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ゴッドペガサスヒデアキ列伝――ULTIMATE ATTACK――  作者: 谷直子@TNT爆発
第一章 第一次ペガサス計画(幼稚園時代)
2/4

#2 神話は常に孤独

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翌朝。

俺は悟った。

「……ペガサスは馬だ」

当たり前である。

だが、この時の俺には天啓だった。

「つまり二足歩行では駄目だ」

俺は床に両手をついた。

そして四足歩行を開始した。

「何やってるの?」

母である。

「進化だ」

「退化よ」

「違う」

俺は首を振る。

「ペガサス化だ」

「朝から嫌な単語を聞いたわ」

しかし、母の理解を待っていては遅い。

神話はいつだって孤独なのだから。


俺は廊下を疾走した。

ドドドドドドド。

「速い!!」

ドン。

壁に激突した。

泣いた。


だが十分後。

俺は再び立ち上がる。

「ペガサスは諦めない」


昼食。

ニンジンを見た俺は目を見開いた。

「来たか」

「来てないわよ」

「馬の主食!!」

「カレーの付け合わせ!!」

俺はそのニンジンを高く掲げた。

「いただきます」

ボリッ。

「うえっ」

嫌いだった。

吐きそうになった。

しかし。

「強く……なる……!!」

涙目で完食。

母は無言で牛乳を差し出した。

「これ飲みなさい」

「何故だ」

「カルシウム」

「白い……」

「牛乳よ」

「白い!!」

俺は立ち上がった。

「白き肉体!!

 白き毛並み!!

 これはペガサスの導き!!」

「ただの牛乳!!」


その日から一日三杯。

牛乳生活が始まった。


三日後。

身長は何も変わらなかった。

「何故だ……!!」

「三日だから」

「何故なんだ!!」

「三日だから」


その夜。

布団の中で俺は考えた。

ペガサス。

白馬。

翼。

飛行。

そして。

「そうか……」

全てが繋がった。

「飛ぶには羽ばたきだ」


翌朝。

俺は両腕に画用紙をガムテープで固定していた。

「秀昭」

「何だ」

「何してるの」

「最終段階だ」

「嫌な予感しかしないわ」

「見ていてくれ」


椅子の上に立つ。

両腕を広げる。

「今日」

俺は空を見上げた。

「人類の歴史が変わる」

「降りなさい」


「変わるんだ!」


「降りなさい!」


そして。

俺は飛んだ。


一秒後。

畳に顔面から落ちた。


泣いた。かなり泣いた。


しかし。

「何故だ……」

涙を流しながら俺は呟く。

「何故、まだ飛べない……」

母はため息をついた。

「まだじゃないわ」


そして静かに言った。


「一生よ」

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