76.BBQ
・・人物紹介・・
楠本健吾 レベル39 火魔法使い 元社畜廃人ゲーマーおじさん +2up!!
リリィ・ノーブレット レベル43 聖魔法使い 筆頭聖女 勇者PTの聖女の妹 +2up!!
ブライス レベル40+ 宮廷魔導士 火属性魔法使い +1up!!
アルバート レベル50+ 第二騎士団員 盾防御スキルが優秀
アラン レベル50+ 第二騎士団員 盾防御スキルが優秀
スコット・スタインズ レベル?? 第二・第三騎士団副団長 ケリーの側近 リックの弟
キョウコ レベル?? 宮廷魔導士団序列3位 研究派 引きこもり
スティング レベル90 風魔法使い 筆頭宮廷魔導士 王太子派
ケビン・エーリック レベル??? 第一王子 王太子 第一騎士団長 腹黒
ケリー・エーリック レベル??? 第二王子 第二・第三騎士団長兼務 脳筋
「あら、それは何ですの?」
キョウコが魔法のカバンから出した道具にリリィが反応する。
「えっと・・、何だったっけ。」
「肉や野菜を焼く道具ですよ。ですよねケンゴさん。」
「え、ええ。」
スティングが持ってきた魔法カバンにはバーベキューセットが入っていた。
とんかつが大流行した後、中庭の料理長たちに新たな料理案をお願いされ提案したのがBBQだった。
この世界では高い油をモリモリ使うとんかつが流行しすぎて油が足りなくなり、それに代わるレシピが必要だったそうだ。
確かにこの国の料理は基本的に、焼く、煮る、蒸す、が主体だった。
貴重な油で揚げるなんてかなりの贅沢だったのである。
それならと言う事でバーベキューを提案し、道具を作って貰って健吾の部屋でお披露目となった。
健吾にスティング、マナ、ナミ、料理長たちで秘密裏に行われたBBQは大絶賛された。
(肉と野菜を切って焼くだけでなぜ・・・?)
と健吾は思ったが、この世界での肉と言えば牛も豚も「分厚いステーキ」が主流。
外で食べるなら「上手に焼けましたー!」が印象的なゲームの「マンガ肉の炙り焼き」しかないというなんともワイルドな食べ方である。
焼いた後は一口サイズに切って食べるのに、元から一口サイズに切って焼く「焼肉スタイル」は無かったのだから驚きだ。
料理長たちに肉を薄く一口サイズに切って持って来てもらい、BBQセットで焼いたお肉は絶品だったそうで近いうちに中庭の食堂でも始めるらしい。
その時のBBQセットをスティングが魔法カバンに入れて持って来ていたのだ。
(そう言えば最後までめっちゃ食べてたなぁスティングさん・・・。気に入ったのか。)
「でも煙も匂いも結構出ますよ。ダンジョンの中では魔物が寄ってくるのでは?」
「ふふ、心配ありません。風魔法でこの辺りだけ空気が循環するようにしますので。」
「そ、そんな事も出来るんですね。なら安心です。」
懸念も払しょくされて突発的に始まった焼肉パーティーは当然のように大絶賛された。
「んんんーっ!おいひいでふわぁ!」
「焼いて食べるだけなのに美味しいわね・・・。」
「このタレがたまりませんねぇ、あ、これ焼けてますよ。」
「いやホントに美味しいですねこのタレ、料理長すごいな。」
とんかつのソース用に作ったものを料理長がさらに美味しくさせた「焼肉のタレ」が完璧にハマったようだ。
あっさり系と濃厚系の2種類のタレが皆を虜にしてしまっていた。
その後スコットと騎士さん2名が食べ終えたが、魔法使いたちの食事は止まらない。
(やはり体力と魔力を使うから2倍腹が減るのだろうか?)
健吾が驚くほど食べまくる。
特にスティングとブライスはBBQの食材が無くなるまで食べていた。
「あ、もう材料が無くなりましたか。残念ですね・・・。」
「ですね。」
ショボンとする二人に呆れつつ、キョウコが入れてくれたお茶を飲んで小休憩。
「あと1時間ほど狩ったら帰りましょう。日付が変わらないうちに城に着けます。」
「「「はい。」」」
食後、最初と同じように業火を撃ち続けてムカデを倒しまくり、きっちり1時間で終えてダンジョン入口へ戻り、スティングの飛行魔法で24時前に城に戻って来た。
「強行軍でしたが非常に実りのある時間でしたね。お疲れさまでした。」
「「お疲れさまでした。」」
「今回の鉱山のダンジョンでのレベリングはかん口令が敷かれます。くれぐれも漏らさないように。」
「詳しい事は明日にしましょう。では解散。」
健吾とスティング以外のメンバーは眠気に襲われフラフラになっていたので考慮してくれたのかもしれない。
会社は社畜、ゲームでは廃人を極めていた健吾にとっては朝までやっても平気だったのだが、さすがにブライスの疲労を考えて帰って来た。
リリィを療養塔まで送り、自分の部屋まで帰り着いて簡易鑑定をしてみると、さらにレベルが2つ上がっていた。
「丸1日やったら上限のレベル50まで行けちゃうなこれ・・・。むふぅ。」
幸運にも本当のパワーレベリングの場所を発見してしまった事に興奮した健吾は、それからなかなか寝付く事が出来なかった。




