作りのドアは開いた。

入って最初に4人を待っていたのは、玄関ロビーであった。

管理はやはりされておらず、上から吊るされた電灯には埃が積もっていた。

案の定、その電灯も点かない。


「懐中電灯もってきといてよかったね。」


カンタはそういってみんなの方を向きニッコリ笑う。


「それじゃあ、2人組ペアになって動こうか。その方が効率もいいしね。」


「それはいいわね。」


サヤカが賛意を示す。

くじ引きの結果、カンタとリーン、ジョーとサヤカの組み合わせになった。


「それじゃあ、21:00になったらまた一回ここに集まろう。それまでは、それぞれのペアで探すってことで。」


「もし何かあったらIDバンドにメッセージを送ること。いいわね?」


そうサヤカは釘をさす。


「オッケー。じゃあ、また1時間後。」


「……私頑張ります……!」


カンタ・リーン組は、正面にあった階段を使って、二階へと登っていった。彼らは二階担当である。


「それじゃあ、私たちも用心深く探索をしましょうかね。」


「ヨージンブカク?まあ気をつけていくか。」


ジョー・サヤカ組は、階段脇の通路を進んでいく。彼らは一階担当である。


調査を始めた二組の後ろで、開いたままになっていた玄関のドア、は不気味な音を立てて閉まっていった。


《20:00 二組に分かれ、探索スタート》



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