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ゴッドペガサスヒデアキ列伝――ULTIMATE ATTACK――  作者: 谷直子@TNT爆発
第一章 第一次ペガサス計画(幼稚園時代)
3/4

#3 ペガサス化計画

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俺は敗北した。

畳に顔面から落下してから三日。

傷ついた心を癒やすように、俺は部屋の隅で体育座りをしていた。

飛べなかった。

当然だ。

あの画用紙の翼では。

今思えば、酷い代物だった。

左右の長さが違う。

クレヨンで「翼」と書いてある。

しかもアンパンマンのシール付き。

ダサい。

あまりにもダサい。

「これでは飛べん……」

俺は静かにつぶやいた。

「何を今さら」

母である。

「ペガサスを舐めていた」

「そうね」

「紙で飛ぼうなど……」

「そもそも飛べないわ」

「浅はかだった」

「そこじゃない」

俺は翼を見つめた。

「これでは神話になれない」

「ゴミの日に出して」


その夜。

俺は布団の中で考えた。

考えて。

考えて。

考えて。

そして、一つの結論にたどり着く。


「焦りすぎていた」

エジソンも。

ナポレオンも。

ペガサスも。

きっと一日にして完成したわけではない。


たぶん。

知らないけど。

「まずは計画だ」


翌朝。

俺はクレヨンとスケッチブックを持ち出した。

そして書き始める。


【ペガサス化計画】

その一

白くなる。


その二

速くなる。


その三

飛ぶ。


その四

翼。



「完璧だ」

「雑ねぇ」

母である。

「何が問題だ」

「全部よ」

「全部……?」

「まず、白くなるって何」

「ペガサスだから」

「そう」

「速くなる」

「そう」

「飛ぶ」

「そう」

「翼」

「そう」


「順番がおかしいのよ」

「何?」

「普通、翼が先でしょ」


俺は愕然とした。

盲点だった。


「さすが母上……!!」

「……」


その時だった。

ふと、図鑑のページを開く。

馬。

チーター。

ワシ。

それぞれの写真が俺の目に飛び込んできた。

そして。

雷に打たれたような衝撃が走る。


「そうか……!」

「何?」

「ペガサスは!!」


俺は立ち上がった。


「馬+鳥だ!」


「今?」


「今わかった!!」


「一週間何を見てたの?」

「……」


「つまり!!」

俺の脳内で、すべての歯車が回り始める。

「まず馬になる!」

「うん」

「次に鳥になる!」

「うん?」

「最後に合体する!!」

「怖いわよ」


俺はスケッチブックを開き、新たな計画を書き加えた。

第一段階

馬。


第二段階

鳥。


第三段階

ペガサス。


「完璧だ……」

「どこが」

「ついに道が見えた」

「見えてないわ」

「ペガサスへのロードマップだ!!」

「人生設計みたいに言わないで」


しかし。

この時の俺はまだ知らなかった。

「馬になる」

という第一段階が、

幼稚園全体を震撼させる未曾有の大事件へと発展することを。


数週間後。

後に『四足歩行事件』として語り継がれる珍事が始まるのである。

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