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暗い部室と濡れたハンカチと明るい薬局

宵野は手をチラリと見る。



「大丈夫だと……」



「超ゴメン、やばい、保健室!」


「保健室、閉まってるでしょ。下校時間過ぎてるし。」


「うそォ!?じゃあ、駅前の薬局行こう。

とりま、ハンカチで……」


スバルは、一日使ってじっとりと濡れたハンカチをポケットから取り出して宵野の手のひらを押さえると、宵野の腕を引っ張った。


「いや、別に……俺、センコーに言われて、部長に帰れって言いに来ただけで……」


「それはありがとう、じゃあ、薬局行こう!」


宵野の顔が薄暗い部屋の中でも目立つほど燃え立っていることに、

そのときのスバルは気付かなかった。


***


「すごい大怪我だな。」


二人の白いワイシャツが、『薬』の看板に浮かび上がる。


「いや、部長が騒いだからでしょ。包帯巻かないとずれるとか……」


「キズパワーバンドだってよ。貼れば治癒力回復ってすごいよな。」


「……」


夕暮れの駅前通りを、二人はゆるゆると駅に向かう。


この高校は中高一貫の進学校で、高校三年生になると、五月の文化祭を最後に部活を引退し、

受験勉強に専念する者がほとんどだ。


――スバルもそのつもりだ。


とはいえ、「最後だから気合を入れて」ということもない。

無事に終わらせて、自分のやるべきことを果たして、宵野たち高二にバトンタッチ……

自分は勉強を進めて、大学受験へ……

流れのままにやるだけだ……



『【BL】終局の悪魔―俺を利用するはずの白髪高官が、なぜか俺の目を美しいと言ってくる―』

白髪美貌ドルチェ×赤髪悪魔フィーネ(左右固定)、終盤に向けて身体接触も保証します。

全51話、9月16日完結予定。

https://ncode.syosetu.com/n4565ml/


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