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バベルのこどもたち   作者: 苫夜
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第28話・僕らは財宝探検隊 ③


《20:02 カンタ・リーン組 二階客間》


「……うわぁ……。これは凄いですね……。」


最初にカンタとリーンが入ったのはかつては客間として使われていた部屋である。

そこは、どこからもってきたのだろうか、鎧が所狭しと並んでいた。

元主人の趣味の悪さが伺える。


「どうやってこのバベルにこんな鎧を持ってきたんですかね……。」


すでに、並ぶ鎧に食傷気味のリーン。


「多分、持ってきてからじゃなくて、バベルに来てから作ったんだと思うよ。屋敷を見るだけでも、この屋敷の人は相当お金もちだったぽいしね。」


「……納得です。」


2人は雑談を止め、鎧だらけのこの客間を丹念に調べ始めた。


《20:03 ジョー・サヤカ組 一階応接室》


「ここもやっぱり埃だらけかぁ。」


「まあしょうがないわね。なにしろ廃墟になってから数十年経ってるしね。」


こちらの2人が最初に調べることにしたのは、応接室である。

玄関ロビーと同様に、調度品にもれなく埃がかぶっていた。


「……だけど、このソファとか、この机とか、全部高そうだな。遺族の人がどうせこうなるなら売っぱらっちゃえばよかったのにな。」


「そう言われると不思議ね。……あれ、このソファも机も動かないわ。もしかしたら床に固定されてるのかもしれないわ。」


そう言われてジョーも思いっきりソファを押すが、ソファはピクリとも動かなかった。


「……ちょっと気になるわね。このソファや机から調べ始めましょうか。」


「おう。」


2人はまずは重点的に応接室のソファと机を調べ始めた。


《20:07 カンタ・リーン組 二階客間》


「ひゃっ!!!」


突然、リーンがびっくりしたような声をあげる。

どうやら、割れた窓から入って来た空気でひらりと舞ったカーテンが頬を撫でたらしい。


「リーン大丈夫?」


「……うん。ちょっとびっくりしちゃっただけだから……。」


「それならよかった。……それよりリーン、この鎧を見てみてよ。汚れててみにくいけど、この腕のあたり何かかいてあるよ。」


「……本当ですね。なんて書いてあるんでしょう?」


2人は一緒になってその掠れた文字と睨めっこを始めた。


《20:05 ジョー・サヤカ組 一階応接室》


「ふんっ!!!!!」


ジョーが真っ赤な顔をして机を押すが、やはりピクリとも動かなかった。


「これはどう考えても動かなそうね。」


興味津々の顔で見るサヤカ。


「ぐわー、疲れたぁ!」


勢いよく壁にもたれかかるジョー。


カチッ。


なにかボタンが押されるような音がした後、ジョーが立つ床が、突然下に落ちた。

一緒にジョーも落ちていく。


「うおっ!!?」


あまりにも唐突なことで、サヤカに止める術はなかった。


そして、開いた穴は、別のスライドして出てきた床によって隠され、また何事もなかったかのように普通の床へと戻った。


「ジョー!大丈夫!?」


急いでカエデもスイッチがあったとこらしき場所を押すが何も起きない。

どうやら一度発動したらもう起きない仕組みのようである。

困るサヤカに、ジョーからIDバンドにメッセージがはいる。


『俺は大丈夫だ。怪我もしてないぜ。なんかこっちにも通路が伸びてて、部屋がありそうだからちょっと探索をしてみる。』


サヤカはホッと一安心してカンタに一応連絡した後、探索を続けることにした。


この屋敷、確実に何かある。


今のカラクリを見たサヤカは、その思いを強くしていた。



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