第2章 うれしい、でも
なぜか由美さん、1年生の校舎や寮で見かけることが増えた。
「結希さん、今日このあと時間あるかしら?」
え、あたしに?由美さんに会えるのはもちろん嬉しい。でもなぜだろう。
誘われるままに、由美さんと一緒の時間を過ごすことが増えてしまった。
休日も、一緒に街中にでかけていった。
由美さんは映画が好きだって。純愛物の韓国映画が好きだって言ってた。あたしも映画は好きだけど、...アニメ映画が好きかな。「ちょっと好みが違うね」笑いながら、でも映画好きって言う共通点があったから、会う度に違う映画を探して、一緒の時間を過ごした。そのあとは、カラオケにいったり、洋服やアクセサリーを選んだり。
すっかりお友達関係のようになった。
同級生からも「先輩とラブラブなんじゃない?」ってからかわれるようになった。そんなんじゃないんだけど。でも、先輩との時間は嬉しかった。
先輩と出かけるときには、どちらともなく、手を繋ぐようになった。
あるとき先輩が、強くあたしの身体を引き寄せた。
「もっと距離を縮めたいな」
さすがにそれは悪い気がした。ちょっと身体で抵抗した。
「そんなにいやがらないでよ、もう!」
強くハグされた。そのまま抱きしめられた。
「結希とキスしたい!だめ?」
考えてもなかった。わからない。でも、お姉さんには嫌われたくない。かるくうなづいた。
お姉さんの唇が、あたしの口に入ってきた。
あたしは、どうすればよいかわからなかった。しばらくそのままの時間を過ごした。お姉さんになされるがまま。嬉しいよりも、戸惑いがつよかった。
「今日は楽しかったね。またね」
先輩と会うのは楽しい....。でも先輩との関係は、これから変わるかも知れない。これからも同じような楽しさで先輩と会えるのかしら。




