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第3章 そんなつもりじゃなかった

 同級生からもすっかり「由美先輩とラブラブの仲」と言われるようになった。

 でもあたしの内心はちょっと違っていた。


 先輩はあこがれのお姉さんだった。でも最近、少し風向きが変わってきた。

 そんなに距離を縮めなくて良い。もうすこし距離を置いて仲良くしたい。

 それが言えなかった。先輩だし、お姉さんだし。それにお姉さんと距離ができるのが怖かった。


 先輩はその後も、会う度に距離を縮めてくる。会う度にキスをしてくる。キスの時間も長くなっていく一方。


 先輩の部屋に誘われた。抱きしめられ、キスをされ、そのままベッドに。


「ごめんなさい!ここまでにしてください!」


 ついに口から出てしまった。


「いやだ、結希ったら。もっと楽しもうよ。ほら、結希の身体って、正直でしょ」


 由美さん、あたしの下半身を触ってきた。

 あたしの下半身は、男子のまま。今、ものすごく成長している。こんな状態になってしまうのはイヤ。本当にイヤ。自分でも憎らしいくらい。

 でも今の由美さん、むしろそれを求めてるんだろうな。

 由美さんは、あたしの身体を手を取って、由美さんの下半身に誘導した。え、ちょっとまって....。


 女の子の下半身事情、そして男の子の下半身事情。

 今、女の子の下半身事情に、はじめて直面している。そしてあたしの下半身も。


 あたしは、自分の下半身がいやなんだけど、「由美さんがあたしの下半身を求める気持ち」は、理解したかった。たけど、お姉さんの気持ちを大切にしたい。そう思って、黙って流れに身を任せることにした。

 あたしの気持ちは、雄というよりも。お姉さんは、いまどんな気持ちなんだろう。お姉さんの立場がうらやましい。そして、いつかは、お姉さんの立場になりたい。そんな思いで、頭の中がいっぱいだった。


「だめ、これ以上はできない!」

 本能的に、なにかを察知した。これ以上身体を合わせたら......!あわてて由美さんの身体から離れた。ほどなく、あたしの身体から吹き出したものが....こんなもの見たくない、でもあたしの身体から出てしまったという事実が目の前にある。


 あたしの身体に雄が残っていることを思い知る。悲しさと悔しさと罪悪感で頭がいっぱいになった。こんな思いをするために、今あたしはここにいるのだろうか。

 お姉さんを急に突き放してしまったことを謝った。お姉さんはやさしくフォローしてくれた。

「もう今回限りにして下さい。あたし、いやなんです」お姉さんに訴えた。今日はいつになく、お姉さんに口が出てしまう。

「本当に、今回限りで....」

 涙が止まらないあたしを、お姉さんはいつまでも慰めてくれた。きっと、身体を重ねた余韻を、もっと味わいたかっただろうに。


 汚してしまった先輩の部屋や洋服は、きれいにした。「あたしの責任です」って言ったけど、お姉さんは「そんなことないよ、いっしょにきれいにしよう」と、最後まで優しかった。


 できれば、これ以上お姉さんに会いたくなかった。会わない方が良いと思った。


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